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『レザボア・ドッグス』のタイトルに込められた意味とは? 32年を経ても明らかにされない傑作バイオレンス映画の“謎”を「デジタルリマスター版」再上映で噛みしめる

『レザボア・ドッグス』のタイトルに込められた意味とは? 32年を経ても明らかにされない傑作バイオレンス映画の“謎”を「デジタルリマスター版」再上映で噛みしめる
『レザボア・ドッグス』© 1991 Dog Eat Dog Productions, Inc. All Rights Reserved.
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「他の人がどんな答えを伝えてくれても、それは正しい」

タランティーノは1992年、トロント映画祭での記者会見で「単に雰囲気で決めたタイトルだ。作品に合っている。それがなぜかは聞かないでくれ」と発言している。また、同年のロンドンでのインタビューではこう語っている。

『レザボア・ドッグス』の意味が何か、ということには答えられない。なぜなら、人がどう思うかを聞くのが好きだから。他の人がどんな答えを伝えてくれても、それは正しい。

たとえば「『レザボア・ドッグス』のタイトルは間違いなく『わらの犬』(原題:STRAW DOGS、サム・ペキンパー監督作)から来ている」と言われることもあれば、「“裏切者”のことだ」とか、「“RES”はRESERVE、“VOIR”はWARで、意味は“RESERVE DOGS OF WAR”だ」と言う人もいる。

いろんな人がいろんな意見を持つなかで、自分が答えを言ってしまうことで人々のクリエイティビティが失われてしまう。

『レザボア・ドッグス』© 1991 Dog Eat Dog Productions, Inc. All Rights Reserved.

また、ファンの間で最もまことしやかに囁かれている噂としては、タランティーノがビデオ店で働いていたとき、客にルイ・マルの『さよなら子供たち』(原題:Au Revoir Les Enfants』)を勧めたが、その客がタイトルを「レザボア・ドッグス」と聞き間違えたというもの。あるいはタランティーノが恋人にこの映画を勧められ、それを聞き間違えたという説もある。

さらに深読みすれば、“何かに閉じ込められた犬たち”という意味は、長年監督作発表を目指しながらもそのチャンスに恵まれず、袋小路に陥っていたタランティーノ自身を言い表している、と考えることも可能ではないだろうか。

『レザボア・ドッグス』© 1991 Dog Eat Dog Productions, Inc. All Rights Reserved.

「10本撮ったら監督業を引退する」と公言しているタランティーノは現在、その10作目を準備中だという。本当に引退するのかはさておき、一つの区切りを迎えたときタランティーノは、この絶え間ない議論に終止符を打つ答えを出すのか、出さないのか――。未来のことはわからないが、このタイトルの謎を考えながら30年ぶりの劇場公開を噛みしめることで、何かが導き出される可能性はあるだろう。そして大スクリーンでデジタルリマスター版の美麗映像からは、ロケ地や衣装など様々な“狙い”や低予算ゆえの“ほころび”を再発見することができるはずだ。

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