「みんなアイドルになりたかった」話題の“K-POPアニメ”監督が『デーモン・ハンターズ』のインスパイア源を明かす【アカデミー賞有力】
世界5億再生!『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』
ソニー・ピクチャーズとNetflixが共同制作したアニメ『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』について、もはや説明するまでもないだろう。2025年6月の配信開始から常に視聴ランキングTOP10圏内をキープし、累計視聴数は5億回を突破。依然として世界的な人気を示している。
Netflix『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』独占配信中
その大ヒットを支えている大きな理由の一つが、劇中グループ「HUNTR/X」の音楽的成功だ。同グループは女性K-POPグループとして初めてビルボードHot100で1位を獲得し、主題歌「Golden」はK-POP史上初のグラミー賞受賞曲に。映画と音楽が相互に話題を生む構図が続き、SNSを中心にファンダムが拡大している点も特徴だ。
さらに本作は、第83回ゴールデン・グローブ賞でアニメ映画賞と主題歌賞を獲得。第98回アカデミー賞でも長編アニメーション映画賞と歌曲賞の2部門にノミネートされており、国際的な評価はますます高まっている。
そんな『デーモン・ハンターズ』の共同監督を務めたのが、韓国系カナダ人のマギー・カン。これまでドリームワークスやイルミネーション、ワーナーで『カンフー・パンダ3』『ミニオンズ フィーバー』『レゴ®ニンジャゴー ザ・ムービー』といった作品を手がけてきたというが、いわゆるゼニアル世代としてカナダで育った彼女は、どんな作品やアーティストからの影響を本作に込めたのだろうか?
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サジャボーイズと共通点あり? “元祖”男性K-POPグループ「H.O.T.」
カン氏がCNNのインタビューなどで語っているのは、韓国ボーイズグループの“元祖”と呼ばれている5人組「H.O.T.」の存在だ。
『デーモン・ハンターズ』劇中に登場するサジャボーイズは、もちろんBTSなど昨今の人気グループからの影響は明らかだ。しかしポップさとダークさを併せ持つ存在感はH.O.T.の実際のキャリアを彷彿させるものであり、カン氏は当時の印象について次のように振り返っている。
「私が育った90年代はインターネットなんてなかったんです。だからH.O.T.が『CANDY』みたいな曲をリリースしたのを見たときは、すごくキュートで、そして弾けるような感じでした。それから彼らはしばらく姿を消したんですが、再び現れたときには見た目を完全に変えていて、もっとダークでエッジの効いた感じになっていたんです。ファンとしてはすごく驚きました」
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このH.O.T.の変遷は、同じくゼニアル世代の日本人にとってはあまり違和感はないかもしれない。90年代半ば~00年代初頭は日本でもヒップホップ文化が浸透しつつあり、同時にビジュアル系ブームも最高潮に達していた。正統派なブーンバップ系からインダストリアルロック調へと変化したH.O.T.は音楽面だけでなく、そのミュージックビデオは未曾有の通貨危機や重大犯罪・事件などが相次いでいた当時の世相を投影したようにも見える。
「あなた自身もK-POPアイドルになりたかったんですか?」と聞かれ、「みんなそう思ってるんじゃないかな」と答えたカン氏。「12歳の頃の自分が見たかったもの」を描いたそうだが、同時に「世界中の多くの人が同じように望んでいたこと、自分たちの文化が正しく描かれることを望んでいたと気づいた」とも語っている。K-POPが世界を制覇し、K-POPアニメが世界最高峰の映画の祭典に招かれた今、本作は単なるヒット作を超えた文化的到達点として、アジア系コンテンツの存在感を世界規模で示してもいる。