最高の“アクションスター”は誰?
「最高のアクションスター」と聞かれたら誰を挙げるだろうか?
ブルース・リーとジャッキー・チェンはもちろん、シルヴェスター・スタローンやアーノルド・シュワルツェネッガーは絶対に入る。ジェイソン・ステイサムやジェット・リー、ドニー・イェンも当然入るだろう。チャールズ・ブロンソン、クリント・イーストウッド、ジェームズ・コバーン、ジャン=ポール・ベルモンドのような往年のスターも忘れてはならない……。
という感じで挙げているとキリがないのだが、絶対外せないアクションスターはスティーヴ・マックィーンだろう。
やんちゃ少年から海兵隊での活躍、シナトラ作品で俳優デビュー
マックィーンは1930年3月24日にアメリカ合衆国インディアナ州に生まれた。曲芸飛行士の父と母はマックィーンが6カ月の時に離婚したが、母はアルコール依存症だったため祖父の下で育てられる。母の再婚と共にふたたび義父と母と暮らし始めるが、ドメスティックバイオレンスが繰り返される家庭であったため、マックィーンは9歳の頃から家を出て軽犯罪を繰り返しながらストリートギャングの一員となっていく。
ティーンエイジャーのマックィーンは手が付けられない不良少年となっており、最終的に問題児が集まる矯正学校に入れられることに。この学校で更生したマックィーンは17歳で海兵隊に入隊するも、反抗的・反権力的な態度によって7度も二等兵に降格させられてしまう。しかし再び更生したマックィーンは、演習中に窮地に陥った5人の仲間を救出するなどの活躍を見せ、トルーマン大統領のヨット警備などを務めた後で名誉除隊している。
Steve McQueen saved 5 Marines during Arctic exercise pulling them from a tank before it broke through ice into sea (before film career) pic.twitter.com/uWon1vV5hu
— Classic Movie Hub (@ClassicMovieHub) May 29, 2017
除隊後に俳優養成学校で演技を学んだマックィーンは、西部劇などで活躍。そこでフランク・シナトラ主演の『戦雲』(1959年)の出演者に抜擢される。シナトラ一家のサミー・デイヴィス・Jr.が降板した後任として、本作でジープの運転士、リンガ伍長を演じたのだった。『戦雲』でマックィーンを気に入ったジョン・スタージェス監督は、翌年の『荒野の七人』(1960年)の準主役にキャスティング。マックィーンは一躍スターダムに躍り出ることになる。