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「松井ケムリはグルーヴを理解してる」Zeebraが明かす赤坂サイファー『サンダーボルツ*』REC秘話

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ライター:#BANGER!!! 編集部
「松井ケムリはグルーヴを理解してる」Zeebraが明かす赤坂サイファー『サンダーボルツ*』REC秘話
『サンダーボルツ*』© 2025 MARVEL
Zeebra
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「ラッパーとして、いちばん安定していたのは松井ケムリ」

―今回プロデューサーとして、映画『サンダーボルツ*』の世界観を赤坂サイファーのラップに落とし込む上で最も意識されたポイントと、各メンバーに求めたものがあれば教えてください。

『サンダーボルツ*』のポイントとしては、それこそみんな過去にやられたり負けたりしてきた連中が集まってチームを結成するので、やっぱりそこで感じた挫折みたいなものがどこかにあることが必要だなと。サンダーボルツ*には、みんな歴史があるわけじゃないですか。その歴史を持っているヤツらが集まるから面白みがあって、深みがある。そういう楽曲になったらいいかな、っていうのは意識しました。

『サンダーボルツ*』© 2025 MARVEL

―『ラヴィット!』生放送でも仰っていましたが、リリックを考えられる上でメンバーの皆さんに挫折などの経験をヒアリングされたそうですね。そんな赤坂サイファーの中で、もっとも“はみ出している”と感じるメンバーですとか、あるいはラッパーとして最もポテンシャルを秘めているなと感じるメンバーを挙げるとしたら?

皆さん、ちょっと(生放送時は)緊張なさってたのかどうか分からないですけど(笑)、そんなに“ぶっ飛んだ”感じにはなってなかったかな。じつはラッパーとして、いちばん安定してたのは松井ケムリさん。だから音楽としてのグルーヴを理解しているというか、そこはちょっと(ラップをするうえで)だいぶ違うかなというのはありましたね。例えば歌っていて走ってしまう、どうしてもビートに対してちょっと(ラップが)早くなったりとかしちゃいがちなんですが、そういうことが全然なくて、ちゃんとグルーヴを身体で感じられているんだなって。そういう意味では一番すんなりやられていましたね。

―そのインスパイアソング「NOT GIVING UP.」の歌詞の中で、Zeebraさんが一番好きなリリックがあれば教えていただけますか?

酒井(アルコ&ピース)の「“変わった”じゃない、変えてやったんだ」とかかな。やっぱり色々と負の歴史とかそういったものもあるけれど、それをものともせずに“かわす”というか。サンダーボルツ*の面々も、みんな「俺たちがこのポジションになっていいの?」みたいな感じだったじゃないですか。でも「もうやるしかないから、やる」その感じにすごく近いかなと思っていて。いい意味で“やるしかない感”が出ていると思います。ここはKEN THE 390が作ってくれたんですけど、彼は普段から人の曲を作りまくっているので、そういうところが巧いですね。

「DJ WATARAIはビートをオファーすると毎回“120点”を4~5曲送ってきてくれる」

―「NOT GIVING UP.」はとてもスタイリッシュな曲調で、一度聴くと忘れられないメロディも印象的ですが、『サンダーボルツ*』の要素をどのようにトラックに落とし込まれたのでしょうか。

ビートを作っているのはDJ WATARAIなんです。まずは聴いたときに「ワクワクした、エキサイティングな印象を与えたい」っていうことは伝えていて。それと、赤坂サイファーの皆さんはラッパーとしてはプロではないから、そんな彼らが上手く聴こえるようなトーンは必要だねっていうのは初めからあって、なんとなくテンポ感だったりはこちらから指示して。

ただもうDJ WATARAIは毎回、オファーすると本当に「120点!」みたいなやつを4~5曲送ってきてくれるんですよ。以前『ブラックパンサー』のインスパイアソングをやらせていただいたときも、彼にトラックを作ってもらったんです。その時もスゴいのが4~5曲送られてきて「マジで!?」ってなっていたんですけど、今回も(笑)。DJ WATARAI自身もMCU作品の大ファンで全ての作品を観に行っているくらいで、だから彼もそこは分かってくれているし、気合いを入れて作ってくれているんだなと思いますね。

 

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―その4~5曲の中から選ぶのも大変だったのでは?

うん、そうですね。今日の生放送でも“2000年くらいの感じ”みたいなことを言ったと思うんですけど、確かにその感じはありつつも、じつは他のビートはもっとその要素が強かったんですよ。その中でも比較的ちょっと今っぽいニュアンスが多いビートを選んだので、もしかして他のビートを選んでいたら、だいぶクラシックな曲になっていたかもしれないですね(笑)。

―Zeebraさんがインスパイアソングを担当された『ブラックパンサー』は、ケンドリック・ラマーなどがサウンドトラックに参加しています。もし『サンダーボルツ*』にハマりそうなヒップホップの曲を挙げるとしたら?

日本のヒップホップだったら自分の世代の仲間で、それこそ<雷(KAMINARI)>っていうグループがあるんですよ。彼らはある意味、うちら世代の<アベンジャーズ>みたいな、ソロだったラッパーが集まって結成したグループ。当時のスーパーグループみたいな感じだったんです。だから雷の曲はハマりが良さそうだなって気がするかな。

『サンダーボルツ*』© 2025 MARVEL

「サンダーボルツは“傷あり”な人たち。その想いにキュンキュンさせられる」

―MCU作品では過去にも様々なチームが活躍してきましたが、『サンダーボルツ*』の“チームならではの魅力”とは?

サンダーボルツ*は、みんな“傷あり”な人たちじゃないですか。それが本当に特殊だなっていうか。“アベンジャーズになりたい”っていうのは今までにも色々あったし、『デッドプール&ウルヴァリン』でも「アベンジャーズに入りたい」って、あったでしょ?(笑)。 ああいう感じで、“みんなが目指すもの”っていう大前提として、サンダーボルツ*も「そういう風になれたらいいかな……」みたいな、ちょっとずつ淡い想いを持っている人たちの集まりみたいな感じで。あれはもうキュンキュンしますね、「俺もマジでなりてーし」って思った(笑)。

『サンダーボルツ*』© 2025 MARVEL

―それでは最後に、そんな『サンダーボルツ*』のZeebraさん的な見どころを教えていただけますか。

やっぱり今回ホントに、赤坂サイファーの皆さんじゃないですけれど、“突然現れた自分の役目”とか、それに対して自分なりに気合を入れ直して、そこに向かう感じっていうか。人生の中で、そういう時ってたまにあるじゃないですか。だからそういう局面になった時に、「アイツらもあそこでバリッとしてたしな」っていう風に……うん、思ったりできたらいいな、なんて思いますね。

『サンダーボルツ*』は8月27日(水)よりディズニープラスで独占配信中

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『サンダーボルツ*』

NYの街に突如として現れた大きな黒い影。瞬く間に市民を消し去っていく謎の敵により、世界は再び大きな脅威と直面する。しかし、数々の敵から世界を救ってきたアベンジャーズは、そのピンチに姿を現さない。謎多きCIA長官のヴァレンティ-ナは、誰がこの脅威から世界を救うのかを問いかけるが、絶望の中立ち上がったのは、かつて洗脳されヒーローと対立した過去を持つウィンター・ソルジャーことバッキーだった。彼が仲間に誘ったのは、悪事を犯した過去を持つエレーナ、USエージェント(ジョン・ウォーカー)、レッド・ガーディアン(アレクセイ)、ゴースト、そしてタスクマスターだった。そこにボブと名乗る謎の男も現れ…

ヒーローじゃない彼らは、誰も空を飛べず、戦闘手段は肉弾戦のみ。好戦的な性格の彼らはチームを組むも、エレーナは突如ジョンに銃を連射し、悪役のようにビルを爆破、敵を拘束して拷問を始めてしまうなど、ヒーローとは程遠い…マーベルの新チーム「サンダーボルツ*」はアベンジャーズにかわって、この脅威から世界を救うことはできるのか?

監督:ジェイク・シュライアー

出演:フローレンス・ピュー, デヴィッド・ハーバー, セバスチャン・スタン, ワイアット・ラッセル, オルガ・キュリレンコ, ハナ・ジョン=カーメン, ジュリア・ルイス=ドレイファス

日本版声優:田村睦心 (エレーナ), 白石 充 (ウィンター・ソルジャー), 大塚明夫 (レッド・ガーディアン/アレクセイ), 鈴木達央 (USエージェント/ジョン・ウォーカー), 田中理恵 (ゴースト), 中村千絵 (タスクマスター), 藤貴子 (ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌ), 梶裕貴 (ボブ), 伊瀬茉莉也 (メル)

制作年: 2025