〈『犯罪都市』4DX〉初体験ガイド
4DX上映そのものが初体験という方のために少し説明しておくと、上映中ずっと揺れまくっているとか、シートにしがみついていないと危ないとか、そういったことは一切ないのでご安心を。それでも衝撃のあまりポップコーンが宙を舞ったりすることはままあるそうなので、劇場で飲食物を購入する際には注意しよう(飲み物はフタ付きのものがベター)。
話を『犯罪都市 PUNISHMENT』4DXに戻すと、エフェクトは全体的に点と円の動きで構成されている。物語パートではグーンとゆったり、クレーンカメラのようだが最小限のムーブでストーリーの盛り上がりに貢献し、走る車内や広い空間のシーンでは上半身にフワッと風が吹く(これが箸休め的な感覚もあって心地良い)。そしてアクションシーンが始まるやズドン! と激しいエフェクトが作動し、まさに<マブリー・ザ・ライド>とでも例えたくなる“アトラクション”と化すのだ。
ここにも注目!キャラの個性が出た4DXエフェクト
本作を4DXでも鑑賞する予定の方には「とにかくマブリーのゲンコツを味わいたい」というコアなファンが多いかと思うが、マ・ソクト刑事が自ら「今度は手加減しない」と言い放つだけあって、ぜひパンパンに期待して挑んでいただきたい。麻薬密売のアジトを素手で破壊するシーンに始まり、極めるわ投げるわの大盤振る舞い。そのたびにシートがギッタンバッコン揺れまくり、ゲンコツを放てば大げさでなく<G負荷>を錯覚するほどの圧を味わうことができる。
しかし、本作には個性豊かなキャラクターが多数登場することもお忘れなく。おそらくシリーズ最強にして最凶であろう敵ペク・チャンギのメインウェポンは大きめのダガー系ナイフで、一切の躊躇なくターゲットをメッタ刺しにする狂人だ。そんなチャンギのアクションが4DXになったら……(ゴクリ)。詳細の解説は控えるが、思わずウワッと声が出る、もしくは力なく笑ってしまうであろう衝撃エフェクトをお楽しみに。
そして今作からシリーズに復帰した人気キャラ、チャン・イスは過去一番の面白さで強烈なインパクトを残す。もはや影の主人公と言いたいほどの活躍ぶりなので、パク・ジファンのファンも大いに期待してほしい。ただ、これはイスがあまりにも面白すぎるせいかもしれないが、彼ならではの4DXエフェクトは……特に無し! そんな哀しい事実さえ鑑賞後にささやかな笑いをもたらしてくれる、愛すべきキャラだ。
日本語吹替で安心!4DXに身を委ねて『犯罪都市』を楽しもう
さて、4DXはフィジカルに集中する鑑賞がベターなので、主に日本語吹替版での上映となる。これは本当に一切の誇張なく、それくらい4DXへの没入度は凄まじく、つまり4DXを最大限に楽しむための仕様ということ。言い換えれば鑑賞中は小難しいことを考える余裕なんて無くなってしまう! ということでもあるのだ。
物語のベースとなる犯罪テーマは現代的でヘビーながら、ハイテク音痴なマ・ソクト刑事の「弱きを助け悪をくじく」漢ぶり、往年の刑事ドラマのような痛快ぶりもしっかり強化された本作。しかもエンディングテーマはパク・ジファンが歌っていて、それが有名なトロット(韓国演歌)曲のカバーという昭和歌謡風味もあり、4DXで火照ったカラダを癒やして(?)くれるのだった。
『犯罪都市 PUNISHMENT』は2024年9月27日(金)より全国公開