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「後味悪すぎ」「観る勇気がない」メンタル破壊映画なのに傑作!? ビョーク主演『ダンサー・イン・ザ・ダーク』を4K映像でテレビ鑑賞チャレンジ

「後味悪すぎ」「観る勇気がない」メンタル破壊映画なのに傑作!? ビョーク主演『ダンサー・イン・ザ・ダーク』を4K映像でテレビ鑑賞チャレンジ
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』©ZENTROPA ENTERTAINMENTS4, TRUST FILM SVENSKA, LIBERATOR PRODUCTIONS, PAIN UNLIMITED, FRANCE 3 CINÉMA & ARTE FRANCE CINÉMA
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『ダンサー・イン・ザ・ダーク』の陰鬱ストーリー

チェコからアメリカにやってきたセルマは女手一つで息子を育てながら、工場で働いている。セルマを母のように見守る年上の親友で同僚のキャシー、何かにつけ息子の面倒を観てくれる隣人ビル夫妻、セルマに静かに思いを寄せるジェフ。様々な愛に支えられているセルマだったが、彼女には悲しい秘密があった。病のために視力を失いつつあり、手術を受けない限り息子も同じ運命を辿るのだ。

愛する息子に手術を受けさせたいと懸命に働くセルマだったが、視力の悪化によってミスが重なり、職場をクビになってしまう。しかも、コツコツと貯めていた手術代が何者かに盗まれ、それが彼女を最悪の結末へと導くことに……。

『ダンサー・イン・ザ・ダーク』©ZENTROPA ENTERTAINMENTS4, TRUST FILM SVENSKA, LIBERATOR PRODUCTIONS, PAIN UNLIMITED, FRANCE 3 CINÉMA & ARTE FRANCE CINÉMA

救済が剥ぎ取られたセピア色の世界で歌い踊る

不幸に不幸を上乗せし、ささやかな人情を地面に叩きつけるような意地の悪さ。セピアがかった手持ちカメラの粗い映像はホームビデオのようだが、その中で積み重ねられる陰鬱な気分からはなかなか抜け出せない。セルマが歌い踊る“妄想ミュージカル”だけが明るく楽しげで、感動というよりも“やるせなさ”で涙が止まらなくなる。

ビョークが彼女にしかなし得ない素晴らしい演技・歌唱を披露していて、カンヌ映画祭の主演女優賞の受賞も納得。また、カトリーヌ・ドヌーブやピーター・ストーメア、デヴィッド・モースら名優たちのおかげで、粗い映像でも安っぽさは感じさせない。ある程度“覚悟”して観れば不意打ちのショックは避けられるはずなので、ぜひ鑑賞に挑んでほしい作品だ。

『ダンサー・イン・ザ・ダーク[4Kデジタル修復版]』はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2024年3月放送

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