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『グエムル』『トトロ』インスパイアなタイ産モンスター映画!?『ザ・レイク』は秀逸クリーチャーデザインも必見

『グエムル』『トトロ』インスパイアなタイ産モンスター映画!?『ザ・レイク』は秀逸クリーチャーデザインも必見
『ザ・レイク』© 2022 HOLLYWOOD (THAILAND) CO., LTD.
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『グエムル』や『ジュラパ』、あの国民的アニメまで…?

本作は“モンスター登場”までをダラダラと引き伸ばすようなことはせず、開始から3分ちょっとでガッツリほぼ全身を披露。エメリッヒ版『GODZILLA』(1998年)っぽい造形でありながら、湿地帯~湖に生息しているためか『WXIII 機動警察パトレイバー』(2002年)や『グエムル -漢江の怪物-』(2006年)の“アレ”のように両生類っぽさも意識していることが、その10分後くらいにはサクサクと判明。しっかり2足歩行にしたところには賛否あると思うが、とにかく出し惜しみしない姿勢に好感が持てる。

『ザ・レイク』© 2022 HOLLYWOOD (THAILAND) CO., LTD.

ゴジラ映画インスパイア的な“背びれチラ見せ”ショットに始まり、河川敷で人々が襲われる『グエムル』風シーン、沼地で一人づつ狩られる『プレデター』(1987年)風シーン、大雨のなか車内で息を潜める『ジュラシック・パーク』(1993年)まんまなシーン(アニマトロニクスによるモンスターヘッドの迫力がスゴい!)などなど、思わずニヤリとしてしまう“ごっつぁん”が続々登場。幼い少女の名前が「メイ」で、しかもヘソを曲げて家を飛び出したあとに湖でサンダルだけが発見されて……というシークエンスはまんま『となりのト◯ロ』で苦笑してしまう。

『ザ・レイク』© 2022 HOLLYWOOD (THAILAND) CO., LTD.

モンスターデザインは米ジャンル映画界の匠ジョド・シェル!

タイ映画としてはかなりの製作費が投入されているそうだが、とくに人間とモンスターが直接絡むシーンは誤魔化し感が否めない。とはいえ、その間の“つなぎ”がテキパキしている=サクサク襲われて被害者が続出するのでそれほどダレることがなく、観客目線で作られていることがよく分かる。また、登場人物とモンスターの間に“感染/呼応”という紐づけをすることで、ダメ押し的に隙間を埋めていく。それらを全てしっかり回収する気があるのかといえば、そうでもないのだが……。

『ザ・レイク』© 2022 HOLLYWOOD (THAILAND) CO., LTD.

なおモンスターデザインは、『死霊のしたたり2』(1990年)や『ガイバー』(1991年)、『ヘルレイザー4:ブラッドライン』(1996年)、『ギャラクシー・クエスト』(1999年)、『ヘルボーイ』(2004年)、そして『メン・イン・ブラック』(1997年)や『アバター』(2009年)といった大作、さらにエイフェックス・ツインのミュージックビデオなども手掛けてきた特殊メイク/スカルプター、ジョド・シェル(Jordu Schell)によるもの。最初からしっかり“見せる”ことを考えたうえで彼にデザインを依頼したのだろうし、最後まで観ればそれが大正解だったことが分かるはずだ。

また、『オンリー・ゴッド』(2013年)の日本刀カラオケ私刑おじさんでおなじみ、ヴィタヤ・パンスリンガムの出演も嬉しいところ。さすがの存在感で画面を引き締めてくれる、というか良くないことが起こりそうな気配をイッキに増幅させてしまうのはさすがだ。

『ザ・レイク』はCS映画専門チャンネル ムービープラス「YKK AP ムービープラス・プレミア」で2023年3月放送

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