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「ヒップホップ・カンフー映画三部作」の記念すべき第1弾『ロミオ・マスト・ダイ』が25年経っても面白い理由

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ライター:#BANGER!!! 編集部
「ヒップホップ・カンフー映画三部作」の記念すべき第1弾『ロミオ・マスト・ダイ』が25年経っても面白い理由
『ロミオ・マスト・ダイ』© Warner Bros. Entertainment Inc.

今こそ観たい『ロミオ・マスト・ダイ』の魅力

00年代の洋楽、とくにヒップホップを好んで聴く/聴いていた人々にとって、ジェット・リー主演のアクション映画『ロミオ・マスト・ダイ』(2000年)は特別な1本だ。辛口で知られる某レビューサイトの批評家スコアは散々なものだが、ゼロ年代カルチャーや音楽の文脈とは無関係な意見に耳を貸す必要はないだろう。

『ロミオ・マスト・ダイ』© Warner Bros. Entertainment Inc.

黒人と中国系の二大組織が抗争を続けるオークランドで、中国系マフィアのドンの息子ポーが殺害される。ポーの兄で元刑事のハン(ジェット・リー)は父の罪を被って香港の刑務所に収監されていたが、弟の死を知り、脱獄。オークランドへ渡った彼は黒人マフィアのドンの娘トリッシュと知り合い、共に事件の真相を探るが――。

『ロミオ・マスト・ダイ』© Warner Bros. Entertainment Inc.

「ヒップホップ・カンフー三部作」の第1弾作品

タイトルからしてストーリーはシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」をベースにしているものの、基本的にはクライムサスペンス寄りのカンフーアクション+ドライなロマンスという建て付け。もちろん最大の見どころはアクションで、ド派手かつ過剰にキャッチーな演出に冒頭からニヤリとさせられる。

『ロミオ・マスト・ダイ』© Warner Bros. Entertainment Inc.

そんな本作は2001年の『DENGEKI 電撃』(スティーヴン・セガール主演)と2003年の『ブラック・ダイヤモンド』と合わせて<ヒップホップ・カンフー三部作>と呼ばれていて、サントラにブラック・ミュージックが多用され、3作すべてにラッパーのDMXが出演している。第1弾作品の『ロミオ~』はR&Bシンガーのアリーヤ(2001年没)がヒロインのトリッシュを演じていることもあり、いまだ高い人気を誇る。

『ロミオ・マスト・ダイ』© Warner Bros. Entertainment Inc.

「X-Rayバイオレンス」とは何だったのか

前年に『マトリックス』を大当たりさせたジョエル・シルバー製作だけに、ワイヤーアクションを多用しているのも特徴。とはいえアクションの大半を担うのがジェット・リーなのでフィジカルな迫力は損なわれず、アクロバティックなカンフーバトルや小物を使った“ジャッキー的”ムーブでも楽しませてくれる。

『ロミオ・マスト・ダイ』© Warner Bros. Entertainment Inc.

また、本作は劇場公開時から「X-Rayバイオレンス」とプロモーションされていたのだが、つまり攻撃をくらった側の身体損傷をレントゲン映像的に見せるというもの。さすがに2020年代には厳しいところはあるものの、アニメ的な演出がバイオレンスの生臭さを軽減しているとも言えるだろう。

『ロミオ・マスト・ダイ』© Warner Bros. Entertainment Inc.

ちなみに、メイン悪役の一人であるカイを演じたラッセル・ウォンは元ダンサーで、カンフー、空手、テコンドーの経験があるとのこと。本作でも登場シーンが非常に多く、端正なマスクとガタイの良さでブレイクスルーした彼は、『ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝』(2006年)でリーと再共演した。

『ロミオ・マスト・ダイ』© Warner Bros. Entertainment Inc.

『ロミオ・マスト・ダイ』はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2025年12月~2026年1月放送

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