若き女性デザイナーの不可解な死
近年、SNS上で“成功者”としてのライフスタイルを演出するインフルエンサーや起業家が増えている。だが、その華やかな投稿の裏にある資金源や人間関係は、しばしば不透明だ。
今年8月、ニューヨーク州モントークのヨットクラブで死亡したアイルランド人デザイナー、マーサ・ノーラン・オスラタラ(33歳)の事件は、そうした“光と影”を象徴するものとして国際的な注目を集めている。
Still no answers 3 months after NYC designer Martha Nolan-O’Slatarra was found dead on Montauk boat https://t.co/xIGrbhJkXC pic.twitter.com/qjcFZzt5bS
— New York Post (@nypost) November 15, 2025
投資家との会合、怪しい空白、捜査と疑念
マーサはスイムウェアブランド<East x East>の共同創業者であり、SNSではプライベートジェットや高級ホテルでの生活を発信していたが、実際のところはマンハッタンのスタジオタイプのアパートに住んでいたようだ。その表向きの豪華なライフスタイルは、主に保険業界の大物投資家クリストファー・ダーナン(60歳)からの資金提供によって支えられていたと報じられている。
事件当夜、マーサはダーナンとモントーク・ヨットクラブで会い、午後7時半に出航。友人たちは位置情報アプリがマーサの現在地を“海上”と示していることを不審に思っていたが、彼女がグループチャットに「携帯はついてるよ、今ヨットクラブにいる」と返信してきたのが最後のメッセージとなった。
その約1時間後、マーサは意識を失った状態で発見され、現場で死亡が確認される。ダーナンは「突然ぐったりした」と証言し、CPRを試みた後に助けを求めたと主張しているが、通報までに1時間以上の空白があった。また、裸で桟橋を走っていたことも報じられていて、彼の弁護士は「嘔吐物で服が濡れたため脱いだ」と説明している。
検死では暴力の痕跡はなく、死因は毒物検査の結果待ちの状況だという。警察は薬物の供給ルートを含めて捜査を継続しており、ダーナンの行動も調査対象とされているが現時点で彼は容疑者ではないようで、謎は深まるばかりだ。