大河原恵監督の最新作『素敵すぎて素敵すぎて素敵すぎる』が、9月27日(土)より公開される。このたび、本作をひと足先に鑑賞した各界の著名人から推薦コメントが到着した。
大好きなひとが“カステラ”になって現れたら
横溝千歳と交際していた春田望は、ある日、横溝が自分ではない別の女性と結婚することを知る。結婚式の当日、春田は式に乗り込んでその場から走り去る。式場から逃走する道中で、カステラを乗せたバイクとの衝突事故に遭ってしまった春田。病室で目を覚ますと、そこには横溝の姿をした“カステラ”を名乗る男がいた……。
これまで、監督・主演を務めた中編作品『みんな蒸してやる』(2015)が「第7回下北沢映画祭」グランプリを受賞したほか、「第37回ぴあフィルムフェスティバル」ではコンペティション部門に入選するなど様々な国内映画祭で注目を集めてきた大河原恵。人々が内に秘める恋心や生きづらさなど、簡単な言葉では表現し切ることのできない複雑な感情を掬い取り、独自の視点や言語感覚で映画へと昇華してきた。
最新作であり初長編作品となる本作は、交際中の恋人・横溝が突然別の女性と結婚することを知った春田の、行き場のない恋心の行方を描く物語。2025年3月に開催された「第20回大阪アジアン映画祭」インディ・フォーラム部門でジャパンプレミアを迎え、その突飛な展開とは裏腹に多くの観客の共感を呼んだ。さらに、JAPAN CUTS AWARDを受賞し、北米最大の日本映画祭「JAPAN CUTS 2025」でも上映を行った。
忘れることできない、儚い恋の終わり。と見せかけて、カステラと流行りの職業に就いてみたり、横溝へ変わらぬ愛を伝えるビデオレターを作ってみたり、個性派揃いの文房具屋でバイトを始めてみたり……失恋をきっかけに意の向くままに進み続ける春田。最高純度の恋心は、誰もの想像を遥か高く飛び越えて、予測不能な出来事を巻き起こしながらスクリーンを駆け抜けていく。
<コメント>
忽那文香(ダウ90000)
あの時は苦しかったけど、今はあの瞬間も素敵に思えることがどれだけ素晴らしいことなのかを思い知らされ、夢の中と現実を行ったり来たりする感覚が癖になります。公開初日の9月27日(くつな)はこの映画で決まり!
大鶴肥満(ママタルト)
どんなに不幸なことがあっても塞ぎ込む前に周りを見てごらん、と優しく問いかけてくれるような映画でした。
あと、ドミノをするときは硬いものでやったほうがいいなと思いました。
土居志央梨(俳優)
つかめたと思ったらするりと逃げていく、と思ったら突然身体にドッと流れ込んでくる。この映画の独特なリズム感は人生のようで、見終わった後は心の角が少しまるくなったような感覚でした。愉快なことは意外と日常にたくさんあると改めて。
暉峻創三(映画評論家/大阪アジアン映画祭プログラミング・ディレクター)
絶望のどん底の境遇を生きる、可哀想な主人公の物語。だけれどもけっして、卑屈にも、悲劇的にも、暗鬱にもならない。彼女も、周りの人たちも、そして映画そのものも、強くて、軽妙で、夢幻的で、独創的。なるほどこれはもう、素敵すぎて素敵すぎて素敵すぎる!
中村亮太(俳優/転転飯店)
いまだに大量のもやしや、業務用のかつおぶしなどを見た時にうっすら大河原監督の顔が浮かぶのですが、今回カステラが追加されました。カステラに人生を肯定してもらえる稀有な映画をぜひ劇場で!
平山犬(作家/転転飯店)
大河原恵監督の宝石みたいな出鱈目がぎっしり詰まっていてめちゃめちゃ面白かったです。
最高のカステラミラクル疾走ロマンス映画でした!
ニカニカ笑える出鱈目も、ひとりぼっちみたいな出鱈目も、全部全部キラキラしていて、素敵すぎるじゃないか。
©2025『素敵すぎて素敵すぎて素敵すぎる』
『素敵すぎて素敵すぎて素敵すぎる』は9月27日(土)よりポレポレ東中野ほか全国ロードショー