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「胸が締め付けられ、涙があふれ出る…」巣立ちゆく若者たちに贈る映画3選!山時聡真×菅野美穂『90メートル』公開記念

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ライター:#BANGER!!! 編集部
「胸が締め付けられ、涙があふれ出る…」巣立ちゆく若者たちに贈る映画3選!山時聡真×菅野美穂『90メートル』公開記念
©2026 映画『90メートル』製作委員会

人生の岐路に立つ高校生の息子と難病を抱えるシングルマザー
複雑な想いを抱える親子の絆と揺るぎない愛を綴った感涙物語

人生の岐路に立つ高校生の息子と難病を抱えながら我が子の希望ある明日を願うシングルマザーの揺るぎない愛を綴った感涙物語『90メートル』が、3月27日(金)より全国公開中だ。

©2026 映画『90メートル』製作委員会

『少女は卒業しない』(2023年)や『か「」く「」し「」ご「」と「』(2025年)など監督作がことごとく高く評価されてきた中川駿による渾身のオリジナル企画を映画化した本作。母親を看病した経験を持つ中川監督が、自身と自身の母を重ね合わせたキャラクターを作り上げ生み出した半自伝的映画だ。

難病を抱えた母・美咲と 2 人で暮らす高校 3 年生の藤村佑(たすく)を演じるのは、スタジオジブリの『君たちはどう生きるか』で主人公声優の座を射止め、ドラマ「ちはやふるーめぐりー」など話題作への出演で注目を集める山時聡真。そして自身も子育て中であり、『ディア・ファミリー』『近畿地方のある場所について』など母親役が続く菅野美穂が佑の母、美咲を演じる。

©2026 映画『90メートル』製作委員会

🐣巣立ちゆく人々に贈る「感涙物語」3選🐔

映画『90メートル』は、互いを想いあう母子の物語だ。「子の未来と、母子の繋がり」という、本来は天秤にかけられることのない2つの要素を、高校生の息子・佑と難病を抱えた母・美咲が、それぞれの愛情をもって選び取ってゆく様に胸が締めつけられる。しかし、ある種の成長物語ともとれる本作は、「悲しいだけ」では終わらない仕上がりだ。

そんな本作の公開に合わせ、佑と同じく卒業のタイミングを迎えた学生たちにおすすめしたい、「家族愛」にちなんだ作品をご紹介。もちろん家庭環境や家族の形は千差万別だが、葛藤や成長を描き、普遍的かつ感動的なメッセージを届けてくれる物語を厳選した。

©2026 映画『90メートル』製作委員会

側にいることが、幸せで苦しい――
母子の絆を描く『90メートル』 3月27日(金)公開

小学生の頃からバスケットボール一筋だった佑(山時聡真)。母・美咲(菅野美穂)が難病を患ったことで、母子家庭で育った佑は高校2年のときにバスケを辞め、美咲の世話を優先せざるを得なくなる。

高校3年生になった今、東京の大学に進学したい気持ちはあるが、日に日に身体の自由を失っていく美咲の姿を見ると、上京したい気持ちを打ち明けられずにいた。

©2026 映画『90メートル』製作委員会

そんなある日、介護施設のケアマネジャー・下村(西野七瀬)からヘルパーの増員により24時間ケアの体制が整ったことを告げられる。我が子の明るい未来を願う美咲は「お母さん、大丈夫だから。好きなようにしていいからね」と優しく声をかけるが……。

©2026 映画『90メートル』製作委員会

中川監督初のオリジナル商業映画となる本作は、自身の母の介護の経験を役に投影した半自伝的作品だ。主演を務めるのは新世代のホープ山時聡真と、近年母親役を多く務める菅野美穂。

母・美咲(菅野)が徐々に身体が動かなくなっていく難病を発症し、大好きなバスケ部も辞めて美咲の介護を担うことになった佑(山時)は、母を心配しながらも慣れない介護や家事に追われ、思わず冷たく当たってしまう。その素直になれない姿を自身の思春期の姿を重ねてしまう視聴者も多いことだろう。そして美咲もまた、気丈に振る舞いながらも母としての役割をこなせないことに複雑な想いを抱えている。

©2026 映画『90メートル』製作委員会

息子と母、どちらの気持ちも繊細に、丁寧に描かれているからこそ2人のすれ違いがもどかしい。切ない場面もあるが、ふたりが向き合うことができた時、涙せずにはいられないラストが待っている。今まさに旅立ちの時を迎えようとする学生たち、かつて10代だった私たち、そして誰かを想ったことがあるすべての人へ――。ある母子の一つの選択、本作が届けるかけがえのないメッセージを、ぜひ劇場で見届けてほしい。

©2026 映画『90メートル』製作委員会

映画『90メートル』は3月27日(金)より全国公開中

母が伝えたかった本当の”愛”とは……
『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016年)

銭湯・幸の湯を営む幸野家。しかし、父(オダギリジョー)が1年前にふらっと出奔し銭湯は休業状態。母・双葉(宮沢りえ)は持ち前の明るさと強さで、パートをしながら娘を育てていた。そんなある日、突然余命2ヶ月という宣告を受けた彼女は、その日から「絶対にやっておくべきこと」を決め実行していく。

【家出した夫を連れ帰り家業の銭湯を再開させる】、【気が優しすぎる娘(杉咲花)を独り立ちさせる】、【娘をある人に会わせる】――その母の行動は、家族からすべての秘密を取り払うことになり、彼らはぶつかり合いながらもより強い絆で結びついていく。そして家族は、究極の愛をこめて、母を葬(おく)ることを決意する。

『湯を沸かすほどの熱い愛』
Blu-ray 豪華版:発売中
7,344円(税込)/6,800円(税抜)
発売元:クロックワークス
販売元:TCエンタテインメント

本作は、『長いお別れ』(19)、『浅田家!』(20)など、「家族」を描いた作品で高く評価されている中野量太監督の商業映画デビュー作。公開当初から話題となり、ロングランヒットを打ち出すだけでなく日本アカデミー賞を初めとした賞レースを席巻。釜山国際映画祭に正式出品され、2017年3月から韓国での上映が開始するとたちまち高評価を得た。

ストーリーの鍵となる「絶対にやっておくべきこと」リストは、言うなれば「双葉が死ぬ前にやらなければいけないこと」のリストでもある。なぜ彼女はそのような縛りを自分に課したのか? それは残される家族、とりわけ娘に対するメッセージだった……。厚みのあるストーリーと心を揺さぶる衝撃のラストに、最後まで目が離せない。出会いと別れ、そして苦悩や悲しみを乗り越えて人が強くなっていくことを再確認させてくれる作品だ。

母と息子、切なくも心に響く家族の物語
『ぼくが生きてる、ふたつの世界』(2024年)

宮城県の小さな港町、五十嵐家に男の子が生まれた。祖父母、両親は、その子に“大”と名付けて誕生を喜ぶ。ほかの家庭と少しだけ違っていたのは、両親の耳がきこえないこと。幼い大にとっては、大好きな母の“通訳”をすることも“ふつう”の楽しい日常だった。しかし次第に、周りから特別視されることに戸惑い、苛立ち、母の明るささえ疎ましくなる。心を持て余したまま20歳になり、逃げるように東京へ旅立つ大だったが……。

©五十嵐大/幻冬舎 ©2024「ぼくが生きてる、ふたつの世界」製作委員会

作家・五十嵐大の自伝的エッセイを原作に、『そこのみにて光輝く』、『きみはいい子』で高評価を得た呉美保監督が9年ぶりの長編作品として作り上げた本作。脚本は『正欲』の港岳彦が務め、吉沢亮が主人公の大を、ろう者俳優として活躍する忍足亜希子が母の明子を演じた。

幼い子どもの描き方にかねて定評のある呉監督だが、本作では特に幼少期の大が「自分の母が普通の母親とは違うのではないか?」と違和感をもち始める描写が丁寧で、成長するにつれて母に怒りをぶつけるようになる姿は観る者の胸を締めつける。大が上京し、自分がいた環境を改めて見つめる展開には自身を重ねてしまう視聴者も少なくないだろう。

コーダ(耳がきこえない、もしくはきこえにくい親をもつきこえる子どものこと)の青年を描いた物語だが、親との精神的な決別を通して一人の人間が成長していく様は、誰しもが経験したことのある痛みや尊さを教えてくれる。これから親元を離れる学生、新生活をはじめる人、そして我が子を送り出す親御さんにもぜひ観ていただきたい作品だ。

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