小児性愛者が路上で射殺される
ブラジル中西部マトグロッソ州シノップ市で12月10日、小児性愛犯罪で服役していた男が刑務所を出た数時間後に射殺される事件が発生した。男は2005年に9歳の少年を性的暴行の末に殺害した罪で42年の刑を受けていた。
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事件の経緯と犯行の瞬間
事件の前日、46歳のジョアン・フェレイラ・ダ・シルバはシノップ裁判所が発行した釈放命令により、夜間のみ収監される「セミオープン」制度での生活を開始。しかし翌朝、滞在先のホテルを出たところをフード付きパーカーとマスクで顔を隠した2人組の男に襲撃された。
監視カメラの映像には、銃を突きつけられ両手を頭の後ろに組まされるシルバの様子が映っており、直後に至近距離から複数回発砲され倒れる瞬間までが確認できる。現場からは薬きょう3個が回収されていて、犯人たちはそのまま逃走。駆けつけた消防隊がシルバの死亡を確認し、遺体は法医学研究所へ送られた。
犯罪歴と社会的反響
シルバは2005年、9歳の少年ブルーノ・アパレシード・ドス・サントスくんを建設現場に誘い込み、性的暴行の末に殺害し遺体を埋めた。10日後、別の少年への襲撃未遂で逮捕され、取り調べでは犯行を自白したが、裁判では一転して無罪を主張していた。
当時この事件は地域社会に強い衝撃を与え、約500人の住民が警察署に押し寄せて私刑を試みる騒ぎも起こった。殺害されたブルーノくんの母親は、地元メディアの取材に対し「息子は戻らないが、もう誰の子どもも殺されないと思うと安堵した」と複雑な心境を語っている。
SNS上でシルバの死を歓迎するような声が多数投稿される中、シノップ市警察は覆面姿の2人組の特定と逮捕に向けた大規模捜査を継続中。現時点で逮捕者はおらず、犯行が男の過去の凶悪犯罪や釈放と関連しているかどうかも調査中だという。
犯罪者と被害者の心理を見つめるドキュメンタリー
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