追悼:チャック・ノリス
世界的な武道家であり、アクション映画のアイコンとして知られるチャック・ノリス氏が、滞在先のハワイで家族に見守られながら息を引き取った。享年86。家族が発表した声明によると、突然の別れであったものの、その最期は非常に安らかだったという。
米空軍を退役後に空手道場を開き、輝かしいタイトルを多数獲得したノリス。空手を指導したスティーヴ・マックィーンの勧めで俳優に転身してからは親交のあったブルース・リーと度々協働し、『ドラゴンへの道』(1972年)で堂々共演を果たす。
リアルタイムで活躍を追ってきた往年のファンはご存知と思うが、アラフォー以降世代の映画ファンにとって“気づいたときにはアクションスターだった”ノリスは、俳優としてはドサ周りの売り込みで成功を掴んだ苦労人。そして80年代に『地獄のヒーロー』をヒットさせると、90~00年代にはTVドラマ『炎のテキサス・レンジャー』シリーズでアクションスターとしての地位を確立した。
多くのスター俳優と同じくノリスもキャリアの低迷期はあったが、たまたまインターネット黎明期だったことで「チャック・ノリス・ファクト」なる大喜利的ミームの拡散によって世界的な知名度を維持するという奇跡が発動。それが復帰後のキャリアを支えることにもなり、その愛されぶりも含めてまさにレジェンドと呼ぶべき存在であった。
この度の突然の訃報を受け、世界中のファンから感謝と哀悼の声が多く寄せられている。ノリスの代表作や近年の出演作を配信で鑑賞し、改めて彼の切れ味鋭いアクションを目に焼き付けよう。
『チャック・ノリスの地獄の復讐』(1982年)
カジノの用心棒をしながら気ままな生活をしていたジョシュア。しかしある日、雇い主であり友人でもあったカジノの経営者親子がマフィアの手によって殺されてしまう。彼らの死を不審に思ったジョシュアは、一人で捜査を開始。しかし、次第に真相に迫っていく彼にマフィアの魔の手が伸びようとしていた……。
『地獄のヒーロー』(1984年)
ベトナム戦争で7年間に及ぶ捕虜生活を経験し、10年前に脱出したブラドック大佐。終戦後、米兵捕虜が生存しているとの情報を確かめるべく、政府調査団と共にホーチミンへと向かう。現地で確実な証拠を掴んだ彼は、タイで再会した闇社会の顔役である旧友タックと共にジャングルの奥地へ潜入。残された仲間を救い出すため、宿敵トラウ将軍が支配する収容所で命懸けの救出作戦を敢行する。
『デルタ・フォース』(1986年)
1980年、悲劇的な事故により米軍特殊部隊「デルタ・フォース」を去ったマッコイ。その5年後、ハイジャックされた旅客機がベイルートへ強行着陸し、多数の乗客が人質となる事件が発生する。未曾有の危機を前に、マッコイは部隊への復帰を決意。ハイテク兵器を駆使しテロリストに占拠された敵地へと潜入した精鋭たちは、最悪の状況下で命懸けの救出作戦を開始する。