河合健監督のオリジナル最新作『みんな、おしゃべり!』が、11月29日(土)より公開される。このたび、予告編が解禁となった。
本作は、10月27日(月)~ 11月5日(水)に開催される「第38回東京国際映画祭」アジアの未来部門に公式出品が決定、また、11月6日(木)~9日(日)に開催される「手話のまち 東京国際ろう芸術祭2025」での先行上映も決定した。
“日本手話×クルド語”が衝突する言語大合戦の幕開け!
電器店を営むろう者の父と弟、聴者の夏海の古賀家。同じくその街に暮らすクルド人一家が、些細なすれ違いから対立、両者の通訳として駆り出された夏海と在日クルド人のヒワでも手に追えない状況の中、夏海の弟・駿が作り出した謎の文字が学校・街を巻き込む事態へと発展し、想像を超えた結末へ向かう—。
©2025映画『みんな、 おしゃべり!』製作委員会
これは、言語・コミュニケーション格差下で繰り広げられる、“誇り高き小競り合い”を描き、消滅危機言語を扱った前代未聞の作品。監督を務めたのは、挑戦的なオリジナル作品に定評がある河合健(「なんのちゃんの第二次世界大戦」/21)。CODA(Children of Deaf Adults/ろうの親を持つ聴者の子どもの意)である河合監督が、日本手話とクルド語を題材にしたオリジナル脚本で、消滅危機言語、コミュニケーションの問題に取り組んだ。
主人公のCODAの夏海役は映画『愛のゆくえ』の長澤樹、父の友人役にはドラマ「デフ・ヴォイス」の那須英彰、同じく父の友人役として映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』の今井彰人、街おこしを計画する団体職員役に板橋駿谷、ろう学校の先生役として小野花梨が参加している。また、夏海の父・和彦役で演技に初挑戦するのは、西日暮里でラーメン屋を営む「麺屋義」の店長でろう者の毛塚和義。その他にも演技初挑戦となる、ろう者・クルド人が多数出演しており、登場人物たちと同じ第一言語に属する方々がキャスティングされている。
予告編は、主人公・夏海の父親・和彦が「配慮ってやつじゃないか?」「配慮?排除だろ」とろう者の仲間と意見を交わすシーンから始まる。続いて、クルド人のルファトが同僚たちのトルコ語での会話や通訳に「クルド語で話せ」と自分たちがクルド人であることを主張する姿が捉えられており、ひとつの街で各々の言語を使う人々が偏見や一方的な印象を押し付けられていることがうかがえる。
やがて、和彦の営む電器店である出来事が起こり、“通じ合わない人たちが、大混戦!!”のテロップの通り、日本語手話とクルド語で言い合いになるが、両者の子どもたちが通訳をしていく中で「そんなに争うことじゃないよね!?」と気付く様子や、夏海の弟・駿は謎の文字をノートや黒板いっぱいに描く姿、そして、夏海が「言葉とかどうでもよくなんない?」とクルド人で日本語も話せるヒワとの距離を縮めていくシーンも収められている。小さな誤解が大きな奇跡に!?一体、物語はどのような展開を見せるのか—。
©2025映画『みんな、 おしゃべり!』製作委員会
『みんな、おしゃべり!』は11月29日(土)よりユーロスペース、シネマ・チュプキ・タバタほか全国公開