『ナースコール』公開記念! 患者に寄り添い、命を支える。看護師を描いた映画5選

『ナースコール』公開記念! 患者に寄り添い、命を支える。看護師を描いた映画5選
『ナースコール』© 2025 Zodiac Pictures Ltd / MMC Zodiac GmbH

「第75回ベルリン国際映画祭」で批評家に絶賛され、「第98回アカデミー賞」国際長編映画賞部門ショートリストにも選出されたスイス映画『ナースコール』が、2026年3月6日(金)より公開されます。献身的で誠実な看護師のある日の遅番シフトを、息もつかせぬ緊迫感と滑らかなカメラワークで描写した本作。まるで疑似体験するような没入感のあるリアル体感型映画とのことで期待が高まります。

病院という場所で、患者の最も近くにいる存在が看護師です。医師が診断を下し治療方針を決める一方で、日々患者に寄り添い、身体的にも精神的にもケアを続けるのが看護師の役割。その仕事は、医療知識や技術だけでなく、深い共感力と強い使命感を必要とします。そこで今回は、『ナースコール』の公開を記念して、看護師たちの献身的な姿や成長、患者との心の交流を描いた映画5本を紹介します。

患者に寄り添い、命を支える。

『ナースコール』(1993年)
監督:長崎俊一
出演:薬師丸ひろ子、松下由樹、大鶴義丹 ほか

【あらすじ】
五十嵐梢は大学付属病院の整形外科病棟で働く27歳の看護師。6年目の中堅ですが、すでに仕事に対する意欲を失っていました。ある日、脚を骨折したサッカー選手の柴田雄一が搬送されてきて、詳細なレントゲン検査の結果、骨肉腫が発見されます。3年目のナース山崎夏美のあまりにも教科書的な看護計画に雄一は拒否反応を示しますが、梢の経験を積んだナースならではの人間的な接し方に次第に心を許すようになり……。

【おすすめポイント】
信本敬子のオリジナル脚本を『西の魔女が死んだ』(2008年)などで知られる長崎俊一監督が映像化した、病院を舞台にした人間ドラマ。薬師丸ひろ子演じるベテラン看護師・梢の姿を通じて、看護という仕事の本質が浮き彫りになります。本作が描くのは、マニュアル通りの看護と、患者一人ひとりに寄り添う看護の違い。何十回もナースコールを鳴らす患者に対して、機械的に対応する若手看護師と、その奥にある患者の不安や孤独を理解しようとする梢の対比が印象的です。

『時の輝き』(1995年)
監督:朝原雄三
出演:高橋由美子、山本耕史、夏木マリ ほか

【あらすじ】
看護師を目指す高校2年の神崎由花は、実習先の大学病院で中学時代の同級生シュンチと再会し、思い出話に花を咲かせます。実習の最終日にシュンチから告白され2人は付き合い始めますが、夏休みに由花は突然シュンチから別れ話を切り出されます。しかし顔見知りの看護師から、シュンチは骨肉腫を患い再入院していると聞かされ……。

【おすすめポイント】
折原みとの同名ベストセラー小説を、山田洋次と朝原雄三が脚色して映画化した青春ドラマ。看護師を志す高校生の由花が、恋人の闘病を通じて看護の意味を深く知っていく物語です。本作の魅力は、まだ看護師になる前の少女が、愛する人のために何ができるのかを必死に考え、行動する姿。専門知識も技術もない彼女ができることは限られていますが、ただ側にいて、話を聞いて、手を握ること。それこそが看護の原点であることを、この作品は優しく教えてくれます。

『スクール・オブ・ナーシング』(2015年)

監督:足立内仁章
出演:桐島ココ、大和田健介、佐伯日菜子 ほか

【あらすじ】
幼い頃に母を病気で亡くした木津川あかねは、看護師を目指して養成機関に通い、境遇もバラバラな個性豊かな仲間たちと学内演習に励んでいました。やがて病院での実習が始まり、あかねは余命わずかの患者・古村明を担当することになりますが……。

【おすすめポイント】
熊本県人吉市を舞台に、看護師を目指す若者たちの等身大の姿を描いたヒューマンドラマ。本作の見どころは、看護学生たちが実習を通じて直面する現実の厳しさです。教室で学んだ知識と、実際の患者と向き合う現場には大きなギャップがあります。余命わずかの患者にどう接すればいいのか、患者の死にどう向き合うのか。正解のない問いに悩みながらも、仲間たちと支え合い、少しずつ成長していく姿が丁寧に描かれています。

『人生、ただいま修行中』(2018年)

監督:ニコラ・フィリベール

【あらすじ】
パリ郊外の看護学校で学ぶ、年齢も性別も多様な40人の生徒たち。『パリ・ルーヴル美術館の秘密』『ぼくの好きな先生』のニコラ・フィリベール監督が、彼らの奮闘の日々を記録したドキュメンタリーです。不安や葛藤を抱え、様々な失敗を重ねながらも、「誰かの役に立ちたい」という目標を胸に奮闘し成長していく150日間。教室での講義、実技演習、初めての注射、患者とのコミュニケーション。看護師を目指す生徒たちの喜びと挫折、涙と笑顔を丁寧に映し出します。

【おすすめポイント】
フランスの名匠ニコラ・フィリベール監督が、看護学校の日常をありのままに捉えたドキュメンタリー。本作の素晴らしさは、フィクションでは描けないリアルな看護学生たちの姿にあります。年齢も背景も異なる40人の生徒たちが、それぞれの理由で看護師を目指し、共に学び、励まし合う姿は心を打ちます。初めて患者に注射をする時の緊張、失敗した時の落胆、患者から感謝された時の喜び。すべてが本物だからこそ、観る者の胸に深く響きます。

『じょっぱり 看護の人 花田ミキ』(2024年)

監督:五十嵐匠
出演:木野花、王林、伊勢佳世 ほか

【あらすじ】
スーパーで働きながら子育てに追われるシングルマザーのちさとは、職場の常連客である花田ミキと出会います。近所からは人嫌いの偏屈な老人として知られる花田でしたが、次第にちさとと心を通わせていきます。花田は自分がかつて看護師であったことをちさとに告白し、当時の社会情勢や自分が今日までどのような生き方をしてきたのかについて語り始め……。

【おすすめポイント】
戦中戦後の激動期に保健と看護に尽力し、「青森のナイチンゲール」と評された実在の人物・花田ミキ(1913-2006)の生涯を描いた作品。自身も幼いころに花田ミキに命を救われた過去がある五十嵐匠監督が、その恩人の生涯を映画化しました。本作は、実在の看護師・花田ミキの偉業を通じて、看護という仕事の社会的意義を描いています。戦中戦後の厳しい時代、医療資源も限られた中で、花田は地域の人々の命を守るために文字通り奔走しました。彼女の献身は、看護師という職業が単なる仕事ではなく、使命であることを示しているようにも思えます。

 

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