ジャッキー・チェン頼み「じゃない」中国アクションの本気が炸裂した超快作『シャドウズ・エッジ』見どころ解説
ジャッキー・チェン×レオン・カーフェイの濃厚な心理戦
物語の中盤まではホワン指揮下による追跡パートをじっくり見せる一方、血縁のない家族でもある強盗団内部の絆や軋轢を描くことで、単純な勧善懲悪のストーリーではないことを強調。そのうえで善悪双方の人間ドラマに深みを持たせ、同時に多くの観客が期待しているであろうジャッキーの“瞬殺”ぶりをチラ見せすることでテンションをキープ。おまけにマカオらしい雑多なロケーションでもワクワクさせてくれる。
『シャドウズ・エッジ』© 2025 IQIYI PICTURES (BEIJING) CO., LTD. BEIJING ALIBABA PICTURES CULTURE CO., LTD. BEIJING HAIRUN PICTURES CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED
全盛期のような派手なアクションが難しくなったジャッキーを主演に、いかにしてスリリングな捕物アクションを成立させるか? 個性豊かな若手たちの身体能力をフル稼働させたうえで、代え難い“圧”を持つベテラン勢が巧みににコントロールしていく説得力。ジャッキーとレオンの心理的攻防戦は見た目こそ地味だが、口から心臓が飛び出そうなほどの緊張感だ。
『シャドウズ・エッジ』© 2025 IQIYI PICTURES (BEIJING) CO., LTD. BEIJING ALIBABA PICTURES CULTURE CO., LTD. BEIJING HAIRUN PICTURES CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED
2025年の締めくくりに映画館でジャッキーを
警察と犯罪者、近くて遠い二つの“家族”が一つの事件によってじわじわと交差し、不思議な共鳴を見せつつ激しくぶつかり合う――。最新の中国アクションが見せる決死の追いかけっこは『ミッション・インポッシブル』も顔負け。『るろうに剣心』(2012年)や『ジョン・ウィック』(2014年)以降の多人数~狭小バトル等のトレンドも取り入れつつ、そしてクライマックス級の壮絶バトルシーンを折り返し地点に、まさかの血みどろ&号泣ノワール展開に突入する……!
『シャドウズ・エッジ』© 2025 IQIYI PICTURES (BEIJING) CO., LTD. BEIJING ALIBABA PICTURES CULTURE CO., LTD. BEIJING HAIRUN PICTURES CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED
衝撃展開の連続で最後の最後まで予想を裏切り、観客の感情を揺さぶり続ける本作。ゼロ年代以降のダウナー気味な渋ジャッキーが大好物という人は必見の“血の匂い”がする格闘バイオレンスでもあり、ぜひ2025年の暮れに映画館でじっくり腰を据えて観たい快作だ。もちろんNG集(&超意味深なポスクレ)もあるよ!
『シャドウズ・エッジ』© 2025 IQIYI PICTURES (BEIJING) CO., LTD. BEIJING ALIBABA PICTURES CULTURE CO., LTD. BEIJING HAIRUN PICTURES CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED
『シャドウズ・エッジ』は12月12日(金)より全国公開
『シャドウズ・エッジ』
ネオンに彩られたマカオ。華やかな街の裏側では、正体不明のサイバー犯罪集団が暗躍していた。警察はなす術もなく、一線を退いた追跡のエキスパート・黄徳忠(ジャッキー・チェン)に頼ることに。彼は若き精鋭たちとチームを組み、最新テクノロジーと旧式の捜査術で、犯罪集団を追い始める。辿り着いたのは、“影”と呼ばれる指名手配犯の元暗殺者(レオン・カーフェイ)。彼を首領とした犯罪集団は、巧みな変装と高度なコンピュータ技術を駆使し、警察の追跡をかわしていく。そして、追跡から15日目。ついに警察は“影”の居場所の特定に成功。しかし、彼らを待ち受けるのは、最悪の罠だった……。
監督:ラリー・ヤン
出演:ジャッキー・チェン、チャン・ツィフォン、レオン・カーフェイ、ツーシャー、ジュン(SEVENTEEN)
| 制作年: | 2025 |
|---|
2025年12月12日(金)より全国公開