なぜマッチングアプリ界隈で殺人事件まで起こっているのか?某有名マチアプ立ち上げた女性CEOのキャリアが映画化
ディズニープラスのスターで独占配信中
© 2025 20th Century Studios
マチアプ大国で成功を収めた若き女性CEOのキャリア
そんなバンブルの創業者で元CEO、ホイットニー・ウルフのサクセスストーリーから着想を得た映画『スワイプ:マッチングの法則』が、ディズニープラスで独占配信中。ホイットニー役を『ベイビー・ドライバー』『パム&トミー』のリリー・ジェームズが演じ、ダン・スティーヴンスやクレア・デュヴァル、ジャクソン・ホワイトらが共演に名を連ねる。
『スワイプ:マッチングの法則』© 2025 20th Century Studios
本作は、いまやマチアプでは当たり前の機能となった“左右スワイプ”誕生秘話や、若年ユーザーを集める秘策などなど、ティンダー開発の過程を小気味よく描写。リサーチとプロモーションを兼ねて大学を訪れたホイットニーたちが、フラタニティ(男子学生)とソロリティ(女子学生)にアプリを広めていく序盤のシークエンスは、きわめて下世話ながら最高に面白い。
『スワイプ:マッチングの法則』© 2025 20th Century Studios
しかしホイットニーをめぐる状況は、いかにもテック系スタートアップらしいあからさまな男尊女卑シチュエーションへと堕ちていく。そこがこの映画の本質でもあるわけで、彼女があらゆる手柄を横取りされ、女性社員や女性ユーザーへの“トキシックな事実”にドン引きし、恋人や男性社員からのモラハラ/セクハラに追い詰められ、ついにティンダーを離脱し(辞めさせられ)てからが本番。リリー・ジェームズの鬼気迫る演技は見事で、最大の見所の一つでもある。
『スワイプ:マッチングの法則』© 2025 20th Century Studios
ドラマシリーズでなかったことが勿体なく感じるほど掘りがいのあるテーマだけに、やや性急な展開がちょっと残念ではある(マイハラ・ヘロルド演じるティシャとの絡みはハイライトの一つだ)。逆に言えば配信作品として気軽に観ることができる、ヘビーになりすぎないリベンジものとしての展開は長所でもあるだろう。
史上最年少の31歳にして自力で億万長者となり、州法にも大きな影響を与えたホイットニー。本作を“女性版『ソーシャルネットワーク』”などと安易に例えることはできないが、根深い男女格差やマチアプの今後についてもぐっと考えさせられる力作だ。
『スワイプ:マッチングの法則』© 2025 20th Century Studios
『スワイプ:マッチングの法則』はディズニープラスのスターで独占配信中