ツェッペリンのライブ映画をTVで観る!
ロックの歴史を塗り替えた伝説のバンド、レッド・ツェッペリン。1970年代当時、ほとんどテレビに出演しなかった彼らの貴重なパフォーマンスを記録した映画が、『レッド・ツェッペリン 狂熱のライヴ』(1976年)だ。
『レッド・ツェッペリン 狂熱のライヴ』© 1976 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
“世界一のロックバンド”と称されるツェッペリンにとって、単なる公演地以上に深い「日本との絆」が今ふたたび、ネット上でジワリと話題を集めている。なぜ今、ツェッペリンなのか? なぜ彼らと日本の関係が、凄惨な戦争の記憶と共に語られるのか?
ライブ映画『狂熱のライヴ』のTV放送を目前に控えた絶好のタイミングということで、その深い絆を改めて振り返ってみたい。
『レッド・ツェッペリン 狂熱のライヴ』© 1976 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
1971年、初来日公演…メンバーが涙した戦争の記憶
レッド・ツェッペリンと日本の関係を語る上で欠かせないのが、1971年9月の初来日公演だ。なかでも9月27日の広島公演は、ロック史にひとつの金字塔を打ち立てた。当時の公式記録や報道によれば、この広島公演はメンバーたっての希望により、被爆者支援のためのチャリティとして開催された。
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その背景には平和記念公園の存在がある。公演前に平和記念資料館を訪れ、原爆ドームの前に立ち、あの戦争兵器がもたらした甚大な被害を目の当たりにしたメンバーは言葉を失い、涙を流したという。さらに公演の純益金(約700万円)を被爆者援護のために広島市へ寄付。ジミー・ペイジは2015年にも広島を訪れ、原爆慰霊碑に献花している。
『レッド・ツェッペリン 狂熱のライヴ』© 1976 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
1973年、絶頂期のパフォーマンスを封じ込めた映画『狂熱のライヴ』
今回、CS映画専門チャンネル ムービープラスで放送される『レッド・ツェッペリン 狂熱のライヴ』は、広島公演から2年後の1973年、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで行われた3夜にわたる公演を記録したものだ。単なるライブ記録にとどまらない、まさに「世界の頂点」にいた時期の彼らの姿が収められている。
『レッド・ツェッペリン 狂熱のライヴ』© 1976 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
ライブ映像の合間に挿入される、各メンバーの内面を映し出すような幻想的なシークエンスも本作の大きな魅力だが、見どころは枚挙にいとまがない。ジミー・ペイジがヴァイオリンの弓でギターを奏でる「幻惑されて」、ジョン・ボーナムが魂を叩きつける「モビー・ディック」の長尺ドラムソロ、そして静謐なイントロから怒涛のクライマックスへと展開する「天国への階段(Stairway to Heaven)」のフル演奏――。スタジオ録音盤では味わえない視覚を伴う”ライブ体験”は、半世紀を経た今なお圧倒的だ。
『レッド・ツェッペリン 狂熱のライヴ』© 1976 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
この映画をテレビで観ることによって、1973年のMSG連続公演の観客が共有していた熱狂と高揚感を、少しだけ体験できるかもしれない。ロックファンか否かに関わらず、今さら「知らない」なんて言えない伝説の巨人が駆け抜けた黄金時代の輝きを、ぜひ目撃してほしい。
『レッド・ツェッペリン 狂熱のライヴ』© 1976 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
『レッド・ツェッペリン 狂熱のライヴ』はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2026年3月放送