TV〈初〉放送のレア作品あり!映画『スーパーマン』を“より深く楽しむ”ための過去シリーズ&関連作
『スーパーマン』映画の新たな傑作誕生
7月11日より公開中の『スーパーマン』(ジェームズ・ガン監督)が、予想を上回るヒットを記録している。本国アメリカを含む海外では好意的なレビューが多数を占め、一部メディアでは「クリストファー・リーヴ以来、最高のスーパーマン」「スーパーマンの本質に立ち返った」「最も人間味のあるスーパーマン」といった評もある。
『スーパーマン』© & TM DC © 2025 WBEI
日本でも大絶賛の声が多く寄せられており、SNSでの 「子どもにも大人にも刺さる」「政治的テーマも自然に盛り込まれている」といった評価からは、優れたバランス感覚がうかがえる。スーパーヒーローの象徴たる存在と現実世界の紛争・侵略問題を絡めながら、斜に構えた風刺ではなく愚直なまでの感動を呼び起こす展開はガン監督自身の成長も感じさせた。
北米での初日興収は約89億円に達し、これは2025年公開作の中で2番目に高い初日成績とのこと。もちろんガン監督作品としても過去最高の成績だが、この週末3日間でさらに観客を集めると見られ、ザック・スナイダー監督の『マン・オブ・スティール』(2013年)を超える可能性もあるという。
ということで、スーパーマンへの関心がこれまでにないほど高まっている今、伝説を築いた70年代の映画シリーズを振り返らないわけにはいかないだろう。古くは1940~50年代のアニメ~ドラマ~映画から始まり、現在におけるスーパーマンのイメージを作り上げた1978年の同名作と、そのシリーズ作品だ。
『スーパーマン(1978年)』
TM & © DC Comics © 1978 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved
WORLD WIDE DISTRIBUTION & COPYRIGHT © FILM EXPORT A.G. MCMLXXVIII
『スーパーマン』(1978年)
惑星クリプトンの崩壊直前、科学者ジョー=エルは息子カル=エルを地球へ送り出した。地球でクラーク・ケントとして育った彼は、超人的な力を持つ“スーパーマン”として人々を守る使命に目覚める。メトロポリスで記者として働きながら、同僚ロイス・レインとの関係を築くが、悪の天才レックス・ルーサーが核ミサイルによる破壊を企てていた。
『スーパーマン(1978年)』
TM & © DC Comics © 1978 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved
WORLD WIDE DISTRIBUTION & COPYRIGHT © FILM EXPORT A.G. MCMLXXVIII
世界を救うため奔走するも、大切な人たちを失ったスーパーマンは取り乱し、ある禁断の手段に出る……。壮大なスケールとジョン・ウィリアムズの音楽、クリストファー・リーヴの象徴的な演技により、現代スーパーヒーロー映画の礎を築いた作品とされている。
『スーパーマンII 冒険篇』 (1980年)
スーパーマンはロイスとの愛を選び、一時的に力を失うが、地球征服を目論むゾッド将軍ら3人のクリプトン人がファントム・ゾーンから解放される。彼らはホワイトハウスを制圧し、スーパーマンに“跪け”と要求。スーパーマンは力を取り戻し、知略を駆使して彼らを打倒する。
『スーパーマンIII 電子の要塞』(1983年)
天才的なプログラマー、ガス・ゴーマンが悪徳実業家ロス・ウェブスターに利用され、人工クリプトナイトを生成。スーパーマンは堕落し、善と悪に分裂。ジャンクヤードでの自己との戦いを経て正義を取り戻す。コンピューターによる脅威と人間性の回復がテーマ。
『スーパーマンIV 最強の敵』(1987年)
核兵器廃絶を願う少年の声に応え、スーパーマンは世界の核兵器を太陽へ投棄。しかし、レックス・ルーサーが“ニュークリアマン”を創造し、対決が始まる。理想主義と現実の衝突を描くが、低予算と脚本の問題で評価は低迷した。
『スーパーガール』(1984年)
スーパーマンのいとこ、カーラ・ゾー=エルが主人公のスピンオフ作品。故郷アルゴ・シティを救うため、地球に飛来した彼女は“スーパーガール”として魔女セレナと対峙する。魔法と超能力が交錯する異色のヒーロー映画として知られ、ヘレン・スレイターのフレッシュな演技が話題を呼んだ。
「TV初放送」スーパーマンの“すべて”が分かる必見作!
CS映画専門チャンネル ムービープラスでは上記シリーズに加え、スナイダー監督の『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』( 2016年)と、TV初となる『ストーリー・オブ・スーパーマン/スーパーマンの全て』(2006年)も放送。とくに後者はスーパーマンのすべてに迫るドキュメンタリーで、1938年の誕生から2006年の『スーパーマン リターンズ』までシリーズの進化を解説する必見の作品だ。