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掲載日:2026年10月10日(2026年10月10日時点の情報) 文=BANGER!!!編集部
※本記事の情報は2026年10月10日時点の情報です。最新情報は公式サイトにてご確認ください。
イス取りゲームは、子どもの遊びのなかでいちばん残酷だ。音楽が止まった瞬間、さっきまで笑っていた友だちが敵になる。
その遊びを、デビュー15周年のKis-My-Ft2が大人の本気でやった。『キスマイ×NEXT 謎解きイス取りゲーム』は、神奈川のレジャー施設「さがみ湖 MORI MORI」を貸し切りにして、ゲストを含む10名が個人戦で争う番組である。U-NEXTの独占配信で、会員見放題。10月1日に配信が始まった。初回登録の人は31日間の無料トライアルで観られる。
「個人戦」の三文字が効いている
アイドルグループのバラエティは、たいていチーム戦になる。メンバー同士が助け合い、最後は全員で笑って終わる。安心して観られるが、予想を超えることも少ない。
この番組は公式の説明からして物騒だ。「完全個人戦のデスゲーム」。千賀健永、宮田俊哉、横尾渉、藤ヶ谷太輔、玉森裕太、二階堂高嗣の6人が、互いを蹴落とす側に回る。15年同じグループにいる人間どうしの個人戦は、初対面の10人がやるそれとはまるで違う。誰が謎解きに強く、誰が土壇場で運を持っていて、誰が追い詰められると顔に出るか。全員が全員の癖を知っている。知ったうえで裏をかこうとする。
キスマイは地上波で長くバラエティの看板を背負ってきたグループである。格好をつける場面で格好がつかないことを、笑いに変える訓練を積んできた。だから負け方がうまい。この手の番組は、勝者より敗者の顔で出来が決まると私は思っていて、その点でこの6人ほど信頼できる顔ぶれはなかなかいない。
頭と体と運、全部を取りにくるルール
報道で伝えられている仕組みを整理しておく。会場には大量のイスが置かれ、そのなかから「正解のイス」を探す。1stステージは謎解きで、解けた者から正解のイスへ走る。間違ったイスに座ると電流が待っている。頭が良くても足が遅ければ奪われるし、足が速くても解けなければ走る先がない。
2ndステージは体を使う。「チーム体重合計ぴったりチャレンジ」という、名前だけで可笑しい関門のあとに、また個人戦の謎解きが来る。協力させておいてから突き放す順番が、意地が悪くていい。
敗者復活戦は「ロシアンビリビリ」。メンバー同士が相手を指名する形式だという。ここがおそらく番組の心臓だ。誰が誰を指すか。指された側がどんな顔をするか。15年分の貸し借りが、指一本に出る。そしてファイナルステージでは、謎解き力と体力と運のすべてが問われる。
収録後、メンバーからは「ライブよりきつかった」という声が出たと報じられている。遊園地を走り回る企画に、アリーナツアーをこなす人たちがそう言うのだから、手加減のない収録だったのだろう。
6人の外から来た4人
ゲストの人選にも筋が通っている。Travis Japanから宮近海斗、吉澤閑也、松倉海斗。後輩が3人入ることで、キスマイの6人は「先輩として負けられない」という余計な荷物を背負う。荷物を背負った人間は、だいたい面白い転び方をする。後輩の側も、遠慮して譲るのか、容赦なく奪いにいくのか。そこに性格が出る。
もうひとりはラランドのニシダ。アイドル9人のなかに芸人がひとり放り込まれる構図である。場を回す役なのか、ただ淡々と勝ちにいくのか。どちらに転んでも画になる。
進行を預かるゲームマスターは、ピン芸人の岡野陽一。デスゲームの主催者という役どころは、威厳がありすぎても、軽すぎても白ける。あの人の、どこか信用しきれない語り口は、この役によく合うと思う。
好みが割れるところ
万人向けの番組ではない。
まず、罰が電流である。古典的な仕掛けで、痛がる姿を笑う形式そのものが苦手な人には合わない。謎解きを自分でもじっくり考えたい人にも、たぶん物足りない。主役は謎の出来より、解けずに焦る人間のほうだからだ。
次に、関係性を知らないと笑いが半分になる。メンバー同士の指名や裏切りが効くのは、ふだんの距離感が頭に入っている人に対してである。Kis-My-Ft2もTravis Japanもよく知らないという人には、入口として少し高い。
最後に、番組の長さと話数を、私はまだ確認できていない。連休のどのくらいを使うことになるのか、ここで約束はできない。再生する前に作品ページで確かめてほしい。
そのうえで、私はこの番組を買っている。15周年の企画として、感動の振り返りより先に「全員で潰し合う」を持ってきた。その順番に、このグループがどう見られたいかが出ている。祝われるより、笑われたい。そういう人たちの番組は、観ていて気持ちがいい。
連休に観るなら、この順番で
U-NEXTでは本編に先立って『Episode.0 密着メイキング』も配信されている。私なら本編を先に観る。誰が勝つかを知らないまま走り、そのあとで舞台裏に戻るほうが、メイキングの一場面一場面に意味が乗る。
向いているのは、もちろんキスマイを追ってきた人。それから、Travis Japanの3人がバラエティの場でどう立ち回るかを見たい人。家族や友人と、誰が勝つか予想しながら観るのにも向く。ひとりで観るより、声を出せる相手がいたほうが楽しい種類の番組だ。
この企画はシリーズになっていて、第2弾『15周年ヒストリークイズ! Kis-My-FtQ』が11月1日、第3弾『DEEP TALK 6人の新米記者』が12月1日に控えている。体を張る回、歴史を振り返る回、語る回。順に並べると、最初にいちばん騒がしいものを置いたことが分かる。連休のうちに第1弾を済ませておけば、11月の続きにそのまま乗れる。
『キスマイ×NEXT 謎解きイス取りゲーム』はU-NEXTの独占配信で、会員は見放題で観られる。10月1日から配信中。U-NEXTの月額は2,189円(税込)で、初回登録の人は31日間の無料トライアルが使え、期間内に解約すれば料金は発生しない。
音楽が止まったとき、15年の仲間のうち誰が最初にイスへ飛びつくか。その一瞬の顔を見るためにある番組だと、私は思っている。
※本記事は2026年10月10日時点の情報です。配信状況・料金・配信期間は変更される場合があります。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。