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美しく危険な少女たちの秘境「寄宿学校」を舞台にした名作5選!坂本悠花里“初長編”『白の花実』全国公開中

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ライター:#BANGER!!! 編集部
美しく危険な少女たちの秘境「寄宿学校」を舞台にした名作5選!坂本悠花里“初長編”『白の花実』全国公開中
『白の花実』©2025 BITTERS END/CHIAROSCURO

『白の花実』全国公開中

2019年公開の『21世紀の女の子』の一篇「reborn」を監督し、国内外から注目を集めてきた坂本悠花里の初の長編作品『白の花実』(しろのかじつ)が12月26日(金)より全国公開中。

先日スペインで行われた第73回サン・セバスティアン国際映画祭の「NewDirectors部門」ではクロージング作品として上映され、現地で熱い喝采を浴び注目を集めた本作。キリスト教系の寄宿学校を舞台に、10代の少女たちの繊細な感情を掬い上げたファントム・ファンタジーだ。

『白の花実』©2025 BITTERS END/CHIAROSCURO

坂本監督にも影響与えた「寄宿学校」が舞台の名作5選

10代の少女たちが親元から離れ、共同生活を送りながらのびやかに過ごし、勉学に励む寄宿学校。世俗から隔絶されたその空間は無垢な少女たちの楽園である一方で、死の香りが漂う耽美な世界として映画史の中で繰り返し描かれ続け、今や時代を越えてカルト的な人気を誇る作品も多い。

『白の花実』©2025 BITTERS END/CHIAROSCURO

そんなクラシックな題材に日本の若手女性監督が果敢に挑み、新たな世界観として換骨奪胎させた『白の花実』。ということで今回は、そんな本作が影響を受けた<寄宿学校を舞台にした映画>を5作ご紹介。

世俗から隔離された空間だからこそ生まれる耽美でミステリアスな物語……閉ざされているからこそ覗いてみたくなる“秘密の園”を舞台に繰り広げられる、甘くて危険な魅力を放つ物語の数々をぜひ堪能してほしい。

『白の花実』©2025 BITTERS END/CHIAROSCURO

『白の花実』(2025年/監督:坂本悠花里)

12月26日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷 ほか全国公開中

転校を繰り返してきた少女・杏菜(美絽)は、キリスト教の寄宿学校で、周りからも先生からも一目置かれる“完璧”な少女・莉花(蒼戸虹子)と出会う。しかし、ある日莉花は自ら命を絶ってしまい……。友情とも憧れともつかない感情が芽生えるなか、少女たちの日常は少しずつ揺らぎ始めていく、ファントム・ファンタジー。

『白の花実』©2025 BITTERS END/CHIAROSCURO

主人公の杏菜を映画初出演の美絽、自殺してしまう莉花の幼馴染・栞役を池端杏慈、自殺してしまうキーパーソン・莉花役を蒼戸虹子が演じ、少女たちの感情を純度高く表現する。寄宿学校のロケ地は群馬と松本。日本とは思えないレトロな雰囲気の建物が、映画の世界観をより一層引き立てている。

『ピクニックatハンギング・ロック』(1975年/監督:ピーター・ウィアー)

1900年のバレンタインデー。寄宿学校アップルヤード・カレッジの生徒が、2人の教師とともに近くのハンギング・ロックと呼ばれる岩山へピクニックに出かける。4人の生徒は岩場の磁気を計測しようと岩山の頂上へと登るが、途中で引き返したイーディスを除き、岩山に登った3人と教師マクロウがこつ然と姿を消してしまい……。

1967年に発表されたジェーン・リンジーの同名小説を映画化した本作は、公開当時批評家や観客の間で衝撃作として波紋を呼んだ。公開から約40年の時を経て日本でも4Kレストア版が劇場公開され話題に。『白の花実』坂本監督も影響を受けた作品として本作の名を挙げている。

『サスペリア』(1977年/監督:ダリオ・アルジェント)

バレリーナを目指すスージーはアメリカからドイツのバレエ学校に留学するが、到着早々、奇妙で不可解な出来事が頻発。やがて、この学校に隠された恐ろしい秘密が明らかになり……。

イタリアの鬼才ダリオ・アルジェントが1977年に発表したゴシックホラーの金字塔。その唯一無二の世界観は世界中に衝撃を与え、いまだ根強いファンを持つ。主演は『ファントム・オブ・パラダイス』のジェシカ・ハーパー。製作40周年を記念し制作された4Kデジタルレストア版が日本でも2019年に劇場公開された。ダンスやクラスメイトの突然の死など『白の花実』との共通点も多い。

『エコール』(2004年/監督:ルシール・アザリロビック)

森の奥深くにある謎めいた寄宿学校“エコール”に、6歳の少女イリスがやってくる。高い塀で外部と遮断されたその学校では、6歳から12歳までの少女たちが年齢を区別するリボンと白い制服を身につけ、ダンスと自然の生態を学んでいた。男性のいない女性だけの閉ざされた世界にイリスは順応していくが、ある少女は耐えられず、壁を乗りこえて脱走を図る……。

原作は1903年に発表されたフランク・ヴェデキントの小説「ミネハハ」。ギャスパー・ノエのパートナーとしても知られる、ルシール・アザリロビック監督による鮮烈な長編デビュー作。

『小さな悪の華』(1970年/監督:ジョエル・セリア)

規律の厳しい寄宿学校に暮らすふたりの少女・アンヌとロールがボードレールの「悪の華」に耽溺し、悪事の限りを尽くす姿を描いた衝撃作。巧みな嘘や、反道徳的な告白、盗み、放火を繰り返すふたりは、ついに年上の男を誘惑した後、彼を手にかけ……。

1970年にフランスで製作されるも、その反道徳的な内容から上映禁止となる国が続出した。少女ふたりの無邪気で残虐な行動の数々を衝撃的に描きながら、その鮮烈な描写の奥に思春期の子供たちが抱える不安や、怒りを見事に表現している。『白の花実』では衣装を手掛けた竹本健一氏とのアイデア出しの際に、例としてタイトルが挙げられたという。

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『白の花実』

周囲に馴染めず、転校を繰り返す杏菜が、新たな寄宿学校で出会ったのは、美しく完璧な少女・莉花。 しかし、莉花は突然、屋上から飛び降りて命を絶ってしまう。
残されたのは一冊の≪日記≫。
ページをめくるたび、莉花の苦悩や怒り、痛み—— そして、言葉にできなかった“ある秘密”が浮かび上がる。
その秘密に触れた杏菜と少女たちの心は揺さぶられ、初めて“自分”と向き合い始める。
やがて日記から青白く揺れる“鬼火”のような魂が現れ、杏菜の心に静かに入り込む。
その魂に導かれ、杏菜は予想もつかない行動へと踏み出す——。
観る者は知らず知らずのうちに、その奇妙で美しい世界へと引き込まれていく。

監督·脚本·編集:坂本悠花里

出演:美絽 池端杏慈 蒼戸虹子
   河井青葉 岩瀬亮 山村崇子 永野宗典 田中佐季
   伊藤歩 吉原光夫 / 門脇麦

制作年: 2025