「北斗の拳」「力王」パロディかと思いきや?予想を裏切る大快作『ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝』
『ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝』ついに公開
アクション映画ファンが拳を握りしめながら待っていた異形の一作『ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝』 が、ついに9月19日(金)より全国公開となる。
聴覚と声を失った青年“ボーイ”が、家族を殺した独裁者ヒルダ・ヴァンデルコイとその一族への復讐に挑む姿を描く本作。主演は『IT/イット』シリーズで怪演を見せたビル・スカルスガルド、監督は長編映画初挑戦のモーリッツ・モール、そして製作は『スパイダーマン』三部作のサム・ライミが務める。
『ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝』© 2023 Boy Kills World Rights, LLC All rights reserved.
物語自体は地獄、でもポップでエグいアクションが最高に楽しい
物語の舞台は、資本主義を煮詰めたような独裁ディストピア世界。年に一度の粛清(公開処刑)イベントが行われる全体主義国家で、その様子はテレビ中継される。かつて少年ボーイの家族も粛清の犠牲となり、彼は怪しいシャーマンに拾われ、超スパルタで格闘スキルを仕込まれながら育った。
『ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝』© 2023 Boy Kills World Rights, LLC All rights reserved.
青年ボーイは終始“無言”なのだがムッツリ地味男というわけではなく、頭の中ではテンション高めに一人語りしている。これは自分の声を忘れてしまったボーイが幼少期に遊んだ格闘ゲームの記憶から作り出したイケボ、という設定(声優のH・ジョン・ベンジャミンが担当)。そのため、とくにアクションシーンでは「ラウンドワン、ファイト!」とか「フェイタリティ!」などとゲームネタで饒舌になる。
『ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝』© 2023 Boy Kills World Rights, LLC All rights reserved.
記憶に新しいところでは2022年のジョン・ウー監督作『サイレントナイト』でジョエル・キナマンが声なき主人公の悲壮な復讐劇を演じていたが、本作は舞台設定が地獄なわりに物語としては全体的にポップ。言い方を変えれば“アゲ方向に狂って”いて、サム・ライミが気に入った理由がよく分かる。作品全体のキモであるアクションシーンも、激しい格闘戦から残酷な切り株ショット、銃火器による虐殺、めちゃくちゃ痛そうなキッチン凶器バトルなどなどバラエティ豊かだ。
『ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝』© 2023 Boy Kills World Rights, LLC All rights reserved.
アクロバティックかつコミカルな格闘シーンを手がけたのは、数々のハリウッド大作に参加してきたファイト・コレオグラファー(アクション振付師)のダヴィド・シャルタスキ。彼は中ボス的な敵キャラの一人として出演もしていて、ノリノリで(エグ目の)やられっぷりを自ら披露してくれているので要注目だ。
『ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝』© 2023 Boy Kills World Rights, LLC All rights reserved.
『ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝』
文明が崩壊した終末世界。狂気の女帝ヒルダ・ヴァンデルコイが支配する腐敗王朝のもと、少年〈ボーイ〉は家族を虐殺され、声と聴覚を失う。絶望の中で彼を導いたのは、幼い頃に夢中になったゲームの主人公の“内なる声”。その声に突き動かされ、謎の男シャーマンのもとで地獄の修行に身を投じた彼は、沈黙の殺戮者へと覚醒。そして年に一度の“粛清の日”ついに復讐の時が来る――。
製作:サム・ライミ
監督:モーリッツ・モール
脚本:タイラー・バートン・スミス
出演: ビル・スカルスガルド
ジェシカ・ローテ、ミシェル・ドッカリー、ブレット・ゲルマン
イザイア・ムスタファ、ヤヤン・ルヒアン、アンドリュー・小路
シャールト・コプリー、H・ジョン・ベンジャミン、ファムケ・ヤンセン
| 制作年: | 2025 |
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2025年9月19日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開