終末世界で最後に生き残る「オメガマン」とは何者?過去に何度も映画化された伝説的SFスリラー

終末世界で最後に生き残る「オメガマン」とは何者?過去に何度も映画化された伝説的SFスリラー
『地球最後の男 オメガマン 』DVD
価格:3,278円(税込)
発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

オメガマンとは何者か

「オメガマン」と聞いて、まず何を思い浮かべるだろうか。世代によっては「キ◯肉マ◯」に登場した、ホッケーマスクのような顔の超人を思い出す人もいるかもしれない。あるいは「オメガ」というキーワードから電気抵抗をイメージする人もいるだろう。

1971年の映画、その名も『地球最後の男 オメガマン』は、『ベン・ハー』や『「十戒』などで知られる名優チャールトン・ヘストン主演作。タイトルのとおり“地球最後の男”の人類最後の闘いを描いたSFアクションスリラーで、リチャード・マシスンの小説「I Am Legend」が原作だ。

原作の邦題はズバリ「地球最後の男」で、『オメガマン』は2度目の映画化作品。2007年にもウィル・スミス主演で映画化され、それに伴い原作も同タイトルに変更された。VS吸血鬼バトルを描いた原作および1度目の映画化作(1964年)から大胆に改変された『オメガマン』はアクションシーンもなかなか派手で、現代の基準で観ても観ても大いに楽しめる。

過去3度も劇場映画化された名作SFサスペンス

物語の舞台となるのは、中国とソ連のあいだで起こった細菌戦争によって疫病が蔓延してしまった世界。人類のほとんどは死滅し、生き残った者も異形の亡者と化していた。細菌の開発者である科学者ネビルは自身が研究していた血清のおかげで生き残るが、かろうじて命を落とさずに済んだ他の人間たちは髪や目が透きとおるように白い異形の姿となり、徒党を組んでネビルに襲いかかるのだった――。

トンデモ邦題かと思わせる『オメガマン』だが、じつは原題がまんま『The Omega Man』。<オメガ>はギリシャ文字の最後の文字である<Ω>にちなんでいるようで、人類の生き残り=最後の男という意味が込められているとか(あらすじ的にはタイトルに偽りあり、ではあるが……)。中ソの攻防という設定も両国の関係が悪化していた時事の反映で、映画のトーンも全体的に暗い。また、異人種間恋愛のハードルが高かった時代に黒人ヒロインを描いた先駆的な作品の一つでもある。

あのティム・バートン監督は『オメガマン』をフェイバリット作品の一つに挙げていて、『PLANET OF THE APES/猿の惑星』(2001年)で同シリーズの顔であったチャールトン・ヘストンを起用。のちの“終末世界”を描いた多くの作品に影響を与えており、その対立・分断の構図はパンデミック等を経験した今となってはむしろ真に迫ってくるものがある。

『地球最後の男 オメガマン』はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2025年3月放送

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