小松準弥や岩山進次郎ら特撮キャストが好演
『サイボーグ一心太助』は昭和バイブスあふれるオープニングタイトルから、全くもったいぶらないサクサク展開、親切丁寧な説明セリフやナレーションなどなど、往年の特撮モノや“ニチアサ”好きであれば、上映開始から数秒で夢中になれる仕上がり。低予算らしいチープさは観客にいっさい身構えさせず、物語の要所はCGでキリッと引き締める。
©「サイボーグ一心太助」プロジェクト2024
主人公・太助自身のキャラ設定は某リーマン●太郎的な武闘派の面もあり、サイボーグ化してからの強さにも説得力アリ。演じる小松準弥(『仮面ライダーリバイス』ほか)の清々しいイケメンぶりや、知的なヒロイン宮田仲子を演じる中川知香のクールビューティーな存在感も物語への興味を惹起する。
脇を固めるベテラン芸人たちや加山雄三ジュニアこと加山徹の濃厚な存在感、そして80年代から「ウルトラマン」シリーズで活躍する堀内正美のマッドな名演にも要注目。クライマックスでは過去シリーズの登場キャラたちがカメオ出演も……?
©「サイボーグ一心太助」プロジェクト2024
特撮ドラマとご当地モノのツボをおさえた痛快ヒーロー劇
真っ直ぐな主人公に美しいヒロイン、悪のライバル(西川俊介が演じる岩山進次郎/サイボーグロック1)と渦巻く巨大な陰謀――定番の構成は安心感すら覚えるが、意外なほど刺激的な物語展開で観客を夢中にさせる本作。メインストーリーにはAIが孕む危険性や全体主義への懸念も盛り込みつつ、生身の人間が持つ心(ハート)による打開力を訴求する。
©「サイボーグ一心太助」プロジェクト2024
もちろん、序盤~中盤で愛知県幸田町の魅力(食や歴史文化)をしっかりアピールするなど、地方振興としての役割も忘れていない。上映時間も71分と非常に潔いので、特撮ドラマ~ご当地ムービー好きは要チェックだ。
『サイボーグ一心太助』は2025年1月24日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサ、シネマート新宿ほか全国ロードショー