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新人監督のデビュー作に超豪華キャスト出演の“なぜ”を紐解く!高良健吾や佐藤浩市、椎名桔平ら集結の本格ノワール『罪と悪』制作秘話

新人監督のデビュー作に超豪華キャスト出演の“なぜ”を紐解く!高良健吾や佐藤浩市、椎名桔平ら集結の本格ノワール『罪と悪』制作秘話
©2023「罪と悪」製作委員会
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高良健吾「齊藤さんはとにかくスーパー助監督だったんです」

名だたる監督たちの元で助監督としてのキャリアを積んできた齊藤監督。念願の初監督作品は、「自分の核にあるものを、オリジナルで撮りたい」という揺るぎない想いが貫かれたものだった。

「自分の原点がどこにあるかを考えた時、18歳まで暮らした故郷の福井県に行き着きました。ずっと心の中に引っかかっていた出来事がいくつかあって、そのピースを集めていろんな色と混ぜ合わせてみたくなったんです」と企画の始まりを振り返る齊藤監督だが、当初、周囲からは「初監督作でオリジナルは無謀」だと言われのだそう。しかし「デビュー作だけは自分の故郷での物語を題材にしたかった」という信念は、最後までブレることはなかった。

齊藤勇起監督 ©2023「罪と悪」製作委員会

様々な人間の思惑が複雑に絡み合う、骨太なミステリーでもある本作。初監督&初脚本とは思えないほど緻密なストーリーテリングには、井筒和幸、武正晴、廣木隆一、入江悠という名監督らの助監督時代の経験と知識を存分に活かし、「王道のミステリーでいくなら、春ではなく刑事の晃を主人公にした方がセオリー通りだったかもしれませんが、あえてそのセオリーはずらしたかったんです」と、独特の感性でもって唯一無二の作品に仕上げてみせた。

主人公・春を演じる高良健吾とはこれまで何度も現場を共にしており、齊藤監督の中で春を演じるのは高良以外に考えられなかったという。その高良も、監督への絶大な信頼を明かす。

まだプロットもない段階から、齊藤さんのデビュー作への想いは聞いていました。齊藤さんはとにかくスーパー助監督だったんです。現場に齊藤さんがいれば僕らも安心できるし、仕切りも素晴らしくて。

©2023「罪と悪」製作委員会

さらに、映画『草の響き』の現場で親しくなったという大東駿介、映画『モンゴル野球青春記~バクシャー~』で仕事を共にした石田卓也という実力派俳優二人がメインキャストに決定。また、佐藤浩市、椎名桔平、村上淳という大ベテランたちが顔を揃えるのも、新人監督のデビュー作としては異例のこと。

作品の重厚感を底上げする豪華俳優陣たちの出演が実現し、2022年7月~8月の29日間にわたってオール福井ロケで撮影された。

©2023「罪と悪」製作委員会

「長年疑問に思っていたことの答えは、自分の中で出た気がしています」

クランクイン前から、高良、大東、石田と話し合う時間を重ねて進んでいったという齊藤監督は、現場での俳優たちとのやり取りを、こう振り返る。

あえて”本読み”というかしこまったスタイルではなく、3人と僕で”ここのセリフはちょっと言いづらそうだから変えましょうか”とか、役者さんと直でやり取りできたことは大きかったし、これこそ僕が助監督時代からずっとやりたかったことでもあったんです。乱暴な言い方をすると、現場での演出には限界がある。何回もテストを繰り返しても、結局ファーストテイクを使っていることも多い。だったら準備に時間をかけたかったし、実際イン前にいろんなことを設計できてよかったと思います。

©2023「罪と悪」製作委員会

ロケ地・福井県の地元の人々の献身的な温かいサポートにも支えられ、最初で最後のデビュー作を撮り切った監督は、本作に込めた想いと関係者たちへの感謝を強調する。

シンプルに“罪=悪”なのか? ということは、ずっと思っていた。3人がこの街で生きていくために選んだ選択肢は、本当に悪だったのか? という長年疑問に思っていたことの答えは、自分の中で出た気がしています。今は一般の人でも罪を悪と即断しがちな世の中ですが、それはやめようよという気持ちはずっとありますね。何にせよ、自分の書いたストーリーに一生懸命付き合ってくれた役者陣、スタッフ陣には感謝しかありません。観た方の記憶の片隅に残ってもらえる作品になってくれれば幸いです。

©2023「罪と悪」製作委員会

『罪と悪』は2024年2月2日(金)より全国公開

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