セクシー&キュートな歌姫の一糸まとわぬ熱演!美しすぎるヴァニティを見たい筋肉映画『アクション・ジャクソン』
“アポロ”カール・ウェザース主演アクション
昨年2月に逝去した俳優カール・ウェザース。最近ではドラマ『マンダロリアン』シリーズのグリーフ・カルガ役のほか、監督としての手腕も発揮していた。代表作は言わずもがなの『ロッキー』シリーズ(1976年~)のアポロ・クリード役で、てらてらと光が反射するブリッブリの筋肉で強烈なインパクトを放っていた。
長らくスタローンやシュワルツェネッガーらスター俳優の2番手に甘んじていたウェザースだが、そんな彼が堂々主役を張ったのが1988年の『アクション・ジャクソン 大都会最前線』。デトロイトを舞台にしたハード・アクションで、街の安全を脅かす巨悪組織に立ち向かう剛腕デカ“アクション・ジャクソン”の活躍を描いている。
デトロイトで、自動車業界の大物たちが次々と謎の死を遂げる。“アクション・ジャクソン”の異名を持つ巡査部長ジャクソンは、一連の事件に巨大自動車会社の社長デラプレインが絡んでいるという情報を入手。だが情報元であるデラプレインの新妻が殺害され、ジャクソンにその容疑がかかってしまう……。
『アクション・ジャクソン 大都会最前線』© 1988 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.
あのプリンスが愛した歌姫ヴァニティの体当たり演技に注目!
認知度の低さもあって安っぽいB級アクションと思われがちな本作だが、いかにも80年代な殺伐&能天気な雰囲気が楽しく、冒頭のド派手な銃撃アクションから見せ場の連続。ウェザースが『プレデター』(1987年)出演中に構想していたアイデアをプロデューサーのジョエル・シルバーに託し、スタント畑出身のクレイグ・R・バクスリーが監督に抜擢され完成した、なんとも痛快なアクション大作である。
キャストも『プレデター』で共演したビル・デュークや、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズのビフことトーマス・F・ウィルソンなど豪華で、本格ブレイク前のシャロン・ストーンにも要注目。とくに、クラブのシンガーで黒幕の愛人でもあるシドニーを演じた歌手ヴァニティ(かつてプリンスと公私にわたり深い関係だった)は驚くほど美しく、ぜいたくな歌唱シーンや体当たり演技が嬉しいところだ。
しかしウェザースは自慢の筋肉をパリッとしたスーツの下に隠していて、アクションシーンも意外なほど少ない。シニカルな刑事ドラマでマッスル俳優から幅を広げようとしていたのかもしれないが、中盤あたりから唐突にスーパーヒーロー映画かと思うほど激しいアクションが始まったりするので、むしろ人間離れしたマッスルぶりが強調される。ちなみに『コマンドー』(1985年)以上に辛辣な不謹慎演出も大きな見どころの一つだ。
『アクション・ジャクソン 大都会最前線』はCS映画専門チャンネル ムービープラス「特集:木曜アクション」で2025年5~6月放送