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マッツ・ミケルセンが語る“インディの裏側”『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』ボイド・ホルブルックとのニコニコ悪役コンビ

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ライター:#石津文子
マッツ・ミケルセンが語る“インディの裏側”『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』ボイド・ホルブルックとのニコニコ悪役コンビ
第76回カンヌ国際映画祭『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』記者会見  撮影:石津文子
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マッツ「たとえ悪役でも、演じられて幸せです」

―マッツ、あなたは“悪役を演じるために生まれてきたような俳優”と呼ばれることがありますが、あなた自身は悪役を演じるために生まれてきたと感じますか?

マッツ・ミケルセン:僕は悪人ではないですよ。なんなら証明します(笑)。ただ、アメリカではそうみたいですね。僕のアクセントのせいかもしれませんが。

アメリカでは、一度うまくいくと「またやろう」と言われがちです。同じような役を繰り返すのが嫌で、違うものをやりたい人もいるでしょう。でも、私は悪役でもなんでも、やれて幸せですよ。どんな役でも、オファーに対してはオープンにしています。それが自分の本国でも、どこの国でも。例えばフランスでもね。

―映画の冒頭、あなたが演じる若き日のフォラー(AIで若返った姿)が出てきた後に、25年後の彼を演じるというのは、ちょっと変な感じがしませんでしたか? そして、あの若い姿のフォラーは、実際に20年前のあなたに似ているなと思いますか?

マッツ:いいえ。僕が若い頃は、バスケットボールを持って飛び跳ねていたんですよ。フォラーのように真剣に集中している感じじゃなかったな。いや実際、どうなるのか気にはなったんです。撮影時の僕は56歳だったのだけれど、設定上は28歳くらい。そこで、彼ら(スタッフ)は僕の髪を真っ黒に染めたんです。まるで、森に暮らす魔法使いの老婆みたいにね(笑)。まあ、そんなふうに加工されていたというわけです。

マッツ・ミケルセン 『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』@第76回カンヌ国際映画祭
© 2023 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.

「タイムスリップできるとしたら? チンギス・ハンに会ってみたい!」

―もし可能なら、お二人はタイムスリップしますか? そして、誰に会うのでしょうか?

ボイド・ホルブルック:僕はピラミッドをどうやって作ったか? だけは知りたいな。

マッツ:過去に戻るとしても、パズルのピースを一つ変えたら、その先の可能性は1000個くらいあって、それが増殖していく。うまくいかないでしょうね。

会ってみたいのは、チンギス・ハン! 本当にカッコイイと思うんです。彼は1千万人の祖先のようなもの。とてもクールですよ。でも、いつもチンギス・ハンがとんでもない数の人を殺したりしたことを忘れてしまって、なぜか彼をカッコいいと思ってしまうんですよね。時代を遡れるのなら、本当のところはどうだったのかを知りたいし、実際に彼が何をしたのかを見てみたい。役作りのためにも、見てみたいですね(笑)。彼は本当に何をしたんだろう?

マッツ・ミケルセン 『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』@第76回カンヌ国際映画祭
© 2023 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.

―お二人それぞれ演じたキャラクターの一番好きなところはどこでしょうか?

ボイド:僕の演じたクレーバーは、あまり鋭くはないナイフという感じ。優秀な科学者であるフォラーの側で、彼の言いなりになるマッド・ドッグ。つまり間抜けなキャラクターなんですが、それを演じられるのはとても楽しいし、難しくはないだろうと思いました。まあ、ヤツは最も賢い選択をできる男ではないでしょう(笑)。

おそらく元々はドイツ人として書かれていたんでしょうが、僕がジェームズ・マンゴールド監督に「ドイツ語のアクセントで演じるのは嫌だ」と言ったんです。「もっと現代的な男、アメリカ人でもいいじゃないですか?」って。アメリカでは誰も自分を必要としてくれないから、彼のことを唯一求めてくれたフォラーに忠実になったわけです。そして必死にドイツ語を学んで、彼の一派の一員になろうと躍起になっている。

ボイド・ホルブルック 『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』@第76回カンヌ国際映画祭
© 2023 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.

マッツ:フォラーは数学に情熱を注いでいます。そして、彼はナチスの一員ではあるけれど、メインストリームではないわけです。非常に優れた科学者にとっては、科学そのものが重要であって、イデオロギーは二の次なんだと思います。でも、彼にはイデオロギーと科学が合致していたから、とても情熱的になった。インディと同じように、フォラーは世界をより良い場所にしたいという夢を持っている。でも、どうやってそこに向かうかが、インディとは異なっているんです。

『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』©2023 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.

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