伝説の写真家の人生を描いた作品
『レイブンズ』は、伝説の天才写真家・深瀬昌久の実話に着想を得た物語。Vestapol、Ark Entertainment、Minded Factory、Katsize Films、The Y House FilmsがTeamo Production HQ、Townhouse Media Filmworksと共同で製作した。
森山大道らとニューヨークMoMA“New Japanese Photography”展(1974)で発表し絶賛を浴びた伝説の写真家深瀬昌久の78年にわたる波瀾万丈の人生を、実話とフィクションを織り交ぜて大胆に描いた。写真に憑りつかれた天才の狂気と、撮ることでしか愛しかたを知らなかった純粋さを、繊細かつワイルドに演じ浅野忠信の魅力が炸裂する。
深瀬の<最愛の妻であり最強の被写体>洋子役に、瀧内公美(『由宇子の天秤』『敵』、大河ドラマ「光る君へ」)。ミューズという古典的役割を軽々と飛び越え、美しく自由な圧倒的存在感で演じた。
古舘寛治、池松壮亮、高岡早紀ら実力派俳優が脇を固める。
「深瀬昌久1961-1991レトロスペクティブ」展(東京都写真美術館、2023)では、プライベートを晒しながら、狂気、被写体への愛、ユーモアが混在し唯一無二、その革新性で若い世代を魅了した。本作では深瀬の35㎜フィルム作品が多数登場し、見る者の心を揺さぶり、鷲掴みにする。
国際映画祭は、アメリカ・オースティン映画祭では観客賞受賞、そして東京国際映画祭、台北金馬映画祭に続き、レッドシー映画祭にも出品を果たし、全世界で高評価されている。
コメント
浅野忠信
見ている方は楽しいですけど、ホセ(ヨミちゃんマスクの俳優:ホセ・ルイス・フェラー)さんが、あのマスクをしてあの状態でいるのはとても大変だったと思います。本当にユーモアのあるヨミちゃんを演じてくれたので、そこでバランス取れたというのはあったかもしれないですね。ホセさんの人柄がとっても穏やかで、懐の深い感じで、その方がヨミちゃんになった時に、深瀬さんの甘えだったり、いろんなものが出せたので、ホセさんの魅力に本当に感謝しています。
マーク・ギル監督
苦悩する芸術家の問題を言葉で説明せずに、深瀬の内面を視覚的に表現する方法として考えました。このヨミちゃんのキャラクターは面白い試みだと信じています。
百武朋
深瀬に寄り添う『ヨミちゃん』は、魑魅魍魎や闇などを纏った形にデザインしています。特殊メイクの工程は、ヨーロッパの役者さんのスキャンデータを送ってもらい、そのデータをベースに3Dで造形、出力して仕上げました。目は金箔を使用しています。無機質な日本の面と有機的な生物の融合体の『ヨミちゃん』ですが、見る人によって見え方が異なって見えれば、嬉しいです。私が作ったキャラクターでも上位に入るキャラです。
『レイブンズ』は3月28日よりTOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館、ユーロスペースほか全国ロードショー