侮ると血を見るぞ。年齢なんて関係ない!老人が大暴れする痛快映画5選

侮ると血を見るぞ。年齢なんて関係ない!老人が大暴れする痛快映画5選
『枯れ木に銃弾』©ビジョンワン

75歳にして初の長編映画監督デビューを果たした司慎一郎監督が、老いを迎えた人間が、それでも人生と向き合い、ひと花咲かせようとする姿を描いた映画『枯れ木に銃弾』が、2月20日(金)より公開されます。

司監督が、単なる犯罪劇ではなく、“老人のためのノワール映画”=シニア・ノワールとして位置づける本作で、次第に居場所を失っていく現代で高齢者がどのような抗いを見せるのか期待が高まります。

そこで今回は、『枯れ木に銃弾』の公開を記念して、老人がスクリーンで大暴れする映画5本を紹介します。

重ねた年齢から滲む迫力と説得力

『グラン・トリノ』(2008年)

監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド、ビー・ヴァン、アーニー・ハー ほか

【あらすじ】
長年フォードの工場で働き、妻にも先立たれた孤独な老人ウォルト・コワルスキー。朝鮮戦争帰還兵の彼は、アジア系移民が増えた街を嘆き、愛犬デイジーと72年製フォード車グラン・トリノを心の友に退屈な余生を送っていました。ある日、隣に住むモン族の少年タオが不良グループに絡まれているところを目撃。ライフルを手にタオを助けたことから、タオの家族と交流を深めていくことになりますが……。

【おすすめポイント】
クリント・イーストウッド自身が演じる偏屈な老人ウォルトが、隣人のアジア系家族との交流を通じて変化していく姿を描いた傑作です。本作の魅力のひとつには、イーストウッドが西部劇やアクション映画で培ってきた「タフガイ」のイメージを老いた体に宿しながら、暴力とは何か、正義とは何かを問い直すところにあります。ラストの選択は、これまでイーストウッドが演じてきたヒーロー像を総決算するような衝撃的なもの。老いてなお信念を貫く男の生き様に、胸を打たれること間違いなしです。

『デンデラ』(2011年)
https://youtu.be/4JjfPFOClTA?si=dLV_yCu72XJE7T9D

監督:天願大介
出演:浅丘ルリ子、倍賞美津子、山本陽子 ほか

【あらすじ】
雪深い山村では、70歳になった者は掟に従い山奥に捨てられる運命にありました。息子に背負われて山に置き去りにされた斎藤カユは死を覚悟しますが、同じく山に捨てられた老婆たちに救われます。そこは、かつて同じように捨てられた老婆たちが力を合わせてつくった「デンデラ」という共同体でした。創設者でリーダーの三ツ屋メイの目的は、自分たちを捨てた村人への復讐で……。

【おすすめポイント】
「姥捨て山」という古き日本の因習をベースに、捨てられた老婆たちが生き延びて復讐を企てるという大胆な設定が光る異色作です。浅丘ルリ子、倍賞美津子、山本陽子といった日本映画を代表するベテラン女優陣が、極寒の雪山で体当たりの演技を披露。老いた体で武器を手に立ち向かう姿は、凄惨でありながらどこか痛快です。社会から疎まれ、捨てられた者たちが団結して反撃する物語は、高齢化社会を迎えた現代日本にこそ響くメッセージを持っています。

『龍三と七人の子分たち』(2014年)

監督:北野武
出演:藤竜也、近藤正臣、中尾彬 ほか

【あらすじ】
かつて「鬼の龍三」と恐れられた元ヤクザ・高橋龍三も70歳を迎え、引退した今は、息子家族のもとで肩身の狭い思いをしていました。ある日、オレオレ詐欺に引っかかった龍三。元暴走族の西が若い連中を束ねて「京浜連合」を名乗り、詐欺や悪徳商法で荒稼ぎしていると知り、もはや黙ってはいられない。龍三は、それぞれにわびしい老後を送る昔の仲間7人を呼び集め、「一龍会」を結成し……。

【おすすめポイント】
『アウトレイジ』シリーズで容赦ないバイオレンスを描いてきた北野武監督が、一転してコメディタッチで描く任侠エンターテインメント。藤竜也、近藤正臣、中尾彬といったベテラン俳優たちが演じる元ヤクザの老人たちは、かつての威厳とは裏腹に、今や家族から邪険にされる存在。そんな彼らが「最後の花道」とばかりに若い詐欺集団に立ち向かう姿は、笑いの中にも切なさが漂います。老いてなお反撃する痛快さと、現代社会における高齢者の居場所のなさを同時に描いた、北野作品ならではの味わい深い一本です。

『SISU/シス 不死身の男』(2022年)

監督:ヤルマリ・ヘランダー
出演:ヨルマ・トンミラ、アクセル・ヘニー、ジャック・ドゥーラン ほか

【あらすじ】
第二次世界大戦末期、ナチスによって荒廃したフィンランドを旅する老人アアタミ・コルピ。ある日、ナチスの戦車隊と遭遇し、掘り当てた金塊とともに命を狙われることになります。手にはツルハシ1本しかなく絶体絶命かと思われましたが、彼こそはかつてソビエトとの戦争で、たった一人で敵兵300人を殺した伝説の兵士で……。

【おすすめポイント】
フィンランド語で「不屈の精神」を意味する「SISU」をタイトルに冠した、究極のバイオレンス・アクション。老人アアタミが見せる超人的な戦闘能力は、もはやアクション映画の常識を超えていると言っても過言ではありません。ツルハシ1本でナチスの戦車隊に立ち向かい、何度倒されても立ち上がる姿は、まさに不死身。静かな老人が秘めた圧倒的な戦闘力が炸裂する瞬間の快感を、ぜひ体感してほしい1本です。

『サユリ』(2024年)

監督:白石晃士
出演:南出凌嘉、近藤華、梶原善 ほか

【あらすじ】
念願の一戸建てに、祖父母も含む家族7人で引っ越してきた神木家。夢のマイホームでの生活がスタートしたのもつかの間、この家に棲みつく少女の霊「サユリ」によって家族が一人ずつ死んでいくという異常事態に巻き込まれます。残されたのは一家の長男・則雄と祖母・春枝だけ。この状況に則雄の心も折れそうになりますが、認知症が進んでいるはずの春枝がはっきりと意識を取り戻し「アレを地獄送りにしてやる」と力強く言い放ち……。

【おすすめポイント】
押切蓮介の同名ホラー漫画を白石晃士監督が実写化した異色のホラー・アクション。本作の見どころは、認知症が進んでいた祖母・春枝が覚醒し、悪霊サユリに立ち向かう姿です。か弱い老婆だと思われていた祖母が「地獄送り」を宣言して孫とともに戦う展開は、ホラー映画の常識を覆す痛快さ。予測不能の展開の中で、根岸季衣演じる春枝の暴れっぷりは圧巻です。

年齢を重ねても、いや、年齢を重ねたからこそ発揮できる迫力と説得力。これらの作品に登場する老人たちは、若者には真似できない人生の重みを背負いながら、スクリーンで堂々と暴れてくれます。『枯れ木に銃弾』とあわせて、老人たちの痛快な活躍をぜひお楽しみください。

 

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