「米人気ラッパーが銀座のクラブで乱闘」のニュースは本当か?
今月6日、ある驚きのニュースが報じられるやSNS上で大拡散され、議論や憶測が飛び交う大騒ぎに発展した。そのニュースの中心にいたのは米NYブロンクス出身の人気ラッパー、A Boogie wit da Hoodie(29)だ。
最初にこの事件を報じたのは米TMZと思われるが、その他ヒップホップ系の大手メディア等によると、10月3日に東京で開催された大規模フェスのアフターパーティー会場(銀座の某クラブ)にて、A Boogie Wit da Hoodieとそのチームが乱闘騒ぎを起こしたという。
A Boogie Wit Da Hoodie Gets In A Fight & Turns Japanese Club Upside Down https://t.co/S3Yvw9qSAh
— Hot 107.9 Atlanta (@hot1079atl) October 8, 2025
A Boogieはこの乱闘の現場にいたとされており、オーディエンスが撮影したであろう映像にもイエローのスニーカーを履いた彼の姿が映し出されている。その映像ではクラブ内のカウンターに乗ったり、何かを激しく踏みつけるような行動も確認できる。
この乱闘の原因として、同じフェスに出演していた超有名ラッパー・Futureのクルーと揉めたのではないかという憶測も流れたが、のちにFuture側が関与を否定。A Boogieとそのクルーが何者かと争い、店内を破壊し尽くしたという報道が独り歩きする状況となっている。
Vidéo de A Boogie Wit Da Hoodie et son équipe en pleine bagarre dans un club à Tokyo.
Plusieurs sources ont confirmé que ce n’était PAS contre l’équipe de Future. pic.twitter.com/I5kjSmWhaQ
— Urban Papers🆙 (@UrbanPapers_) October 7, 2025
とはいえ、映像を見るかぎり被害者らしき人物も映っておらず、今のところ逮捕者が出たという続報もない。この件は米大手ニュースメディアでも一切取り上げられていないため、ますます詳細は不明だ。なお、A Boogie本人は報道後に笑顔で楽しそうに踊る様子をSNSにアップしていて、報道されてから現在まで店側も通常営業中。このニュース自体が“よくあるいざこざ”か、あるいは誤報が含まれる可能性も出てきた。
A Boogie wit da Hoodieの順風満帆キャリア
1995年生まれのラッパー/シンガーA Boogie wit da Hoodie(本名:Artist Julius Dubose)はブロンクスのHighbridge地区で育ち、12歳からラップを始める。高校時代に法的トラブルを抱え、フロリダに送られた後、音楽制作に本格的に取り組むようになった。2015年にニューヨークへ戻り、Don Qらと共にレーベル<Highbridge the Label>を設立。SoundCloudでの楽曲発表を経て、2016年にリリースしたミックステープ『Artist』で注目を集め、以降Billboardチャート上位を連発する人気アーティストとして活躍している。
2017年には<Atlantic Records>と契約し、デビューアルバム『The Bigger Artist』を発表。Kodak Blackを迎えた「Drowning」がヒットし、Billboard 200で4位を記録。2018年の2ndアルバム『Hoodie SZN』はBillboard 200で1位を獲得し、17週連続でトップ10入りするなど大成功を収めた。
その後も順調にアルバムリリースを重ね、多くの人気アーティストとコラボ。2023年には『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』のサウンドトラックにも参加している。代表曲の一つである「My Shit」はApple Musicの<The Best Songs of 2016>に選出、ダブルプラチナ認定された。
私生活では2児の父であり、2023年にはブロンクスの通りが「Artist “A Boogie” Dubose Drive」と命名されるなど、地元への貢献も評価されている。
A Boogie Wit Da Hoodie gets a street named after him in the Bronx on Nelson Avenue and W. 166th Street. pic.twitter.com/r5oxpSSfgl
— XXL Magazine (@XXL) December 23, 2023