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冷戦下の恐怖政治を⽣き抜いた⼥性監督とは?デジタルリマスターで復活『メーサーロシュ・マールタ監督特集 第2章』ほか注目上映続々

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ライター:#BANGER!!! 編集部
冷戦下の恐怖政治を⽣き抜いた⼥性監督とは?デジタルリマスターで復活『メーサーロシュ・マールタ監督特集 第2章』ほか注目上映続々
『日記 子供たちへ』©National Film Institute Hungary - Film Archive

アニエス・ヴァルダ、ウェス・アンダーソン、デヴィッド・フィンチャー……錚々たる名監督を魅了し、世界中の映像作家に多⼤な影響を与えてきた名匠たちの作品が、この冬、デジタルリマスター版で続々公開される。

『日記 愛する人たちへ』©National Film Institute Hungary – Film Archive

なかでもオススメのラインナップは、ハンガリーを代表する⼥性監督メーサーロシュ・マールタ監督の特集上映、フランス映画史に刻まれるアルベール・ラモリス監督の『⾚い⾵船 4K』、そして“ヴィジュアルの魔術師”ことターセム・シン監督によるカルト的ファンタジー『落下の王国4K デジタルリマスター』

世界の映像史を彩ってきた3 ⼈の名匠たちの傑作の映像美を、ぜひスクリーンで堪能しよう。

『メーサーロシュ・マールタ監督特集第2章』©National Film Institute Hungary – Film Archive
『赤い風船4K』『⽩い⾺』© Copyright Films Montsouris
『落下の王国4K デジタルリマスター』©2006 Googly Films, LLC. All Rights Reserved

『メーサーロシュ・マールタ監督特集 第2章』

11月14日(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開

2023年に開催された第1弾に続く、メーサーロシュ・マールタ監督の第2弾特集上映。冷戦下の恐怖政治を⽣き抜いたメーサーロシュ⾃⾝の記憶が刻まれたパーソナルな⼀⼤叙事詩『⽇記』三部作のほか、必見作を厳選して上映する。

『日記 父と母へ』©︎National Film Institute Hungary – Film Archive

ほかラインナップは、孤児として育った⼥性が両親を追い求めるデビュー作『エルジ』、中年の危機に瀕した未亡⼈の息苦しさをシスターフッド的に描破した『⽉が沈むとき』、階級格差が男⼥の結び付きを蝕む『リダンス』など彼⼥の作家性が際⽴つ初期作品のほか、アンナ・カリーナを共演に迎え、⾎の繋がらない男と少⼥の、親⼦のような親密さにカメラが向けられた中期の傑作『ジャスト・ライク・アット・ホーム』など。

『エルジ』©National Film Institute Hungary – Film Archive

メーサーロシュ・マールタの⽬を通した<家族>の形、有様が問い直される珠⽟の作品群が新たにレストア。アニエス・ヴァルダに⾄っては⾃⾝の映画制作の参考にしたことを明かすなどその影響は計り知れず、“東欧の奇跡“との呼び声も⾼い貴重なラインナップが⽇本に初上陸する。

『リダンス』©National Film Institute Hungary – Film Archive

『⾚い⾵船 4K』

11月14日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開

アルベール・ラモリス監督の『⾚い⾵船』はアカデミー賞®脚本賞をはじめ、第9回カンヌ国際映画祭短編パルム・ドール賞、1956年度ルイ・デリュック賞を受賞した名作。

『赤い風船4K』© Copyright Films Montsouris

本作は、アンドレイ・タルコフスキー、キャメロン・クロウ、侯孝賢、ウェス・アンダーソン、デミアン・チャゼルなどの名監督たちが本作から影響を受け映画を製作し、オマージュを捧げていることで知られている。また、円⾕英⼆、⼿塚治⾍、⿊澤明、フランソワ・トリュフォー、ミランダ・ジュライ、ミシェル・ゴンドリーなど錚々たる監督や漫画家、アーティストらが本作をベスト作品のひとつとして挙げるなど、今なお多くのクリエイターたちの⼼を捉えて離さない伝説の作品が4Kで蘇る。

『白い馬4K』© Copyright Films Montsouris

<映像詩⼈アルベール・ラモリスの知られざる世界>では『⾚い⾵船4K』のほか、少年と美しい⽩い⾺との交流を描き1953年度ジャン・ヴィゴ賞受賞した『⽩い⾺』、そして⽇本劇場初公開となる『⼩さなロバ、ビム 4K』、『素晴らしい⾵船旅⾏ 4K』、『フィフィ⼤空をゆく 4K』の上映も決定している。

『落下の王国4K デジタルリマスター』

11月21日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下、グランドシネマサンシャイン池袋ほか公開

2008年の⽇本公開を最後に、⻑らく配信されることもなく“幻の名作”として語り継がれてきたカルト的ファンタジー『落下の王国』。2000年の『ザ・セル』で世界を驚嘆させた“映像美の魔術師”ターセム・シン監督が、構想26年、撮影4年の歳⽉をかけて完成させた⾄⾼のビジュアル叙事詩が、ついに4Kデジタルリマスター版として蘇った。

『落下の王国4K デジタルリマスター』©2006 Googly Films, LLC. All Rights Reserved

今回のリマスターでは、劇場公開版で未収録だったシーンを新たに追加、より深く物語世界へと没⼊できる仕上がりに。CG に頼らず、13の世界遺産を含む24ヵ国以上を実際に旅して撮影された圧巻の実写映像が、現実と幻想のあわいを鮮烈に描き出す。

さらに、アメリカ映画界を代表するデヴィッド・フィンチャーとスパイク・ジョーンズという⼆⼤巨匠が、盟友ターセムの壮⼤な⾃主製作への挑戦を⽀えたことでも知られる、渾⾝の映像体験がここに誕⽣。

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