リュック・ベッソン監督の原点にして頂点との呼び声も高い『グラン・ブルー 完全版』が、37年の時を経て4Kリマスター版として、8月29日(金)より公開される。このたび、シチリアの美しい景色が広がるレストランで食事をする本編映像が解禁となった。また、本作に魅了された各界の著名人からコメントとイラストが到着した。
世界中が愛したあの“ブルー”が4Kで“本物”になる
リュック・ベッソン監督が29歳で手がけた本作は、1988年にフランス全土で公開され1000万人以上を動員する大ヒットを記録。若者達の絶大な支持を集め、「Grand Bleu Generation」と呼ばれる社会現象にまでなった。
主人公のモデルが伝説的なダイバーにして“イルカに一番近い男”と称された故ジャック・マイヨールであることは有名だが、物語の奥には幼少期より海に慣れ親しんで育ったベッソン自身の記憶や体験も息づいている。17歳のときに“グラン・ブルー”の世界に魅せられたベッソンの夢の結晶であり“原点”を、彼の頂点作と位置づける映画ファンは少なくないだろう。これまでに様々なバージョンが劇場公開され、世界中で愛され続けてきた不朽の名作。観る者を惹きつけてやまない “深淵のブルー”が、ついに今4Kスクリーンで“本物”の輝きを放つ——。
幼い頃に海辺で出会い、潜水の腕を競い合ったジャック(ジャン=マルク・バール)とエンゾ(ジャン・レノ)。大人になったエンゾは、フリーダイビングの大会にジャックを誘う。勝負に燃える情熱的なエンゾと、イルカと対話し海と心を通わせるように潜る孤高のジャック。ふたりは競い合いながらも互いに影響を与え合う。そしてジャックは彼に想いを寄せるジョアンナ(ロザンナ・アークエット)との関係に戸惑いながら、海への憧れと人間世界との狭間で揺れ始める——。ある日、ジャックは人間の限界に迫るような記録を打ち立てる。負けず嫌いのエンゾは、なおもその記録に挑み続けようとして……。
ジャン・レノ演じるエンゾが海を臨むレストランで美味しそうなパスタを食べる名シーンが公開された。このロケ地は有名ホテル・カポタオルミーナの中に実際に存在するレストランで、日本はもちろん、世界中から『グラン・ブルー』ファンが集うほど。社会現象にまでなった本作への熱狂ぶりを感じさせる人気レストラン。映像は、幼い頃から潜水の腕を競い合ったジャックとエンゾが再会を喜び一緒に食事をする和やかなワンシーン。日の光を反射させてキラキラと輝く海を背に、思い出話が展開されていく。168分、海の中の深いブルーだけでなく絶景も美しい映像で楽しめる本作の魅力が詰まった映像となっている。
<コメント>
江口洋介(俳優)
深淵のブルーな世界を静かに潜っていくジャックの姿は今も記憶に残っている。水面下100m、光も届かない世界に彼は何を求めたのか。37年前、誰も見たことがなかった4K映像でシチリア島の美しさ、自然の神秘をこの夏、是非劇場でお楽しみください。
井上堅二(「ぐらんぶる」原作)
海の魅力と怖さが凝縮された素晴らしい作品!ダイビング・恋愛・友情と少しだけお酒。ぐらんぶるとも共通点がいっぱいですが——本当に僕らが紹介して良いのですか!?
イラスト/吉岡公威(「ぐらんぶる」漫画)
©井上堅二・吉岡公威/講談社
松永大司(映画監督)
自分が学生の頃、夜、家のリビングで一人この映画をよく観ていた。綺麗な映像にただただ魅了され、いつか自分は映画に携わる仕事に就きたいと思うようになった。この映画との出会いが自分の人生を大きく変えてくれた。
篠宮龍三(プロフリーダイバー/アジア記録保持者[115m])
美しくて恐ろしい。この映画を初めて観た時の衝撃は今でも忘れられない。実際に競技を始め、水深100mのグラン・ブルーへ辿り着いた。憧れ続けたそのブルーは地球上の青を全て集めたかのような青だった。グラン・ブルーとは二つとない青い宝石だ。触れることは出来ても持ち帰ることは許されない。そこにしかない青を湛えている。だからまた何度も潜るのだろう。今回の4K版によって新たなグランブルーファンが生まれ、海に潜る人が増えることを確信している。
RaMu(タレント)
3時間ほとんど海。海海海。最高。曲と映像も非常にマッチしていて、2人の友情がより際立ってる映画。この2人のように自分の居場所、あるべき場所というのが自分にも見つけられたらいいな、いや、既に見つけてて、気づいてないだけなのかな。リュック・ベッソンって、すごく心にズシッと来て考えさせられる映像作るの上手すぎる。私もマブダチと水中で乾杯して酩酊したい。
岡本美鈴(フリーダイビング 金メダリスト/自己記録[100m])
フリーダイビングがまだ小さく、未開拓の挑戦だった時代。人類の好奇心と海に潜る者たちの冒険心が輝いていた。『グラン・ブルー』はその空気を映していて、今も私の原点。4Kでまた出会えて嬉しいです。
立田敦子(映画ジャーナリスト)
リュック・ベッソンの美学と映像言語が最も純化された名作『グラン・ブルー』。4Kリマスターによって、80年代的感性と耽美の極致が鮮明に蘇る今、その神話性の本質がより鋭く浮かび上がる。
新谷里映(映画ライター)
何度観ても心を奪われる、月明かりの下でまるでダンスを踊るかのようにイルカと泳ぐジャック。
彼らを包み込む夜の海の深く透明なブルーが、より鮮やかに映し出されていました。
松崎健夫(映画評論家)
光の届かない海の深淵へと潜降してゆくジャックの姿。4Kで表現された群青から漆黒へと変容するグラデーションは、あたかも彼がすぐ傍に存在していると錯覚させるほど美しい。
『グラン・ブルー 完全版』©1988 GAUMONT
『グラン・ブルー 完全版』は8月29日(金)より角川シネマ有楽町ほか全国公開