• BANGER!!! トップ
  • >
  • 新着ニュース
  • >
  • 「今年、最も出会えて良かった映画」「目が離せなかった」カナダで絶賛された小説が映画化『ぼくらの居場所』

「今年、最も出会えて良かった映画」「目が離せなかった」カナダで絶賛された小説が映画化『ぼくらの居場所』

「今年、最も出会えて良かった映画」「目が離せなかった」カナダで絶賛された小説が映画化『ぼくらの居場所』
『ぼくらの居場所』© 2021 2647287 Ontario Inc. for Compy Films Inc.

ドキュメンタリーの名手シャシャ・ナカイとリッチ・ウィリアムソンによる初の長編劇映画『ぼくらの居場所』が、11月7日(金)より公開される。このたび、本作を先行視聴した著名人からコメントが到着した。

社会の片隅に生きる人々を実直な眼差しで描く

カナダで絶賛された小説を、ドキュメンタリー出身監督が映画化。監督を務めたのは、ドキュメンタリーの名手であるシャシャ・ナカイとリッチ・ウィリアムソン。2016年に共同で制作した『Frame394』(日本未公開)は「第89回米国アカデミー賞」短編ドキュメンタリー賞のショートリストにも選出された。本作は、カナダの作家キャサリン・エルナンデスが実体験をもとに執筆したデビュー小説「Scarborough」(未訳)を自ら脚本化し、2人に持ち込んだことから制作がスタート。2人にとって初の劇映画である本作は、カナダ・アカデミー賞で11部門ノミネート、8部門を受賞。国内外の映画祭で20もの賞を獲得する快挙を成し遂げた。

社会の片隅に生きる人々を通して、世界の現実(いま)を映し出す——本作のアンサンブルキャストには、物語の舞台であるスカボロー出身の俳優も多く含まれており、そのほとんどは演技未経験であった。主役に抜擢されたのは、本作でスクリーンデビューを果たした3人の子どもたち。彼らの驚くほど自然で純真な演技が観客の心を打ち、作品に命を吹き込んでいる。現代社会が抱える多様な問題を提起しながらも、人々の希望やコミュニティの美しさを温かく描いた傑作が誕生した。

多様な文化を持つ人々が多く暮らす、カナダ・トロント東部に位置するスカボロー。そこに暮らす3人の子供たち。精神疾患を抱えた父親の暴力から逃げるようにスカボローにやって来たフィリピン人のビン。家族4人でシェルターに暮らす先住民の血を引くシルヴィー。そしてネグレクトされ両親に翻弄され続けるローラ。そんな彼らが安心して過ごせる場所は、ソーシャルワーカーのヒナが責任者を務める教育センターだった。厳しい環境下で生きながらも、ささやかなきずなを育んでいく3人だったのだが…。

<コメント>

呉美保(映画監督)
ビン、シルヴィー、ローラ。3人の一挙手一投足を見逃すまいと、熟視し続けた。彼らを取り巻く家族、そして社会の、有情非情の繰り返しに心はそぞろ、目と鼻と耳の奥が痛かった。今年、最も出会えて良かった映画です。

竹林亮(映画監督)
ドキュメンタリーのような真実味で物語が紡がれていて、正直、こんな映像をどうやって撮影したのかと、目が離せませんでした。描かれているのは遠い街の出来事ではなく、私たちの暮らしにも深く関わる普遍的なテーマであり、そこには重要な問いかけがありました。その問いへのシンプルな答えが、確かに心に残り続けています。

武田砂鉄(ライター)
人は人のことを簡単にあきらめる。人は人のことを絶対にあきらめない。矛盾するけれど、その二つのことを思った。

奥浜レイラ(映画・音楽パーソナリティ)
フィクションの物語によって、見過ごされがちな現実を照射することの意義。ドキュメンタリーの手法で映し出される自由な子どもたちの姿は、この小さくて大きな命を包む毛布のようなセーフスペースが世界のどんな地域にも必要だと強く訴えかける。

『ぼくらの居場所』© 2021 2647287 Ontario Inc. for Compy Films Inc.

『ぼくらの居場所』は11月7日(金)より新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国公開

Share On
  • Twitter
  • LINE
  • Facebook