残虐アイデアと壮絶バイオレンス満載 インド産アクションの新たな傑作『KILL 超覚醒』見どころ解説
11月14日(金)より公開のインド発アクション映画『KILL 超覚醒』がスゴい。とにかくスゴい。紋切り型のアクションに食傷気味な映画ファンにぜひスクリーンで観ていただきたい、残虐なアイデアとバイオレンス描写が詰まった快作だ。
『KILL 超覚醒』© 2024 BY DHARMA PRODUCTIONS PVT. LTD. & SIKHYA ENTERTAINMENT PVT. LTD.
米リメイク決定にも納得!『KILL 超覚醒』
監督のニキル・ナゲシュ・バートが自身の実体験(※詳細は公式サイトを要参照)をベースに構想を練ったという本作の舞台となるのは、インド東部ジャールカンド州から首都ニューデリーへの約1200キロのルートを疾走する特急寝台列車。そこに偶然乗り合わせた特殊部隊の最強戦士と、総勢40人の最凶強盗団一族との死闘を約1時間40分で描き切る。
『KILL 超覚醒』© 2024 BY DHARMA PRODUCTIONS PVT. LTD. & SIKHYA ENTERTAINMENT PVT. LTD.
『ジョン・ウィック』シリーズ(2014年~)の監督チャド・スタエルスキのプロデュースでハリウッド・リメイクも決定しているという本作だけに、デヴィッド・リーチ監督の『ブレット・トレイン』(2022年)のようなシチュエーションや『オールド・ボーイ』(2003年)以上の狭小空間バイオレンス、『ドライヴ』(2011年)を彷彿させる残虐描写などなどを凝縮したような仕上がり。一切の誇張なく、世界中のアクション映画ファンを釘付けにするだけの熱量とインド映画の底力が宿っている。
『KILL 超覚醒』© 2024 BY DHARMA PRODUCTIONS PVT. LTD. & SIKHYA ENTERTAINMENT PVT. LTD.
呼吸も忘れるほどのスリル! 1時間半に詰め込まれた巧みな演出
本作は、じつは主人公が特殊部隊員で……というネタバラシを途中で挿入するのではなく、がっつり冒頭から描くことで本編=アクションのテンポを崩さない構成がスマート。1時間半強というインド映画としてはかなりタイトな尺を実現した。
『KILL 超覚醒』© 2024 BY DHARMA PRODUCTIONS PVT. LTD. & SIKHYA ENTERTAINMENT PVT. LTD.
そして“前フリ全開”のロマンスシークエンスを挟みつつ、他の乗客とのやり取りも描くことで感情移入ポイントを配置。ちょっとした瞬間に治安の悪さをにおわせるあたりも巧みで、じわじわと不穏な空気を高めていく。
『KILL 超覚醒』© 2024 BY DHARMA PRODUCTIONS PVT. LTD. & SIKHYA ENTERTAINMENT PVT. LTD.
そんな冒頭から10分ちょっとで早々にバイオレンスシーンに移行し、悪人たちの企みがサクサクと列車内で進行。恋人とその家族を守りつつ、しかし友人を人質に取られたアムリトは難易度MAXのミッションに挑むことになる。
『KILL 超覚醒』© 2024 BY DHARMA PRODUCTIONS PVT. LTD. & SIKHYA ENTERTAINMENT PVT. LTD.
『KILL 超覚醒』
ラーンチー発ニューデリー行きの特急寝台列車が、40人の武装強盗一族に襲撃された。刀を振りかざし、乗客から根こそぎ金品を奪う一味の強欲なリーダー、ファニは、大富豪タークルとその娘トゥリカに目をつけ、身代金目的の誘拐をもくろむ。しかしこの列車には、トゥリカと永遠の愛を誓い合った対テロ特殊部隊の隊員アムリトも乗り合わせていた。軍隊仕込みの格闘術でトゥリカとその家族を救出したアムリトは、圧倒的に数で勝る敵との全面戦争になだれ込んでいく。やがてノンストップで走り続ける列車内は阿鼻叫喚の地獄と化し、誰にも想像しえない事態へと突き進んでいくのだった……。
監督・脚本:ニキル・ナゲシュ・バート
出演: ラクシャ ターニャ・マニクタラ ラガヴ・ジュヤル ほか
| 制作年: | 2024 |
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2025年11月14日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開