“子ども支援金”で豪遊…2億ドル規模の福祉詐欺犯にSNSでも「全額取り戻せ!」と非難殺到

“子ども支援金”で豪遊…2億ドル規模の福祉詐欺犯にSNSでも「全額取り戻せ!」と非難殺到
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巨額詐欺事件の主犯に高級車など差し押さえ命令

米ミネソタ州で発覚した、総額2億5,000万ドル(約390億円)規模の福祉詐欺事件をめぐり、主犯格とされる非営利団体「Feeding Our Future(フィーディング・アワ・フューチャー)」創設者のエイミー・ボック被告(44)に対し、連邦裁判所が高級車や現金などの没収を命じた。米国で確認された新型コロナ関連詐欺としては最大規模とされる。

高級車や宝飾品、500万ドル超の資金を没収

裁判所が12月末に出した命令によると、ボック被告は約520万ドル(約8億円)の資金に加え、ポルシェ・パナメーラ、ルイ・ヴィトンのバッグ、宝飾品、約60台の電子機器などの差し押さえを受ける。

ボック被告は2025年3月、連邦陪審により詐欺、収賄、共謀など複数の罪で有罪評決を受けており、現在も量刑を待つ身だ。

「子どもに食事を提供する」と偽り、資金を豪遊や海外送金に流用

Feeding Our Futureは、低所得家庭の子どもに食事を提供する連邦栄養プログラムの資金を受け取っていた。しかし検察によれば、同団体と関連事業者は実際には提供していない食事を大量に申請し、総額2億5,000万ドル以上を不正受給。資金は高級車、不動産、海外送金などに使われたという。

司法省によると、これまでに78人が起訴され、57人が有罪となっている。被告の多くはソマリア系移民コミュニティに属しているが、主犯とされるボック被告自身はソマリア系ではない。

当局がこれまでに回収できたのは約7,500万ドルにとどまり、米司法省関係者は最終的な被害額が4億ドル規模に達する可能性を示唆している。

別の「デイケア詐欺」疑惑で政治問題に発展

事件が再び注目を集めた背景には、保守系インフルエンサーのニック・シャーリー氏が投稿した動画がある。動画では、ミネソタ州内のソマリア系住民が運営する複数のデイケア施設が「実際には営業していないのに州の補助金を受け取っている」と主張した。

しかし、ミネソタ州の監査当局が調査したところ、動画で取り上げられた9施設のうち8施設は通常通り運営されており、子どもたちの利用も確認された。現時点で詐欺の証拠は見つかっていないという。

それでも動画は右派層を中心に拡散し、連邦保健福祉省(HHS)はミネソタ州への児童ケア補助金の支払いを一時停止。トランプ大統領や政権幹部も相次いで批判を強め、州政府との対立が激化している。

偏見拡大を懸念する声も…SNSでは怒りの声

ミネソタ州には米国最大規模のソマリア系コミュニティが存在する。地域団体は「一部の犯罪者の行為をコミュニティ全体に結びつけるべきではない」と警鐘を鳴らしている。

今回の差し押さえ命令が報じられると、SNSでは「こんな巨額詐欺は前例がない。徹底的に処罰すべき」、「税金を盗んだ金で豪遊? 全額回収しろ」、「子ども向け支援を食い物にした罪は重い」といった怒りの投稿が相次いでいる。

一方で、デイケア動画をめぐる政治的対立や移民コミュニティへの偏見拡大を懸念する声もあり、事件は単なる詐欺事件にとどまらず、州と連邦政府、さらには社会的分断をめぐる議論へと発展している。

悪質な詐欺事件を追ったドキュメンタリー作品

『ザ・プログラム:詐欺とカルトと強制収容』(Netflix)

問題児向けの矯正施設に送られた女性は、年月を重ねた今でも当時のつらい体験を忘れられずにいた。そんな彼女が、問題児の更生を掲げた産業が不正と虐待にまみれている実情を明かす。

『ハリウッド・コン・クイーン ~前代未聞の詐欺事件~』(Apple TV+)

「詐欺クイーン」として知られる謎の人物が、ハリウッドで有力な女性製作者になりすまし、人生を一転させる機会をもちかけて被害者を誘惑。ある記者と私立探偵が詐欺の背後にいる犯人探しに着手する。

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