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「家族みんなで観よう!」は要注意? 性的&暴力シーンてんこ盛りホラー『IMMACULATE 聖なる胎動』の衝撃

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ライター:#BANGER!!! 編集部
「家族みんなで観よう!」は要注意? 性的&暴力シーンてんこ盛りホラー『IMMACULATE 聖なる胎動』の衝撃
『IMMACULATE 聖なる胎動』© 2024, BBP Immaculate, LLC. All rights reserved.
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荘厳な映像と新・絶叫クイーンの存在感

監督のマイケル・モーハンは、イタリアン・ホラー(※ジャッロ)へのオマージュを随所に散りばめている。ロウソクの光に照らされた回廊や赤いベールをかぶった謎の修道女など、視覚的なインパクトは映画的にはお馴染みながら、かなり強烈。『コロンバス』(2017年)等で知られる撮影監督のエリーシャ・クリスチャンによる映像は荘厳さと不気味さを巧みに融合させていて、修道院という閉鎖空間の不安感を効果的に演出している。

『IMMACULATE 聖なる胎動』© 2024, BBP Immaculate, LLC. All rights reserved.

そしてやはり、セシリアを演じるシドニー・スウィーニーが秀逸。彼女の演技自体が作品の軸になっていて、カメラは彼女の揺れ動く感情/表情を見逃さない。もちろんセシリアが観客の感情移入の対象であることも重要で、彼女が叫び傷つくたびにジリジリと下腹部あたりを責められるような錯覚に陥る。

『IMMACULATE 聖なる胎動』© 2024, BBP Immaculate, LLC. All rights reserved.

ツルリと“完璧”ではないことが鑑賞後の余韻に繋がる

本作の主なテーマは宗教的権威と、女性の身体をめぐる支配構造と言えるだろう。そうした現代的な議題でも単なるホラー映画ではないことを強調している。しかし、近年はショッキングで直接的な描写を避けるホラーも多いところ、本作は暴力・流血・宗教的なショック描写を積極的に盛り込んでいるところが逆に新鮮だ。

『IMMACULATE 聖なる胎動』© 2024, BBP Immaculate, LLC. All rights reserved.

なお本国ではR指定のようだが、15歳以下のお子さんと一緒に鑑賞するのはやめておいたほうがいいかも。デートムービーとしては、嗜好を共有できていればアリだろう。ちなみに宗教的アイコンを“ある目的”で使用する描写もかなり刺激が強いので要注意だ。

『IMMACULATE 聖なる胎動』© 2024, BBP Immaculate, LLC. All rights reserved.

2024年制作のホラー/スリラー映画としては“スマートさ”に欠ける部分はあるかもしれないが、ツルリと完璧な恐怖映画なんて味気ないもの。なにより本作は挑戦的なテーマと主演スウィーニ-の熱量があふれ出ていて、観客にしっかりと“問い”を投げかける力を持っている。ホラー好きはもちろん、宗教問題やジェンダー等のテーマに関心のある人も一見の価値ありだ。

『IMMACULATE 聖なる胎動』は7月18日(金)より新宿武蔵野館ほか全国公開

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