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椿三十郎!キル・ビル!ジョン・ウィック!オタクな監督が『ゼイ・ウィル・キル・ユー』に込めた映画愛とは

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ライター:#BANGER!!! 編集部
椿三十郎!キル・ビル!ジョン・ウィック!オタクな監督が『ゼイ・ウィル・キル・ユー』に込めた映画愛とは
『ゼイ・ウィル・キル・ユー』©2026 Warner Bros. Ent. All rights reserved

脱出型ホラーアクション『ゼイ・ウィル・キル・ユー』全国公開中

ご存知『IT/イット』シリーズの監督アンディ・ムスキエティと、『WEAPONS/ウェポンズ』の大ヒットも記憶に新しいワーナー・ブラザースが仕掛ける、異ジャンルが融合した前代未聞の脱出型ホラーアクション映画『ゼイ・ウィル・キル・ユー』が5月8日(金)より全国公開中。

鮮烈な視覚表現とダークユーモアを融合させた『とっととくたばれ』で注目されたロシア出身のキリル・ソコロフ監督が、『デッドプール2』や『ブレット・トレイン』で知られるザジー・ビーツを迎えて放つ本作。ザジーが演じるメイドの前に立ちはだかる住人たちに、オスカー女優パトリシア・アークエット、『ハリー・ポッター』シリーズのトム・フェルトン、『ブギーナイツ』のヘザー・グラハムら個性的な俳優たちが結集し、想像の斜め上を突っ走る怪・傑作が誕生した。

『ゼイ・ウィル・キル・ユー』©2026 Warner Bros. Ent. All rights reserved

気鋭監督が影響を受けた傑作アクションとは?
『ゼイ・ウィル・キル・ユー』に込められた映画愛に迫る!

ソコロフ監督のハリウッドデビュー作でもある『ゼイ・ウィル・キル・ユー』には、オタク心満載の映画愛があふれている。その容赦ないアクションスタイルや血しぶきへのこだわりは、黒澤明監督の傑作『椿三十郎』(1962年)、クエンティン・タランティーノ監督の『キル・ビル』(2003年)、チャド・スタエルスキ監督&キアヌ・リーヴスの『ジョン・ウィック』(2014年)など、日本の侍映画やハリウッド・アクション作品からの影響が大きい。さらに高層マンションという舞台設定は、ギャレス・エヴァンス監督の脱出型アクション『ザ・レイド』(2011年)との共通点も見えてくる。

『ゼイ・ウィル・キル・ユー』©2026 Warner Bros. Ent. All rights reserved

“クロサワ”の傑作時代劇『椿三十郎』からの影響

悪魔崇拝者たちに逆襲する最狂メイド(演:ザジー・ビーツ)は、隠し持ったマチェーテや斧を駆使して目の前の敵を切り裂いていく。激しく噴き上がる血しぶきは、三船敏郎と仲代達矢が対決する『椿三十郎』の名シーン、黒澤明監督がポンプを用いて血しぶきを表現した“血の噴水”を彷彿とさせる。

『ゼイ・ウィル・キル・ユー』©2026 Warner Bros. Ent. All rights reserved

ソコロフ監督は、黒澤映画の大傑作『七人の侍』(1954年)を何度も観返すほどお気に入りの一本と語っており、本作からも黒澤映画の影響を感じることができるだろう。

また本作では、血しぶきを敢えて時代劇風にするために、血液を最大2メートルまで噴射する特別な装置が用意されたという。監督は「大量の血しぶきを体験していただけることを保証します!」と、本作の血量に自信をのぞかせている。

1人対多勢の『キル・ビル』&『ジョン・ウィック』

最狂メイドが悪魔崇拝者たちを次々となぎ倒していく姿は、『死亡遊戯』(1978年)のブルース・リーを思わせる黄色のジャンプスーツに身を包んだ主人公ブライド(演:ユマ・サーマン)が、多勢の黒服ヤクザたちを血祭りにあげていく『キル・ビル Vol.1』(以下『キル・ビル』)を彷彿とさせる。

大切な家族を殺したビルへの復讐を誓い、刀で敵を容赦なく仕留めていくブライド――。とくに『ゼイ・ウィル・キル・ユー』のアクションに影響を与えているのが、『キル・ビル』のクレイジー88戦だ。東京の「青葉屋」を舞台にした約8分間に及ぶこのバトルでは、殺人集団クレイジー88に、ブライドが刀一本で挑む。

『ゼイ・ウィル・キル・ユー』でザジー・ビーツ演じるメイドの血みどろの戦いには、“1対多勢”の構図が踏襲されている。たった1人で多勢に立ち向かう超絶バトルを、ソコロフ監督は縦横無尽のカメラワークでスタイリッシュなアクションへと昇華してみせた。

さらに、ザジー演じるメイドの名前が「エイジア・リーヴス」であることには、『ジョン・ウィック』のキアヌ・リーヴスへのリスペクトが隠されている。愛犬を殺した男たちに復讐するために、掟を破って復帰した凄腕の殺し屋ジョン・ウィックは、世界中の殺し屋から命を狙われることになる。“1対多勢”の構造は、『ジョン・ウィック』が描いた逃げ場のない極限状況下で反撃に転じていくエイジアの姿とも確かに重なるだろう。

閉鎖空間からの“脱出”アクションの決定版『ザ・レイド』

閉ざされた密室を舞台に脱出する映画といえば、テロリストに占拠された高層ビルに居合わせた刑事の奮闘を描いたブルース・ウィリスの出世作『ダイ・ハード』(1988年)や、近年でも東京から京都に向かう新幹線を舞台に壮絶な逃走劇を描いた伊坂幸太郎原作、ブラッド・ピット主演の『ブレット・トレイン』などがある(※ザジー・ビーツは同作で毒殺専門の殺し屋を熱演)。しかし“決死の脱出×壮絶アクション”の部分にフォーカスすると、やはりギャレス・エヴァンス監督の『ザ・レイド』が決定版だ。

『ゼイ・ウィル・キル・ユー』©2026 Warner Bros. Ent. All rights reserved

麻薬王が支配するビルを舞台に、文字通りの死闘を繰り広げるSWAT部隊とギャングたち。隊員たちが次々と倒されていく中、イコ・ウワイス演じる新米SWAT隊員がインドネシアの伝統武術「シラット」を駆使して、襲いかかる敵をなぎ倒していく。フロアごとに仕掛けられた演出も、『ゼイ・ウィル・キル・ユー』における死の館<バージル>の舞台設定とアクションに大きな影響を与えていることは間違いないだろう。

クロサワ映画のサムライ精神と、『キル・ビル』&『ジョン・ウィック』の多勢バトル、そして『ダイ・ハード』&『ザ・レイド』の脱出アクションまで、キリル・ソコロフ監督がリスペクトする数々の傑作アクションのエッセンスを詰め込んだ『ゼイ・ウィル・キル・ユー』。ぜひ映画館の大スクリーンで体感したい、94分間ノンストップの痛快作だ。

『ゼイ・ウィル・キル・ユー』は5月8日(金)より全国公開中

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『ゼイ・ウィル・キル・ユー』

ようこそ、ここは悪魔崇拝者が巣くう高級マンション。
今宵も一人のメイドが、悪魔の生け贄に捧げられる――はずだった。
しかし、今夜の生け贄は、何かがおかしい……。

監督:キリル・ソコロフ
制作:アンディ・ムスキエティ、バーバラ・ムスキエティ
出演:ザジー・ビーツ、パトリシア・アークエット、トム・フェルトン、ヘザー・グラハム ほか

制作年: 2025