マーティン・スコセッシの初期傑作『アフター・アワーズ』がTV放送 「最も面白い米映画100選」ノミネート作
スコセッシの初期傑作をTVで観る
今年11月に83歳の誕生日を迎えた映画界の生ける伝説、マーティン・スコセッシ監督。いまだバリバリ現役、最新作『What Happens at Night(原題)』はふたたび主演にレオナルド・ディカプリオを迎え、ジェニファー・ローレンとの共演も報じられたばかりだ。
そんな巨匠スコセッシの名作が、現在CS放送中。気になるラインナップは『ミーン・ストリート』(1973年)、『グッドフェローズ』(1990年)、『ディパーテッド』(2006年)、そして『アフター・アワーズ』(1985年)の4作。いずれも「いまさら観てないなんて言えない……」な歴史的傑作ばかり。
『グッドフェローズ』©2015 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
なかでも『アフター・アワーズ』はロバート・デ・ニーロが出演していない、意外とスルーされがちな初期の名作。第39回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞したほか、あのロジャー・イーバートが「偉大な映画」リストに選出、さらにアメリカ映画協会(AFI)の「最も面白い映画TOP100」にノミネートされた500作品に含まれていたという、まごうことなき大名作である。
『アフター・アワーズ』© 1985 THE GEFFEN FILM COMPANY. ALL RIGHTS RESERVED.
スピルバーグに結末を相談!? ティム・バートンとの“ちょっといい話”も
当時スコセッシは『最後の誘惑』(1988年)の製作が難航しており、自らの主演で映画化を打診したグリフィン・ダンはオファーの返事を待ちかねてティム・バートンに打診。すると行き違いでスコセッシからOKの戻しがあり、慌ててバートンに事情を説明したところ快くスコセッシにメガホンを譲ったという“巨匠同士のちょっといい話”も。ちなみにスコセッシはスティーヴン・スピルバーグやブライアン・デ・パルマなどに映画の結末について相談していたというから、ある意味かなり贅沢な作品だ。
『アフター・アワーズ』© 1985 THE GEFFEN FILM COMPANY. ALL RIGHTS RESERVED.
そんな『アフター・アワーズ』は必見だが、CS映画専門チャンネル ムービープラスでは現在、クリント・イーストウッド監督作を8ヶ月連続で放送中。御年95、昨年U-NEXTで配信された『陪審員2番』が引退作になるのではと噂されたが、本人にその気はさらさらないらしく、今後も新作を撮り続ける意志を表明している。
というわけで今回の放送ラインナップから、まだまだ現役の2大巨匠作品をざっくり紹介したい。
『アフター・アワーズ』© 1985 THE GEFFEN FILM COMPANY. ALL RIGHTS RESERVED.
「ワーナー ブラザース劇場」特集:マーティン・スコセッシ
『ミーン・ストリート』(1973年)
27歳になっても定職に就かず、バーに入り浸っている青年チャーリー。彼の親友ジョニー・ボーイも酒や女、博打に溺れる日々を送っている。チャーリーの叔父は、甥に悪友と手を切りまっとうに生きてほしいと思っていた。そんな中、あまりに無軌道なジョニーに対し、チャーリーは苛立ちを隠せなくなる。
ニューヨークを舞台に、若者たちの孤独や友情、挫折を描く青春ドラマ。出演はロバート・デ・ニーロ、ハーヴェイ・カイテルほか。
『グッドフェローズ』(1990年)
幼い頃から“グッドフェローズ”と呼ばれるマフィアの世界に憧れるヘンリーは、ブルックリンを牛耳るボスの下で一人前のギャングとして成長していく。やがて結婚もして、家庭を築くヘンリー。だが相棒が起こした大金強奪事件をきっかけに、FBIから組織に関する証言を迫られ……。
実在の人物をモデルに、グッドフェローズと呼ばれたギャングたちの生き様を描いたドラマ。出演はレイ・リオッタ、ロバート・デ・ニーロ、ジョー・ペシほか。
『ディパーテッド』(2006年)
犯罪者一族という生い立ちと訣別すべく、優秀な成績で警察学校を卒業したビリー。だが警察に入った彼はマフィアへの潜入捜査を命じられる。一方、同じ警察学校で学び、特別捜査班でマフィア撲滅の最前線に立つコリンは、マフィアのボス、コステロに送り込まれた内通者だった――。
香港映画『インファナル・アフェア』をハリウッド・リメイク。マフィアに潜入した警察官と警察に潜入したマフィア、2人の男の運命を描く犯罪サスペンス。
『アフター・アワーズ』(1985年)
NYで暮らすコンピューター・プログラマーのポール。退社後、コーヒーショップでヘンリー・ミラー著「南回帰線」を読んでいると、若い女性マーシーに声をかけられ、電話番号を教えられる。一度帰宅した彼はマーシーに電話して出かけるが、そのせいで悪夢のような一夜を過ごすことに……。
大都会ニューヨークを舞台に、仕事帰りのサラリーマンを襲う不可思議な体験を描く。主演のグリフィン・ダンが制作も兼ねたブラック・コメディ。
8ヶ月連続!クリント・イーストウッド特集:ミステリー
『ブラッド・ワーク』(2002年)
『目撃』(1997年)
『ミスティック・リバー』(2003年)
『トゥルー・クライム』(1999年)
「ワーナー ブラザース劇場 特集:マーティン・スコセッシ」「8ヶ月連続!クリント・イーストウッド特集:ミステリー」はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2025年12月放送