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「驚愕のラストに言葉を失う」「最後まで展開が読めない」ニコケイ史上最狂『シンパシー・フォー・ザ・デビル』の衝撃

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ライター:#BANGER!!! 編集部
「驚愕のラストに言葉を失う」「最後まで展開が読めない」ニコケイ史上最狂『シンパシー・フォー・ザ・デビル』の衝撃
『シンパシー・フォー・ザ・デビル』©2023 Sympathy FTD, LLC ALL RIGHTS RESERVED
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狂ケイジ×怪キナマンのスリリングな競演

映画の開始から10分もしないうちに謎の赤髪の男=ケイジが登場し、妻の出産に立ち会おうとする男性デイビッド(キナマン)の車に乗りこむや銃で脅し、ただ「走れ」と命令。観客は早々にデイビッドと同じく「わけがわからない」状況にさらされ、じっと次の展開を見守ることになる。しかも病院では今にも出産しそうなデイビッドの妻が待っているわけで、その焦燥感も共有させられるため心拍数の上昇は避けられない。

『シンパシー・フォー・ザ・デビル』©2023 Sympathy FTD, LLC ALL RIGHTS RESERVED

狂人との邂逅によってそれまでの日常がガラガラと崩れてしまう、という物語は多い。スピルバーグの名作『激突!』(1971年)やそのオマージュ作品でもある『ロードキラー』(2001年)、トム・クルーズ主演の『コラテラル』(2004年)やカート・ラッセル主演の『ブレーキ・ダウン』(1997年)、ルーク・ウィルソン×ケイト・ベッキンセイルの『モーテル』(2007年)、トラウマ級の胸糞スリラー『ザ・バニシング -消失-』(1988年)、巻き込まれスリラーの名作『ロードゲーム』(1981年)などなど……。

『シンパシー・フォー・ザ・デビル』©2023 Sympathy FTD, LLC ALL RIGHTS RESERVED

しかし本作は、よりクローズドなシチュエーションで、悪人の目的が一切わからないミステリー要素を強調し、観客の想像を否定するかのように分かりきったことをわざわざセリフで言わせる等、こってりとした狂気を観客の顔に塗りたくるような演出が特徴。あまりにもクレイジーなケイジの存在は、妄想なのか真実を話しているのか、あるいはすべてジョークなのか、終盤までまったくわからない。

『シンパシー・フォー・ザ・デビル』©2023 Sympathy FTD, LLC ALL RIGHTS RESERVED

だが最後には間違いなく戦慄することになる。ケイジのワンマン映画であればデイビッド役は無名の俳優でも問題なかっただろう。しかしキナマンが狂人に翻弄されるだけの無害な男性をのほほんと演じるわけはなく、溜めに溜めた挙げ句に静かにぶちまけられる“かつて起こったこと”の衝撃度は、それまでの印象をひっくり返すほどのインパクトだ。結末は賛否が分かれそうだが、狂ケイジと怪キナマンの競演をぜひ劇場で見届けよう。

『シンパシー・フォー・ザ・デビル』©2023 Sympathy FTD, LLC ALL RIGHTS RESERVED

『シンパシー・フォー・ザ・デビル』は2025年2月28日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開

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