フォックス、ロイドら不変キャストと続投のゴタゴタ
シリーズの監督は『ロマンシング・ストーン/秘宝の谷』、『フォレスト・ガンプ/一期一会』のロバート・ゼメキス。脚本のボブ・ゲイルは、ゼメキスの長編デビュー作『抱きしめたい』からの名コンビ。2人が駆け出しの頃、どの映画会社も引き受けてくれなかった『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を拾ってくれたのがゼメキスの恩師スティーヴン・スピルバーグだった。したがって製作は<アンブリン・エンターテインメント>が担当した。
Una foto histórica, Robert Zemeckis, Michael J. Fox y Steven Spielberg en el rodaje de "Regreso al futuro". pic.twitter.com/BYQRpsMjg7
— La batcueva del cinéfilo ?? (@brucebatman007) March 26, 2023
ゼメキスは主演のマーティ役に、当初からマイケル・J・フォックスを望んでいたものの、マイケルが人気シットコム『ファミリータイズ』のレギュラーで多忙だったため、エリック・ストルツ主演で撮影が始められた。
Eric Stoltz was the original Marty McFly in Back to the Future, but it just wasn't working out, so they fired him.
— Hollywood Horror Museum (@horrormuseum) May 13, 2023
It's fascinating seeing the footage together! pic.twitter.com/0PexLfW744
が、ゼメキスが気に入らず6週間で降板。『ファミリータイズ』と撮影がかち合わないことを条件にマイケルが演じることになった、というのは有名な話。後にマイケルは1998年にパーキンソン病であると公表し、闘病を続けながら、自ら財団を設立し難病の研究を支援している。
Michael J. Fox is 62!https://t.co/AFvrifmTGd
— Good Morning America (@GMA) June 10, 2023
ドク役のクリストファー・ロイドは、舞台出身の性格俳優で、ドク役で有名になった後も『アダムス・ファミリー』などでコミカルな役を嬉々として演じている。ただし、女性に縁の薄かったドクと違って、ロイド本人には4度の離婚歴がある。
基本的に3作を通して同じ俳優が同じ人物を演じているが、例外は父ジョージとガールフレンドのジェニファーだ。1作目でジョージを演じたクリスピン・グローヴァーは契約で揉めて降板し、『2』と『3』は背格好のよく似たジェフリー・ワイズマンに変わり、ジェニファー役のクローディア・ウェルズは母親の看病のために女優業を休業したため、エリザベス・シューに交替した。
#TriviaTuesday: After clashing with producers, Crispin Glover was replaced by a prosthetic-wearing Jeffrey Weissman as George McFly in 1989's #BackToTheFutureII, only for Glover to sue the studio and settle out of court. pic.twitter.com/bIvafOjRIS
— FilmPhonic (@FilmPhonic) October 2, 2018
兄デイヴのマーク・マクルーアと姉リンダのウェンディ・ジョー・スパーバーはゼメキスの監督デビュー作『抱きしめたい』からの常連俳優。2人はその後も俳優を続けたが、ウェンディは残念ながら2005年に癌のために亡くなった。
子役時代のイライジャ・ウッド、どこに出ていた?
3作を通して悪役ビフとその一族を演じ分けて演技の上手さを見せつけたトーマス・F・ウィルソンだが、当初ビフ役にはJ・J・コーエンが内定していた。ところがマーティ役がエリック・ストルツ(身長180cm)に決まったため、ストルツより背の高いウィルソン(189cm)に役が回ってきた。
その後、ストルツよりずっと背の低いマイケル・J・フォックス(164cm)に交替したものの、ウィルソンはそのまま残った(コーエンはビフの手下のスキンヘッド役に)。ウィルソンはその後もテレビを中心に、俳優、声優、脚本、プロデューサーなどで活躍する一方、写真や絵画にも才能を発揮している。
特別出演は第1作のオーディション場面で審査員を演じたヒューイ・ルイス(メガホンで怒鳴る先生)。『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』の2015年のカフェで、マーティがビデオ・ゲームをするのを見ている少年(赤いシャツ)が幼いイライジャ・ウッドだ。このときカフェで流れている「今夜はビート・イット」を歌ったマイケル・ジャクソンが2009年に亡くなっていることを思うと、時の流れの速さと儚さを感じる。
Back to the Future Part II is up next at 1.20pm.
— Film4 (@Film4) April 25, 2020
Look out for a cameo from @elijahwood! pic.twitter.com/htZkJJAULC
文:齋藤敦子
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』3部作(字幕版・地上波吹替版)はCS映画専門チャンネル ムービープラス「バック・トゥ・ザ・フューチャー イッキ観!」で2023年6~7月放送