「第78回カンヌ国際映画祭」でACID部門に出品された『ドランクヌードル(原題:Drunken Noodles)』が、5月1日(金)より公開される。このたび、日本版ポスタービジュアルと日本版予告編が解禁となった。また、本作をいち早く鑑賞した『すべての夜を思いだす』映画監督・清原惟、『旅と日々』編集・大川景子より絶賛コメントが到着した。
舞台はブルックリンの都市と州北部の森
美大生の青年アドナンは夏のあいだ、叔父の洒脱な自宅で留守番をするためにニューヨーク・ブルックリンにやって来る。同時にギャラリーでインターンを始めるが、そこで展示されているのは、去年の夏、彼が出会った奇抜な刺繍アーティストの作品だった。過去と現在が交錯し始めるなか、官能と創造の出会いの連なりが、アドナンの日常の輪郭を曖昧にしていく。
2025年の「第78回カンヌ国際映画祭」ACID部門で話題を呼んだ、都市と自然、記憶と欲望がゆるやかに混ざり合う全4章の冒険。アルゼンチン出身でニューヨークを拠点とする気鋭の映画作家・ファッションデザイナーのルシオ・カストロが贈る、斬新にして詩的な傑作が、待望の日本上陸を果たす。その才能は長編デビュー作『世紀の終わり』(19)ですでに高く評価され、IndieWireでは「21世紀のベスト・クィア映画のひとつ」と称された。日本では2021年開催の「第29回レインボー・リール東京 ~東京国際レズビアン&ゲイ映画祭~」でも上映されている。
本作の着想源となったのは、アメリカの刺繍アーティスト、サル・サランドラの作品。伝統的なニードルポイント技法を用いながら、あえて露骨でユーモラスな性的モチーフを描く彼の刺繍は、色彩豊かで遊び心に満ちている。その自由な感性は本作の随所に息づき、映像世界と静かに響き合う。
ブルックリンの街角と州北部の森を行き来する、2つの夏。そのあいだで重ねられる出会い、身体、言葉、そして詩。バス・ドゥヴォス(『Here』)の静けさ、アラン・ギロディ(『湖の見知らぬ男』)の官能、そしてエリック・ロメール(『緑の光線』)の親密さを思わせる空気感のなか、淡い幻想が差し込む夏の夜を漂う、“とっておき”の映像体験。
予告編は、軽やかなピアノ曲にのせて、アドナンがブルックリンへとやってくる映像から幕を開け、サル・サランドラの刺繍作品や、牧神ファウヌスが現れる幻想的な世界の一端を垣間見ることができる。思いがけない出会いと別れが、アドナンの夏をどのように彩るのかを期待させる映像となっている。
日本版ポスタービジュアルは、窓辺に身を預け、夏の日差しに包まれながら、窓の外を見つめるアドナンの姿を印象的に捉えている。ポスターの下部には公園の風景が広がり、アドナンの夏の冒険の行方を想像させる構図となっている。また波打つように配置されたキャッチコピー「夏、夜、出会い、言葉、身体を重ねてほどいて」やリードコピー、クレジットは、刺繍の質感を想起させる。記憶の断片や感情の糸を一針一針すくい上げるかのように紡がれる、『ドランクヌードル』の作品世界を表現したビジュアルとなっている。
<コメント>
清原惟氏(映画監督・映像作家)
キラキラと電飾が光る自転車のように、『ドランクヌードル』には刹那のまぶしさが、そこかしこに散らばっている。それは途方もなくさびしい光なのだけど、人生を生き延びるための魔法でもある。そんな数々の光を見ていると、私たちはこれからも知らない場所を見つけては、歩んでいくことができるのだと思える。
大川景子(映画編集)
密着する肌と肌、間近で見つめられる瞳。一瞬で生まれた出会いでも、快楽をともにした二人には深いつながりが見えた。愛だな。愛は不定形……わたしの中で意識の拡張が起こった。
『ドランクヌードル』© 2025 Lucio Castro Inc.
『ドランクヌードル』は5月1日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、アップリンク吉祥寺ほか全国公開