世界的な人気を博すアイドルグループ・EXOのメンバー、レイとしても活躍するチャン・イーシン主演、耳のきこえない父と7歳の娘の心温まる絆を描き、本年4月に本国中国で初登場1位を獲得した感動作『愛がきこえる』が、1月9日(金)より公開される。このたび、滝田洋二郎監督、呉美保監督、俳優の南果歩ら著名人から絶賛コメントが到着した。
父と娘が互いを思いあう“静かな愛”を描く
ろう者の父シャオマー(小馬)とコーダ(耳が聞こえない、または聞こえにくい親を持つ聴者の子ども)の娘ムームー(木木)。支え合って生きる父娘のささやかな日々は、5年前に出ていった母の来訪によって軋み始める。ふたりの愛は、最大の試練を乗り越えられるのか——。
主人公・シャオマーに扮するのは、世界的な人気を博すアイドルグループ・EXOのメンバー、レイとしても活躍するチャン・イーシン(张艺兴)。ただ幼い娘の幸せだけを願い必死に駆けずり回るシングルファーザーを文字通り全身全霊で熱演し、観る者の心を激しく揺さぶる。シャオマーの愛情を一身に受けるムームーに抜てきされたのは、これが映画デビューとなる新星リー・ルオアン(李珞桉)。太陽のように輝く存在感と豊かな感情表現の数々に、圧倒されるに違いない。監督は、中国で社会現象を呼び起こしたヒット作『あなたがここにいてほしい』のシャー・モー(沙漠)。米アカデミー賞作品賞受賞作『コーダ あいのうた』、吉沢亮が主演した『ぼくが生きてる、ふたつの世界』と同じく、当事者であるろう者の人々が俳優として多数参加している。
<コメント>
滝田洋二郎(映画監督)
音を生業とするミュージシャン(主演のチャン・イーシン)が、耳の聞こえないろう者の父親を静かに深く繊細に演じ、7才の娘役をキラキラと輝かせ透明感のある父娘の物語に導いた。「2025・中国映画週間」観客賞・主演男優賞を受賞したチャン・イーシンの豊な感性を纏う音楽を聴きながら、もう一度『愛がきこえる』を観てみたい。
呉美保(映画監督)
この映画は、ろう者コミュニティの生活描写を豊かに描きつつ多様性に向きあい、あるいは単なる悲劇として消費することなく、作り手の真摯な眼差しが貫かれている。父を想う少女ムームーの表情は愛くるしくも儚げで、親子の絆と葛藤に揺れ動く幼き心の機微は、すべての観客の心を強く揺さぶるに違いない。
南果歩(俳優)
父シャオマーとコーダの幼い娘ムームーの手話の会話は、愛とユーモアに満ちている。しかしろう者への偏見と差別は、社会の中で当たり前のように生まれていく。そんな不平等な社会で、怯えるような瞳の奥底に悲しみと愛を湛え、街の片隅で娘のために身を粉にして働いている父を、チャン・イーシンは体現している。その静かな演技はシャオマーの人生そのものだ。
(第10回ゴールドクレイン賞授賞式で最優秀主演男優賞を受賞した時のトップアイドル然とした華やかな姿からは、想像もできない演技でシャオマーになっていたことに驚きを覚えました)
「ろう者の静かな愛情表現は簡単に世界にかき消される」でも静かな愛は何より強く、確かなものだと言うことをこの映画は教えてくれる。
森直人(映画評論家)
「善良さ」が搾取されることなく、祝福される社会を願いたい——。『愛がきこえる』はコーダとして育った娘ムームーが、社会の現実を伝える語り部=メッセンジャーになっていく成長物語でもある。またシングルファーザーの悪戦苦闘を通して社会を見るという点で、『クレイマー、クレイマー』から『I am Sam アイ・アム・サム』へという系譜の延長に置ける1本とも言える。
ISO(ライター)
聞こえる娘と聞こえない父。その親子のあいだに隔たりはなくとも、不均衡な社会が「ただ一緒に生きる」ことを望む彼らの前に大きな隔たりと困難を生み出してしまう。それでも愛を諦めない2人の直向きさにただ胸を打たれた。今の社会構造へ厳しい眼差しを向けると共に、現実の世界にある希望を提示する本作の意義は大きい。
奥浜レイラ(映画・音楽パーソナリティー)
耳が聴こえないだけ、使っている言語が違うだけで、誤解され利用される。どんな場所でも、障壁を作ってしまうのは健常主義を疑わない社会の方だ。そんな厳しい現実を背景にしたフィクションながら、結びつきの強いろう者のコミュニティの朗らかさには頬が緩んだ。純度100%の愛情が、利己的に生きる人間を大きく変える可能性があることを、この物語を通して見つめ直してほしい。
保科準希(手話通訳士)
単なる父と娘の愛の物語ではなくろう者の苦悩や力強く生きる様も描かれ、ろう者への注目が高まるきっかけにもなる作品。また、ろう文化も見え隠れしていたり、当事者の演者だからこそ出し得る雰囲気があったり、親子をつなぐ手話という言語の尊さも改めて実感できた。大切な人と観てほしい。
『愛がきこえる』は1月9日(金)より全国ロードショー