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ネット世界の描写がヤバい! ディズニープリンセスも思わず荒ぶる『シュガー・ラッシュ:オンライン』

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ライター:#BANGER!!! 編集部
ネット世界の描写がヤバい! ディズニープリンセスも思わず荒ぶる『シュガー・ラッシュ:オンライン』
『シュガー・ラッシュ:オンライン』©2018 Disney. All Rights Reserved.
年季の入ったゲーセンでかろうじて稼働していたレトロゲームのキャラクターたちが大暴れする『シュガー・ラッシュ』が、舞台を“インターネット”に変えて帰ってきた! 終わりのない広大な世界で、ネットのネの字も知らないラルフとヴァネロペを待ち受けているものとは!?

bitゲームのキャラが迷宮のようなネット世界に迷い込む!

『シュガー・ラッシュ:オンライン』©2018 Disney. All Rights Reserved.

「誰にも愛されない」と嘆くレトロゲームのお邪魔キャラ・ラルフと、レースゲームの天真爛漫なヒロイン・ヴァネロペとの友情を描き、世界中の映画/アニメファン(とレトロゲーファン)の涙を搾り取った名作アニメ『シュガー・ラッシュ』(2012)の続編、『シュガー・ラッシュ:オンライン』(2018)が絶賛公開中だ。

『シュガー・ラッシュ:オンライン』の物語は、その名のとおりインターネット世界が舞台になる。主人公はもちろんラルフとヴァネロペ。予告編が公開されるや「ゲーセンが主戦場のbitゲームキャラがネット世界に!?」と、その風呂敷の拡げっぷりにファンの期待は高まりまくった。

まず、そんな期待を大きく上回るアッパーなネット描写に良い意味でびっくりさせられるはず。いわゆる「攻殻機動隊」みたいなサイバーパンク的ビジュアルではなく、GoogleやAmazon、Facebook、YouTube、Twitter、Snapchat、IMDb、あとMyspaceとか、とにかくお馴染みの大手WEBサービスが、林立するビル群としてカラフルに可視化されたネット世界は、まるでハイになった人が見た幻覚みたいで超楽しそう!

しかも劇中、マクガフィン的なキーアイテムをゲットするべく2人が真っ先に向かうのはeBay(ネットオークション)! ディズニーとはいえ無数の許諾にどれほどの労力を費やしたか考えただけでクラクラしてくる。ともあれ、ダークネットなど違法取引の温床となっている側面もスルーせずに描いている点は(情操教育的にも)GJだと思う。

プリンセスだよ全員集合! ディズニーの底力を見よ

本作の見どころといえば、続々ディズニー入りする豪華キャラクターたちのカメオ出演! ……も捨てがたいが、やはりディズニープリンセス集合シーンの衝撃には敵わない。シンデレラ、白雪姫、アリエル(リトルマーメイド)、ジャスミン(アラジン)、オーロラ姫(眠れる森の美女)、ベル(美女と野獣)、さらにラプンツェルやムーランやポカホンタス、新しいところではアナとエルサのアナ雪コンビ、モアナ、メリダ(ピクサーからの出向!)などなど、歴代のプリンセス14名が一堂に会するのだ。

もはやディズニーのオフィシャルサイト<Oh My Disney>の全力プロモ的な様相だが、ちょいちょいマニアックなネタを投稿したりするサイトなので、ついに本領発揮といったところかもしれない。当然ちびっこは(プリンセス過多による失神レベルで)喜ぶだろうし、例の“人をダメにするソファ”でチルする私服姿のシンデレラ(しかもガラスの靴をビール瓶感覚で割って凶器にする)も確かに激レアである。

中でも“プリンセスあるある”シーンは間違いなくハイライトの一つだ。ほとんどDVシチュエーションみたいなプリンセスあるあるに対し、ヴァネロペが「え、大丈夫!? 警察呼ばなきゃ」とか言ってドン引きする展開は爆笑必至。意外といちばん常識的なプリンセスはヴァネロペなのかも。

ちなみに着ている私服(というか部屋着)も、それぞれのプリンセスにちなんだ小ネタが仕込まれているのでお見逃しなく。あと『スター・ウォーズ』のディズニー入り=レイアもディズニープリンセスなのか? という疑問については……ちょっと分からないですごめんなさい。

保守派のラルフと革新派のヴァネロペ……価値観の相違が二人を苦しめる

慣れない世界で右往左往するラルフとヴァネロペをサポートするのは、検索エンジンを司る先走りオヤジ・ノウズモアや、動画サイトのアルゴリズム・イエスなど個性的な面々。ゲームキャラは分かるけど検索エンジンとアルゴリズムの擬人化って! とはいえ、ウザいポップアップ広告を繁華街のキャッチ風キャラに置き換えたり、「いいね!」システムを物理的に可視化したみたいな描写は、ネットネイティブ世代の子どもたちなら当たり前のようにやっていることなのかもしれない。

そしてターニングポイントとなるのは、スゴ腕レーサー・シャンクとの出会いだ。彼女が仕切っているのは、いわゆる「グランド・セフト・オート」みたいなオープンワールドゲーム「スローター・レース(訳:虐殺レース)」。しかし、抜群のドライビング・テクで挑戦者たちと激しいレースを繰り広げているシャンク(姉御肌のめちゃくちゃ良い人)と、何が起こるかわからない超物騒なゲーム性に、案の定ヴァネロペがトキメいてしまったものだからさあ大変。「俺たち今のままで十分楽しいじゃん! 元の世界に帰ろうぜ!!」という考えのラルフとは徐々に意見がすれ違っていく。

そもそもラルフはドンキーコングに人間性を足したような奴(言い過ぎ)なので考え方もシンプルなのだが、ヴァネロペはもう少し現実的かつ変化を求める女の子で、その凸凹っぷりゆえに二人は親友だったのだ。しかし“基本的に何でもアリ”なオープンワールドに迷い込んだことで関係性に歪みが生じ、やがてラルフの行動が広大なネット世界を破壊しかねない大惨事を引き起こしてしまう。

果たしてラルフとヴァネロペの友情はどうなってしまうのか? 二人はゲーセンに戻ることができるのか? それは劇場で確かめてもらうとして、一つだけ言っておきたいのは……ラルフが『AKIRA』(1988)の鉄雄みたいになります! これは怖い!!

『シュガー・ラッシュ:オンライン』は2018年12月21日(金)より全国公開中

 

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