わずか数分の出演でアカデミー賞候補に!「少ないセリフには意味がある」名女優が語る衝撃作『教皇選挙』

わずか数分の出演でアカデミー賞候補に!「少ないセリフには意味がある」名女優が語る衝撃作『教皇選挙』
『教皇選挙』© 2024 Conclave Distribution, LLC.
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「私の役はセリフがあまりない。でも、それには意味がある」

『教皇選挙』への出演にあたり、脚本を読んだロッセリーニは、自身が演じるシスター・アグネスが男性だらけの場所で権限を持つ唯一の女性である点に惹かれたという。

アグネスの役目は黙っていること、枢機卿たちに異を唱えないこと。でも彼女の沈黙の中には、多くの情報と存在感がある。私はそれが素晴らしいと思った。

『教皇選挙』© 2024 Conclave Distribution, LLC.

脚本を気に入り、原作小説もすぐに購入したというロッセリーニ。「私の役はセリフがあまりない。でもそれには意味がある」と語るとおり、本作での彼女の出演時間は、わずか7分51秒。それにもかかわらずオスカー初ノミネートを果たしたのだ。

ノミネートの決め手となったのは、レイフ・ファインズ演じるローレンス枢機卿との“目”での会話。沈黙の中で交わされた視線が、観客の心を揺さぶった。

『教皇選挙』© 2024 Conclave Distribution, LLC.

「時には言葉を発さない力を持つこともある」

カトリック教会では女性の権限は限られている。修道女は男性の聖職者たちに服従する立場だから、彼女たちは従順なのよ。

ロッセリーニ自身がそう話すように、その設定ゆえにアグネスのセリフは少ない。しかし、だからこそ演技力が試される。彼女が役作りのヒントを見出したのは、「神は目と耳を与えてくださった」というセリフだ。

修道女たちは見聞きし、自分の考えを持っている。時には言葉を発さない力を持つこともある。ワインや水を給仕する時とかね。態度で示すこともできるし枢機卿や司祭はそれを感じ取ることができる。

『教皇選挙』© 2024 Conclave Distribution, LLC.

“目での会話”を意識した演技は緊張感をたぎらせ、一瞬ごとに意味が込められている。わずか7分51秒。しかし、その限られた時間の中で、ロッセリーニは世界中の観客の記憶にその存在を焼きつけたのだ。

映画『教皇選挙』は3月20日(木・祝)よりTOHOシネマズシャンテほか全国公開

CS映画専門チャンネル ムービープラス「特集:2025年(第97回) アカデミー賞ノミネート関連作」2025年3月放送

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『教皇選挙』

全世界に14億人以上の信徒を有するキリスト教最大の教派・カトリック教会。その最高指導者にして、バチカン市国の元首であるローマ教皇が、死去した。悲しみに暮れる暇もなく、ローレンス枢機卿(レイフ・ファインズ)は新教皇を決める教皇選挙<コンクラーベ>を執り仕切ることに。世界各国から100人を超える強力な候補者たちが集まり、システィーナ礼拝堂の扉の向こうで極秘の投票が始まった。票が割れるなか、舞台裏で蠢く陰謀、差別、スキャンダルの数々にローレンスの苦悩は深まっていく。そして新教皇誕生を目前に、厳戒態勢下のバチカンを揺るがす大事件が勃発するのだった――。

監督:エドワード・ベルガー(『西部戦線異状なし』)
脚本:ピーター・ストローハン(『裏切りのサーカス』) 原作:ロバート・ハリス著「CONCLAVE」
出演:レイフ・ファインズ、スタンリー・トゥッチ、ジョン・リスゴー、イザベラ・ロッセリーニ

制作年: 2024