「ホラー映画は痛みを描かないと意味がない」E・L・カッツ監督が追求した“ゴア哲学”とは?『ヴィレッジ 声帯切村(コエキリムラ)』
『サプライズ』『ザ・ゲスト』のサイモン・バレットが脚本、全米No1ヒット『ロングレッグス』『THE MONKEY/ザ・モンキー』の製作陣、そして『レディ・オア・ノット』のサマラ・ウィーヴィングが主演の映画『ヴィレッジ 声帯切村(コエキリムラ)』が、1月2日(金)より全国公開中。このたび、E・L・カッツ監督インタビューと本編映像が解禁となった。
“音=即死”の世界で少女は生き残れるのか!?
舞台となるのは、外界から隔絶され“声が禁じられた”カルト村。声帯を切り裂かれた住人たち、血と音に反応して襲いかかる謎の存在、そして逃げ場のない生贄の儀式——。静寂の中で狂気と恐怖の両方が迫りくる、極限のサバイバルに身を投じることになる、少女・アズラエル。“音を出したら即死”というシンプルなルールが、卓越したスタッフとキャストの手によって、かつてない緊張感とスケールをもって描かれる。
脚本を手掛けるのは『サプライズ』『ザ・ゲスト』などでジャンル映画史を更新し続けてきたサイモン・バレット。製作は全米No1ヒット『ロングレッグス』『THE MONKEY/ザ・モンキー』で勢いに乗る、今もっとも注目されるスタジオ「C2 Motion Picture Group」が担当。主演を務めるのは、Netflixでの世界的ヒットも記憶に新しい『レディ・オア・ノット』や、『バビロン』『スリー・ビルボード』などでバイプレイヤーとしても存在感を放つサマラ・ウィーヴィング。彼女が演じるのは、“全編セリフなし”という極限の演技。一切のセリフを排し、息遣いと身体表現のみで恐怖と覚醒を描き切った。
『ヴィレッジ 声帯切村(コエキリムラ)』©2025 C2 MOTION PICTURE GROUP. ALL RIGHTS RESERVED.
E・L・カッツ監督が本作で追求した“ゴア哲学”とは!?
『ABC・オブ・デス2』やNetflix『スモール・クライム』などで独自の映像センスを磨いてきたE・L・カッツ。“強烈な世界観づくり”を得意とする彼が挑んだのが本作『ヴィレッジ 声帯切村(コエキリムラ)』だ。劇中で主人公を追う異形のクリーチャーは、物語の冒頭で示唆される“ある出来事”によって生まれてしまった存在。怒りや飢えを抱えながらさまよう彼らは恐ろしく見える一方、どこか人のような気配を残している。カッツは「モンスターとして恐ろしいだけでなく、人間性の名残も感じてもらいたかった」と語り、その不気味さと哀しさが作品全体に独特の深みを与えている。そして本作で特に際立つのが、“生々しい暴力表現”への徹底したこだわり。カッツは「こうしたジャンルの作品を作るなら、“痛み”をちゃんと描かなきゃ意味がない」と語り、70〜80年代のホラー映画のように“本当に起きているように見える”衝撃と手触りを目指した。その表現を支えたのは、ブランドン・クローネンバーグ作品などへの参加で知られる特殊効果アーティスト、ダン・マーティン。
カッツは「彼の暴力描写には、デ・パルマやリンチを思わせる芸術性と、不快で目をそらしたくなるリアルさが共存している」と語り、細部まで作り込まれた残酷描写が作品のトーンを決定づけた。カッツは暴力を曖昧にせず“結果込み”で描くことを重視する。「暴力には恐ろしい結果がある。それを見せなければ恐怖を感じない」。その哲学を支えるため、本作ではできる限り実際に作り込んだ特殊効果を使用する本物志向のアプローチが選ばれた。手間も時間もかかるが、「ホラーというジャンルには必要な“言語”だ」と語り、完成したシーンの多くは自身も“凄まじい”と評するほど強烈な仕上がりになった。沈黙が支配する黙示録世界の恐怖と、カッツが徹底して追求した“痛みのリアリティ”が融合した本作。暴力描写へのこだわりは、ホラー映画というジャンルの核心を突くものとして、観客に強烈な印象を残すはずだ。
監督肝いりのゴア表現が凝縮された、思わず「痛たた…」と声が漏れそうな本編映像が公開に。カルト村の男が仕掛けた罠にかかり、逆さまに吊るし上げられたアズラエル。彼女が必死に逃れようとする一方、男は“何か”の標的となり、木に叩きつけられ粗い木肌で顔面をえぐられていく。
さらに複数の“何か”たちが男に群がり、その肉を貪り始める。木の上から捕食の一部始終を目の当たりにするアズラエルだったが、目前で繰り広げられる凄惨な光景に、息を殺して身を潜めることしかできなかった…。アズラエルが踏み⼊れてしまった逃れようのない鮮⾎のサバイバルをスクリーンで体感してほしい。
『ヴィレッジ 声帯切村(コエキリムラ)』は1月2日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開中