15歳少女の遺体が人気シンガー「d4vd」の車内から発見
9月8日、ロサンゼルス市内のインパウンド(保管)ヤードにて、異臭がするという通報を受けた警察が1台のテスラ車のフロントトランクから激しく腐敗した遺体を発見した。車両は人気シンガーd4vd(デイヴィッド/本名:デイヴィッド・アンソニー・バーク、20歳)の名義で登録されていた。
遺体は歯科記録などの鑑定により、2024年4月から行方不明となっていたカリフォルニア出身の少女セレステ・リヴァスさん(当時13歳、存命であれば現在15歳)と特定。彼女は身長約155cm、黒のレギンスとチューブトップを着用し、右手の人差し指にはd4vdと同じく「Shhh…」という文字のタトゥーがあったという。
TMZ reports that singer D4vd has a matching “Shh…” tattoo with the body of a 15-year-old girl discovered in his Tesla.
The girl’s mother told TMZ that her daughter had been missing for over a year and had a boyfriend named David.
(https://t.co/cbtGrHea4s) pic.twitter.com/Av63tm3hai
— Pop Base (@PopBase) September 17, 2025
LAPD(ロサンゼルス市警)は今のところ死因の特定を待っている段階だが、検視官は「長期間にわたり車内に遺体が放置されていた」と述べている(遺体はバラバラで袋に包まれていたとの報道も)。
遺体発見後、警察はd4vdが滞在していたハリウッド・ヒルズの住宅に対して捜索令状を執行。コンピューターなど複数の証拠品が押収された。この住宅はd4vdの所有物ではないが、彼が一時的に滞在していたとされる。
d4vd側は事件発覚後、シアトル公演を含む北米ツアーの残り日程をすべてキャンセル。予定されていたアルバム『Withered』デラックス版のリリースも見送られたようだ。代表者は「当局に全面的に協力している」とコメントしているが、今のところ本人からの直接的な声明は出ていない。
TikTok発の新世代アーティスト「d4vd」とは
2005年生まれ、ニューヨーク・クイーンズ出身のd4vdは、のちにテキサス州ヒューストンへ移住。フォートナイトのゲーム動画に自作音楽を使用するために楽曲制作を始め、2022年にTikTokで「Romantic Homicide」「Here with Me」がバイラルヒット。これを機に<Darkroom/Interscope>と契約を結び、2023年にはEP『Petals to Thorns』『The Lost Petals』を発表。2025年に初のフルアルバム『Withered』をリリースしたばかりだった。
彼の楽曲はジャンルを横断するインディー・ロック、R&B、オルタナティブ・ポップを融合したスタイルで、Spotifyでは月間3500万人以上のリスナーを誇る。また、人気アーティストSZAのツアーでオープニングアクトを務めるなど、急速に注目を集めていた。
ちなみに彼は日本のYouTuberの動画にもいくつかゲストとして登場しており、主に日本のグルメを堪能していた。彼自身かなり日本文化に精通しているようで、2023年にはフジロックに出演し、翌2024にも大規模な単独公演を行っている。
社会的反響と今後の捜査について
事件はSNSでも大きな波紋を呼んでおり、d4vdの代表曲「Romantic Homicide」や“君は死んだ”という歌詞が再注目されるなど、音楽と現実の境界をめぐる議論も起きている。一部報道では被害者の名を冠した「Celeste」という未発表曲もあるそうだが、真偽は不明だ。
現在、LAPDは引き続き証拠の分析と関係者への聞き取りを進めており、事件の全容解明には時間を要する見込み。セレステ・リヴァスの家族は「心が張り裂けるような悲しみ」とコメントし、葬儀費用のための募金活動を開始している。