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バンビが人間を惨殺!話題の珍作ホラー『子鹿のゾンビ』への「泣ける」「学びが多い」の声は“全て真実”だった

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ライター:#BANGER!!! 編集部
バンビが人間を惨殺!話題の珍作ホラー『子鹿のゾンビ』への「泣ける」「学びが多い」の声は“全て真実”だった
『子鹿のゾンビ』© 2025 ITN Distribution Inc. All Rights Reserved.
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怒りと悲しみが生んだ異形のバンビ

同ユニバースの定番となりつつあるオープニングのアニメーションは素朴だが不穏、切り絵のようなビジュアルが悲しげなムードを醸し出す。クラシカルなゾンビものではなく、“ある理由”によってバイオ系ゾンビ化してしまった鹿の怒りと悲壮、汚されゆく森の復讐を匂わせるオープニングだ。

『子鹿のゾンビ』© 2025 ITN Distribution Inc. All Rights Reserved.

もちろん、肝心のバンビが中盤過ぎまで登場しない……なんて省エネ展開はなく、ものの数分で異形のバンビが人間に怒りをぶつける。さながら『ジュラシック・パーク』のような演出で、リアルな特殊メイクによる身体損壊描写もさっそくガン見せ。そんなバンビのターゲット、つまり人間側にも親と子の構図があって、これが最後の最後まで効いてくる。

『子鹿のゾンビ』© 2025 ITN Distribution Inc. All Rights Reserved.

本当に“泣ける”なんて…B級スプラッタの皮を被ったアニマルホラーの快作

ギスギスしたドラマパートの充実ぶりからは、あからさまにB級な低予算モンスター・パニックとは一線を画す作品だということが分かるだろう。とはいえ、巨大ゾンビ鹿とキャンピングカーのチェイスシーンは滑稽かつ恐ろしく、予算不足のCGを補って余りあるスリリングな演出が秀逸。バンビ“以外”の動物たちの存在も強烈で、クズキャラを餌にしっかり凶暴アニマルぶりを披露してくれる。

『子鹿のゾンビ』© 2025 ITN Distribution Inc. All Rights Reserved.

ベタなジャンプスケアもあるものの、タイトルや基本設定のほかは“ゾンビなバンビ”という飛び道具に頼らない物語運びが好感度大。もちろんバンビ登場シーン=殺戮シーンは都度しっかり痛いしグロいのだが、人間同士の醜い争いに比べれば、その暴力には純粋さすら感じてしまう。

『子鹿のゾンビ』© 2025 ITN Distribution Inc. All Rights Reserved.

本作を“バカ系ホラー”と思って観ると、ドスンと重い後味をともなって劇場を出ることになるかもしれない。中盤過ぎまでの<巨大ゾンビ鹿 VS 大勢の人間たち>から、クライマックスでは<2組の親子>という構図になり、予想外の伏線回収も含めて涙と笑いを誘う。そして、あまりにも不条理で悲しい、怒りと苦しみの連鎖を想起させるラストは、ホラー映画らしからぬ選曲と相まって深い余韻を残す……。

『子鹿のゾンビ』は8月29日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開

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『子鹿のゾンビ』

森で幸せに暮らしていた子鹿「バンビ」は、ある日猟師に母鹿を撃ち殺されてしまった。そして大人になったある日、人間による森林開発で妻のメス鹿がトラックに轢き殺され、幼い子鹿までもが行方不明になってしまう。また「バンビ」自身も川に捨てられた化学薬品を知らずに飲み、誰もが恐れるモンスター・ゾンビに変貌。ゾンビ化した今、全てを奪った人間への復讐のため、そして子鹿と再会するため、人間狩りを始める。走る車をブン投げて押し潰すなど鋭いツノと凶暴な牙を武器にして大暴走──!! しかし狙うのは悪い大人だけだ。果たして「バンビ」は子鹿と再会できるのか?

監督・編集:ダン・アレン
脚本 リース・ウォリントン
原作 フェーリクス・ザルテン「バンビ 森の暮らし」(Bambi: Eine Lebensgeschichte aus dem Walde) 

出演:ロクサーヌ・マッキー トム・マルヘロン サイモン:アレックス・クック メアリー:ニコラ・ライト マイケル:エイドリアン・レルフ

制作年: 2025