「必ず助ける」という仲間たちの約束を信じて……
深海での孤立は、想像を絶する恐怖を呼び起こします。
仲間の声も届かず、助けを呼ぶ術もなく、ただ自分の呼吸音だけが静かに響く世界。
ひと呼吸ごとに酸素は減っていき、希望の光はますます遠のいていく……。
クリスは新居に引っ越してきたばかり。
結婚を約束した婚約者もいて、無事に帰れば幸せな未来が待っています。
だからこそ、その先に訪れる過酷な運命との対比が、よりいっそう胸を締めつけるのです。
じわじわと死が迫る絶望の中で、クリスは何を思い、何にすがるのか。
彼が深海に取り残される直前、仲間と交わしたのは「必ず助ける」という、たったひとつの約束でした。
『ラスト・ブレス』©LB 2023 Limited
残された酸素はわずか10分。
暗闇と沈黙が支配する深海で、全身を押し潰すような圧力に晒されながら、
クリスを支えるのは、その言葉だけ。
絶望の淵にありながらも、かすかな希望の灯が彼の心に燃え続けます。
その約束を胸に刻んだ潜水士デイヴは、危険を承知のうえで再び荒れ狂う深海へと身を投じます。
クリスの命を救おうと深海に挑むのは、デイヴだけではありません。
長年の経験と知識を持つベテラン潜水士・ダンカン、
作業全体を統括し冷静な判断を下す監督官・クレイグ、
そして船を操りチーム全員の命を預かる船長・アンドレ。
それぞれが立場や役割を超えてひとつの目的に向かい、
絶望の淵にいるクリスを救うため、危険を承知で身を投じていきます。
『ラスト・ブレス』©LB 2023 Limited
深海という苛烈な環境の中では、ほんの小さな判断の誤りが仲間全員の命を奪いかねません。
それでも彼らは、仲間を見捨てることなく最後まで信じ合い、力を合わせて救出に挑みます。
そこで描かれるのは、単なる救助劇ではなく、
極限状況における人間の勇気、絆、そして希望の物語にほかなりません。
すべてを奪い去る暗黒の海に立ち向かうデイブの姿は、人間の勇気と覚悟そのもの。
彼らを結ぶ「約束」が、極限の環境で唯一無二の力となり、観客の胸を強く打ちます。
果たしてデイヴは、クリスとの約束を果たすことができるのか――。
『ラスト・ブレス』©LB 2023 Limited
ただ観るだけでなく、観客自身が体験する映画
深海という逃げ場のない舞台で描かれるのは、
命の危機に直面した人間が最後まで信じ抜いた「約束」と、
絶望の中でなお灯り続ける「希望」の物語です。
光の一切届かない深海で交わされた言葉が、
人を動かし、仲間をつなぎ、生きる力へと変わっていく。
その姿は観る者の心を強く揺さぶり、やがて「大切な人を守りたい」という普遍的な想いへとつながっていくでしょう。
『ラスト・ブレス』©LB 2023 Limited
深海という極限環境で繰り広げられる人間ドラマは、
実際の出来事をもとに描かれるからこそ、よりリアルに、そして重く心に迫ってきます。
『ラスト・ブレス』は、ただ観るだけではなく、観客自身が体験する映画です。
ぜひ映画館で、その息が詰まるような緊張感と、胸を震わせる感動を体ごと味わってください。
『ラスト・ブレス』は9月26日(金)より新宿バルト9ほか全国ロードショー
『ラスト・ブレス』
潜水支援船のタロス号が北海でガス・パイプラインの補修を行うため、スコットランドのアバディーン港から出航した。ところがベテランのダンカン(ウディ・ハレルソン)、プロ意識の強いデイヴ(シム・リウ)、若手のクリス(フィン・コール)という3人の飽和潜水士が、水深91メートルの海底で作業を行っている最中、タロス号のコンピュータ・システムが異常をきたす非常事態が発生。制御不能となったタロス号が荒波に流されたことで、命綱が切れたクリスは深海に投げ出されてしまう。クリスの潜水服に装備された緊急ボンベの酸素は、わずか10分しかもたない。海底の潜水ベルにとどまったダンカンとデイヴ、タロス号の乗組員はあらゆる手を尽くしてクリスの救助を試みるが、それはあまりにも絶望的な時間との闘いだった……。
出演:ウディ・ハレルソン、シム・リウ、フィン・コール、クリフ・カーティス
監督:アレックス・パーキンソン 原作:ドキュメンタリー『ラスト・ブレス』(メットフィルム)
脚本:ミッチェル・ラフォーチュン、アレックス・パーキンソン&デヴィッド・ブルックス
| 制作年: | 2025 |
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2025年9月26日(金)より新宿バルト9ほか全国ロードショー