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「えびせん食べながらパンイチで号泣」元“フリー素材”俳優ことシム・リウの苦労話3選【『ラスト・ブレス』公開記念】

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ライター:#ニュース編集部
「えびせん食べながらパンイチで号泣」元“フリー素材”俳優ことシム・リウの苦労話3選【『ラスト・ブレス』公開記念】
シム・リウ 『ラスト・ブレス』©LB 2023 Limited

『ラスト・ブレス』公開目前!シム・リウ“おもしろ”エピソード3選

2012年にスコットランド沖で発生した最悪の潜水事故をリアルに描いた映画『ラスト・ブレス』が、9月26日(金)より全国公開。海底91メートルの深海を舞台に、命綱ナシ・酸素残量残り10分の悪夢の様な状況で一人取り残されたダイバーの息詰まるサバイバル、そして彼を救うべく死力を尽くす仲間たちの熱いレスキュードラマが交錯する、今秋ぜったいに劇場で観ておきたい1本だ。

『ラスト・ブレス』©LB 2023 Limited

そんな本作では、深海に取り残された絶体絶命の潜水士・クリスを若手注目株のフィン・コール、ベテラン潜水士のダンカンを実力派のウディ・ハレルソン、そしてクリスを救うべく命を顧みず深海へ挑む勇敢な飽和潜水士・デイヴを『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のシム・リウが熱演している。

『ラスト・ブレス』©LB 2023 Limited

シム・リウといえば、“いい人み”がダダ漏れしている朗らかな笑顔とは裏腹に、『シャン・チー』で一躍有名になるまでの約8年間は様々なアルバイトをこなし苦汁を飲み続けた“超”苦労人。ということで今回は、そんなシム・リウの知れば知るほど好きになるユーモアあふれるエピソードをご紹介したい。

『ラスト・ブレス』©LB 2023 Limited

“フリー素材”俳優からアベンジャーズの一員に

中国・ハルビンに生まれ、5歳で父に連れられてカナダに移住するまでは、とても裕福とは言えない祖父母の元で育てられたというシム。大学を卒業して会計士として働くが、入社してたった8か月でリストラされてしまったという。

失業したシムは、興味本位でギレルモ・デルトロ監督の『パシフィック・リム』(2012)の撮影にエキストラとして参加し、この経験をきっかけに俳優になることを決意。ところがなかなか芽が出ず、下積み時代はフリー素材画像のモデル、スタントマン補欠要員、ヒーローショーの中の人、アバクロのショップ店員など様々なアルバイトを経験した。

そんな時、『シャン・チー』の制作発表を知り、軽い気持ちで「マーベルさん、いつ打ち合わせをしますか?」とSNSに投稿したところ、まさかのマーベル側から連絡を受けオーディションが決定!

そのオーディションでブラック・ウィドウのアクションを完コピし、親近感たっぷりの笑顔とキレキレのアクションというすさまじいギャップを見せつけたシムにマーベル側が一目惚れし、見事シャン・チー役に大抜擢。MCUの総帥ケビン・ファイギからの電話を受けたシムは、パンツ一丁でえびせんを食べながら号泣したという。ひたむきな努力家であり、ユーモアあふれるシムの魅力が詰まったエピソードだ。

俺、スパイダーマンに呪われてる……!?

なぜか「スパイダーマン」と不思議な縁があるというシムは、下積み時代に子どもの誕生日パーティーを盛り上げるため、スパイダーマンのスーツで乱入するという仕事があったことを、アメリカの人気トーク番組<ジミー・キンメル・ライブ>で振り返った。

6歳の子どもたちのパーティーに転がり込んで、1時間にわたり痛めつけられるんだ。コスチュームのクオリティも低かったから、誰一人として僕がスパイダーマンだとは思ってくれなかったね。

さらに、仕事を求めてロサンゼルスに移り住んだ頃には、ハリウッド大通りでスパイダーマンのコスチュームに身を包んだ男性に「写真を撮ろう」と話しかけられたシム。「LAの人はすごく親切だな……」と思った矢先、「スパイダーマンに20ドルを」とお金をせびられて絶望したそうだ。

まるでスパイダーマンに呪われているかのようなエピソードだが、『シャンチー』出演後には、そんな呪いを断ち切るようなエピソードもあった。

とあるイベントでファンに向けてスピーチをしたシムは、自分が“トム・ホランドと友達”だと告白。それを証明するため、トムホが自分の留守電に残してくれたというメッセージを再生した。

「いま『シャン・チー』を見たところだよ! めちゃくちゃ最高だった!!」

まさに“友達”トムホからのメッセージに、会場のファンは大盛り上がり。もちろんこれは単なるドヤりではなく、「一生懸命努力して夢を追い続ければ、トム・ホランドが自分の映画を観てボイスメールを残してくれる日が来るんだよ」という、未来あるファンたちへの説得力満点のメッセージだった。スターになっても謙虚さを持ち続けるシムの言葉からは、彼の豊かな人間性が感じられる。

最新作では“世界一危険な仕事”を演じ、案の定死にかける

そんなシムの最新作となるのが、9月26日に公開となる『ラスト・ブレス』。深海を舞台に“世界一危険な仕事”の一つと言われる飽和潜水士に起きた最悪の事故を、実話をベースにリアルに描いたサバイバル・スリラーだ。

撮影はマルタ・フィルム・スタジオの直径100メートル、水深11メートルの超巨大プールに本当の海水を流し込み、“深海”を完全再現。シムたちは、その中で本物の潜水服を着用し3週間かけて深海のシーンを撮影した。

実際に、訓練はマルタの潜水プールで1週間かけて行ったんだけど、最高だった。すごく配慮されていると感じたし、潜水することにすっかりハマってしまったんだよね。

撮影メイキング 『ラスト・ブレス』©LB 2023 Limited

ポジティブにも聞こえるシムの言葉の反面、リアルを追求するあまり多少の事故はあったようで、共演のフィン・コールは潜水服の不具合により水深11メートルのプールの底で息ができなくなったトラウマを明かしつつ、「どんな時でもシムはとても冷静で、素晴らしいシーンパートナーでした」と、シムの姿勢を賞賛する。

撮影メイキング 『ラスト・ブレス』©LB 2023 Limited

当のシムは現場でこそ平静を装っていたものの、「一日の終わりに家に帰って“今日、何回溺れ死にかけた?”と自分に問いかけていました」と、緊張と恐怖の日々を吐露。しかし、自身が演じるデイヴ・ユアサ本人と撮影現場で対面したことで、過酷な撮影を全力で乗り切ることができたという。

本当にすごい話だと思った。この物語を語る一員になれたのは、とても光栄なこと。彼(デイヴ)はとてもストイックかつ現実的で、感情をほとんど表に出さない。彼に会えてとても興奮したし、本当に光栄だったよ。

撮影メイキング 『ラスト・ブレス』©LB 2023 Limited

新作でも持ち前のユーモアと強靭な肉体で大活躍のシム・リウ。知れば知るほど彼が好きになること間違いなしの映画『ラスト・ブレス』は、9月26日(金)より新宿バルト9ほか全国ロードショー。

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『ラスト・ブレス』

潜水支援船のタロス号が北海でガス・パイプラインの補修を行うため、スコットランドのアバディーン港から出航した。ところがベテランのダンカン(ウディ・ハレルソン)、プロ意識の強いデイヴ(シム・リウ)、若手のクリス(フィン・コール)という3人の飽和潜水士が、水深91メートルの海底で作業を行っている最中、タロス号のコンピュータ・システムが異常をきたす非常事態が発生。制御不能となったタロス号が荒波に流されたことで、命綱が切れたクリスは深海に投げ出されてしまう。クリスの潜水服に装備された緊急ボンベの酸素は、わずか10分しかもたない。海底の潜水ベルにとどまったダンカンとデイヴ、タロス号の乗組員はあらゆる手を尽くしてクリスの救助を試みるが、それはあまりにも絶望的な時間との闘いだった……。

出演:ウディ・ハレルソン、シム・リウ、フィン・コール、クリフ・カーティス
監督:アレックス・パーキンソン 原作:ドキュメンタリー『ラスト・ブレス』(メットフィルム)
脚本:ミッチェル・ラフォーチュン、アレックス・パーキンソン&デヴィッド・ブルックス

制作年: 2025