なぜ新年に“花火トラブル”が世界中で?
2026年の幕開けは、世界各地で“花火”が原因の事故や暴力が相次ぐ波乱のスタートとなった。オランダ、ドイツ、スイス、そしてアメリカ・シアトルまで、年越しの祝賀ムードとは裏腹に、各地で死傷者や混乱が発生している。
オランダで19世紀の教会が炎上
オランダでは大晦日から元日にかけて、花火を使った暴力や事故が全国的に広がった。アムステルダムでは19世紀に建てられた歴史的教会が火災に見舞われ、50メートルの塔が崩落。屋根も大きく損傷したが、建物自体は倒壊を免れたとされる。警察や消防への攻撃も相次ぎ、警察組合トップのナイン・コイマン氏は、自身も勤務中に花火を投げつけられたと明かし、「前例のない暴力だった」と語った。
花火による死傷者も出ており、17歳の少年と38歳の男性が事故で死亡。ロッテルダムでは10代を中心に14人が眼の負傷で治療を受け、うち2人は手術が必要な重傷だった。ブレダでは警察に向けて火炎瓶が投げられるなど、祝賀ムードとは程遠い混乱が続いた。非公式花火の禁止が2026年に導入される予定で、今年は記録的な花火購入額が報告されていたことも背景にある。
ベルリンで暴動発生「まるで戦場のよう」
同じくヨーロッパでは、ドイツのベルリンが大規模な混乱に包まれた。違法花火を使った暴力が各地で発生し、警察は通常の3倍となる4300人を動員。400人以上を逮捕したが、37人の警察官が負傷し、消防士も被害を受けたという。
病院には手や顔の重度損傷を負った市民が次々と運び込まれ、医師が「戦場のようだ」と表現するほどの惨状だった。子どもが巻き込まれた事故も多く、ブランデンブルクでは21歳の男性が花火の爆発で死亡。ドイツ全体では5人が命を落としたと報じられている。
スイスでは大規模火災で40人が死亡
一方、スイスでも火気が関係した大惨事が起きた。南西部クラン=モンタナのスキーリゾートにあるバーで新年パーティー中に火災が発生し、約40人が死亡、115人が負傷した。
目撃者によれば、スタッフがシャンパンとフレア(火花を出す演出用の火気)を持ち込んだ直後に火災が起きたとされるが、原因は調査中。スイスのパルムラン大統領は「我が国が経験した最悪級の悲劇」と述べ、各国から哀悼の声が寄せられている。
濃霧でシアトル名物の花火見えず→大乱闘発生
アメリカ・シアトルでは、花火イベントそのものが混乱の引き金となった。スペースニードル周辺で行われたドローンショーと花火は濃霧に覆われ、ほとんど視界に入らない状況に。その会場近くで15人以上が関わる大規模な乱闘が発生し、SNSで映像が拡散された。警察への通報は確認されていないものの、近年の治安悪化が背景にあるとみられ、街の不安定さが露呈した形だ。
Massive brawl involving 15+ people breaks out outside the Seattle Space Needle during NYE fireworks. No word yet on how it started, but Komo Plaza was chaos 😳 pic.twitter.com/wigSy3jUo8
— SEATTLESUBMISSIONS (@SEATTLESUBMISS) January 1, 2026
日本では冬場に花火を楽しむ習慣はあまりないが、昨年は山火事の多発も社会問題化した。空気が乾燥している冬季こそ火気の扱いには注意が必要なので、今年の夏まで花火は封印したほうが良さそうだ。
集団心理の危険性を描いたドキュメンタリー
『とんでもカオス! アストロワールド2021』(Netflix)
2021年のアストロワールドで起こった悲劇。生存者や救急隊員、フェスに関わったスタッフらへの独占インタビューから、当時の状況や、事件が各所に及ぼした影響を検証するドキュメンタリー。
『サタンがおまえを待っている』(U-NEXTほか)
80年から90年代にかけて「幼い頃、悪魔崇拝の儀式のいけにえに捧げられた」という告発が相次ぎ、アメリカで大パニックが巻き起こった。そのきっかけとなったミシェル・スミスの体験を記した本には、残虐で恐ろしい悪魔崇拝儀式の内容が記されていた。